国内ソーシャルリクルーティングの現状とこの1年間の動向まとめ
ソーシャルリクルーティングという言葉をよく耳にします。Twitterを活用した採用活動は2009年から増えてきましたし、2010年〜2011年はFacebook活用の事例も増えました。冷静になってみれば、弊社ループスも2年前まではGoogle Adwordsで新規のお客様を開拓し、Findjobで人材募集を行い、楽天ビジネスでパートナー募集をしていたらしいのですが、2010年以降は顧客も求人もパートナーも、全てソーシャルメディア経由です。
※2009年は僕はまだループスに入社していません。入社した経緯はこちらに少しだけ記載あり。【朝活】人気読書朝食会「リーラボ」発起人・加藤たけしさんに聞く!本業以外のプラスアルファがもたらすものは想像以上に多い / IT&ウェブ業界の転職をサポートする「CAREERzine」
http://careerzine.jp/article/detail/1386
リクルーティングに関しても、全てソーシャルメディア経由とまではいかなくても、ソーシャルメディアを使った企業の採用活動事例もこの1年間でかなり増えてきています。すぐに思いつく範囲で、この1年間の国内動向をまとめてみました。
(重大な抜け漏れ等ありましたら @takeshi_kato まで教えていただければ幸いです)
〜この1年間の国内ソーシャルリクルーティング動向〜 ■2010年10月1日
Facebookがリクナビと連携、コネクションサーチの開始■11月15日
サイバーエージェントやトレンダーズが2012年新卒採用にFacebook枠を設置■11月17日
ソフトバンク・ヒューマンキャピタルが就活生向けの会社説明会をライブ配信■2011年1月1日
LinkedInの日本語化は6月中か?の報道■5月10日
世界6,000社以上の企業の採用を支援してきた“Work for Us”が日本上陸■5月19日
LinkedInがニューヨーク証券取引所に新規株式公開■5月25日
LinkedInがデジタルガレージと提携、日本語版オープンは年内へ■5月30日
エンジャパンがFacebookアプリ「enTree Work(エントリーワーク)」をリリース■7月29日
国内初の新卒採用 / 海外大生採用向けFacebookアプリ「JOBRING」がサービスイン※上記まとめのための参考URLは記事の末尾に記載します。
ソーシャルリクルーティングといえば、企業活動で非常に重要な人材採用において、ソーシャルメディアを活用した採用手法を意味しているケースがほとんどでしょう。ソーシャルリクルーティングは「○○だ」と断言することはできませんが、たとえばTwitterやFacebookを使った採用活動は、ソーシャルリクルーティングの方法の一つです。
また、オンライン求人サービスの 米Jobvite が企業800社に対して今年の5〜6月に行った最新アンケートによれば、約90%の企業が採用活動にソーシャルメディアを使うという結果が出ています。国内ではまだまだ広がってきているとは言い難い状況ですが、米国では採用活動において、ソーシャルリクルーティングが一般的な手段の一つとなっていることが、この数字からも読み取れます。有望な採用はソーシャルメディア、特にLinkedInを使って行うというのが一般的になっているようです。
<参考URL>
Jobvite-SRP-2011
http://web.jobvite.com/rs/jobvite/images/Jobvite-SRP-2011.pdf
採用活動のこれまでの話や、ソーシャルリクルーティングが秘めた可能性については、grooves社 CEOの池見幸浩氏がTechWaveに詳しい記事を寄稿してくださっているので、今回は説明は割愛します。以下の記事をご参照いただければと思います。
<参考記事>可能性は無限 注目を集めるソーシャルリクルーティング
http://techwave.jp/archives/51669542.html新定番はどれだ!世界が注目するソーシャルリクルーティングサービス8選
http://techwave.jp/archives/51670994.html
5月の米LikedIn上場、enTree Work や JOBRING など国内サービスの登場もあり、ソーシャルリクルーティングの概念が日本国内でも徐々に浸透してきました。ソーシャルリクルーティングを考えている企業担当者の方や、ソーシャルメディアを活用した就職活動を行おうとする学生の方など、個別にご相談をいただくケースも増えてきています。できる範囲でお力になれればと思っていますので、お気軽に @takeshi_kato までご連絡ください。
また僕の身の回りでいえば、以下3名のソーシャルリクルーティングに関するアウトプットのクオリティが素晴らしいので、Twitterアカウントとブログを併記してご紹介させていただきます。インテリジェンスの三石さん、アイティメディアの浦野さん、慶應大学4年生の小俣さんのお三方です。
■三石 原士 氏(@m_mitsuishi )
Designscape(デザスケ) 〜キャリアデザイン × ソーシャルメディア〜
http://design-scape.jp/
■浦野 平也 氏(@ITmedia_HR )
ITmedia人事・採用ブログ
http://itmedia-hr.typepad.jp/itmedia-hr/
■小俣 剛貴 氏(@goooooki )
Office WADE 〜日本のソーシャルリクルーティング事情について発信します〜
http://blogs.itmedia.co.jp/goooooki/
中でも、浦野さんのこの資料は圧巻の一言。ソーシャルリクルーティングを考えている企業担当者の方、必見です。
最後に、このまとめ記事を書いていて思ったことを少しだけ。
この記事内でも先ほど「ソーシャルリクルーティングといえば、企業活動で非常に重要な人材採用において、ソーシャルメディアを活用した採用手法を意味しているケースがほとんどでしょう。」と書きましたが、「ソーシャルリクルーティング=ソーシャルメディアを活用した採用手法」ではありません。人によって定義は違うかと思いますが、僕はそう考えています。
浦野さんの言葉をお借りすれば、「採用のポリシー・スタンスやロジックをよりソーシャルなものに置き換えること」。これがソーシャルリクルーティングの本質であるはずです。ソーシャルメディアというツールを使うからソーシャルリクルーティングなのではなく、ポリシーやスタンスがソーシャルに変わるからこそ、それを体現するツールも変わるだけだと思うのです。もちろんツールがなければ考え方も浸透しないのですが、本質的なところはしっかりと意識しておきたいところです。
もっと言えば、採用活動・就職活動がよりP2Pになっていくことが、ソーシャルリクルーティングの本質なんだと思っています。今まではいわば「企業と大学」のやりとりだったのが、経営者や人事などの「企業内個人」と、十人十色の学生とのやりとりになり、双方にとってよりハッピーなマッチングにつながっていく。その実現を目指したコンセプトの採用活動がソーシャルリクルーティングであり、そのためのツールがソーシャルメディアなのでしょう。
企業と学生の利益は背反しないはずですし、面接やインターンの場は「だまし合い」の場ではありません。一人ひとりがもっとイキイキと人生を過ごすために、まずは採用活動・就職活動という場が、今よりもより良いものに少しずつでもシフトしていくよう、微力ながらできることをしていきたいと思います。
<この1年間の国内ソーシャルリクルーティング動向のまとめ参考URL>Facebook、就活生をサポートする新アプリケーション『コネクションサーチ』を公開
http://www.businesswire.com/news/home/20100930007187/ja/サイバーエージェント、採用活動にFacebook®を活用 ~ユーザー限定就職イベントを開催、Facebook経由採用枠を設置~
http://www.cyberagent.co.jp/news/press/2010/1115_1.htmlトレンダーズ㈱が2012年度 新卒採用に「Facebook枠」を設置
http://www.trenders.co.jp/release/release20101115.htmlソフトバンク・ヒューマンキャピタルがUstreamでオフィシャル就活支援番組を配信
http://www.softbankhc.co.jp/press/release/2010/20101117/150000.htmlビジネスSNSのLinkedInが6月ごろに日本語化か――現在日本語の翻訳者を採用中
http://jp.techcrunch.com/archives/jp20110101linkedin_might_launch_jp_version_in_2011/Facebook上の採用ツール"Work for Us"(ワークフォーアス) が日本初上陸!
http://www.leggenda.co.jp/news/press/20110510-01.htmlFacebookアプリ「enTree Work(エントリーワーク)」をリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000000725.html新卒採用、海外大生ソーシャルリクルーティングツール:facebookアプリ「JOBRING」公開
http://techwave.jp/archives/51690264.html
Facebookページリニューアルのご報告
ループスのFacebookページを8月にリニューアルオープンしました。早速700名以上の方々にいいね!を押していただき、嬉しく思っています。
日本語の「ループス」も含めたページ名にしたこと、これまで未対応だったチェックイン機能のスポットに対応したこと、主にこれら2点を旧ページ「Looops」から改善しています。
この新ページ限定のコンテンツ・最新情報も発信していく予定です。引き続き応援いただければと思います。
<最近の人気記事>
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1.ソーシャルメディア・ダイナミクス(毎日コミュニケーションズ)
2.ひとつ上のFacebookマネジメント術(技術評論社)
3.仕事を成功に導くFacebook活用術(ソフトバンク クリエイティブ)
4.Facebookブランディング(翔泳社)
5.まったくの初心者でもFacebookをビジネスで使いこなせる本(日本実業出版社)