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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

熟達者が初学者に教えるのが下手な理由。

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そろそろ新入社員がやってきて、新入社員研修が行われ、配属されたら先輩社員によるOJTがスタートしますね。

そんな季節。

OJTトレーナーは、若手社員がアサインされることが多いのですが、それでも、年次は3年とか4年とか、ある程度業務知識もあれば、経験も積んできた人です。
企業によっては、10年選手がOJTトレーナーになることもあり、ほぼ熟達者(経験10年説に照らせば)という状態の先輩が、何も知らない新入社員を指導することになります。

で、ですね、そういう熟達者が初学者に教えるのって、結構難しいのです。

何が難しいか、って「当たり前」のレベルが違うからなんですが、

あなたの「当たり前」と
私の「当たり前」は違う!

なんてことは、誰だって「頭」では理解できる。ただ、感覚としてなかなか理解できない。

なので、つい、説明を省略する。説明文が短くなるという省略もあれば、説明自体をしないという省略もある。

相手は、初学者なので、相手の立場に立って教えてね、と言われても、
「初学者の立ち場」は、自分もかつて(数年前)そこに立っていたはずであっても、
もう思い出せない。

確かに、色々分かっていないことがあって苦労したな、という記憶はあっても、
何をどう理解していかくて、苦しかったか、という感覚は、再現できない。
なぜなら、今は、普通、というか、血肉になってしまっているから、です。

新卒の例で出しましたが、もっと大変なのは、キャリア採用者です。

「前職の経験もあるし、わかるよね」と思われがちなのがキャリア採用者。

先輩は、「わからないければ何でも聞いてくださいね」と簡単に言ってしまうのですが、「何が分かっていないのか」というのは、わかっていない人には判別がつかないものです。

だから質問、相談が遅れる。

前職の経験があるため、こうだろう、と判断して進めると、「それはダメなんです!」と言われたりしてしまうのです。

新卒よりある意味、キャリア採用者のほうが、より学習に困難を伴うことがあり得ます。


よく、若手が育たない、とか、キャリア採用者が定着しない、とか、聴くのですけれど、もちろん、当人の問題もあるかもしれませんが(メモしない、とか、いい加減に聴いている、とか)、でも、たいていの場合は、教える側の目線の高さなんですよね。

目線高すぎて、相手と会っていない。

そこは、対話で埋めていくしかないのです。


今度、そんな話もVoicyでしてみますね。


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