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mixi, Twitter, Facebook 2011年5月最新ニールセン調査、Facebook利用者820万人へ

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6月18日に、2011年5月度のニールセン・インターネット視聴率が発表された。震災の反動で3サービスとも利用者が減少した4月と比較すると、5月度はサービス間の明暗がはっきりと出た一ヶ月となった。 データ元は、ネットレイティングス社提供によるインターネット利用動向調査「Neilsen/NetRatings NetView」サービス。対象は「一般家庭および職場のPCユーザー」としている。
 
Fig1

利用者数でいくと、mixiは1287万人(前月比103%)と微増、Twitterは1466万人(同95%)と減少、Facebookは820万人(前月比118%)と大幅増加となった。ただし、ペーシビューや利用時間では、引き続きmixiが他を圧倒している。
 
Twitter訪問者数には専用クライアント(TweetDeck, Hootsuite等)のアクセスは含まれていないため、実際のユーザー数はもう少し多い。参考まで、Twitter社の9月4日ブログによると、Twitter.comユーザーは全Twitterユーザーの約78%とのこと。この数値を単純に適用すると、3月度のTwitterユーザーは約1880万人、対PCネット人口に対するリーチ率で30.6%となり、日本におけるインターネットサービスの壁と言われる2,000万人前後で停滞していることになる。
  
ただし、このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数(下図の①)であり、携帯利用者を含まないこと、非会員を含んでいることに注意いただきたい。

Fig10_2

mixiの決算発表およびSocialBakers最新データを引用し、各社の ①訪問者数(PCのみ。非会員を含む)、②アクティブ会員数(月1回以上訪問する会員数)、③登録会員数を比較すると、次表のようになる。

Fig2        
 
続いて、三社のPCベースの利用者数推移を見てみよう。

Fig3
  
Facebookが堅実に成長している一方、Twitterは2ヶ月連続で利用者を減少させている。Twitterのコアユーザーであったアーリーアダプター層がFacebookにシフトしていることも一因となっているだろう。mixiは学生と若年女性層に固定利用者を持っており、利用者を堅実に増やした。現時点でコアユーザーはFacebookにシフトしていないように見受けられる。

なお、ニールセン調査ではないが、参考まで、2011年4月度のDocomo多機能携帯(スマートフォンを含まず)におけるインターネット視聴率調査をあわせて紹介しておこう。調査元はVideo Research Interactiveだ。
 
Fig8

Fig9
 
このグラフを見てわかる通り、PCと比較して、多機能携帯の利用者においては未だにmixiがTwitterとFacebookを圧倒していることがわかる。ただし、このデータには、TwitterやFacebookが強いスマートフォンの統計は入っていないことに注意したい。

また、Facebookは、自社統計データ(月次アクティブ会員数やユーザー属性などのリアルタイムに近いデータ)を常に公開している。それに基づくsocialbakers.comの最新チャートも参考まで掲載しておこう。こちらによると最新のFacebookアクティブ会員数は371万人となっている。ニールセンデータが会員以外の閲覧者を含んでいるのに対して、このFacebook自社データはアクティブ会員のみに限定している点に注意したい。


Fig10           

さて、ニールセン調査に戻り、三サービスの最新利用時間推移、ページビュー推移を見てみよう。
 
Fig1       
 

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利用時間、ベージビューいずれも、依然としてmixiが他を圧倒している様子が見て取れるが、時系列で見ると、mixi、Twitterが減少傾向にあるのに対して、Facebookが堅調に伸びているようだ。特にPCページビューベースで見ると、FacebookがTwitterを逆転している点が興味深い。
 
ここで、平均滞在時間で比較してみよう。次の表は、今回の2011年5月国内調査結果と、2010年3月ニールセン調査結果(10ヶ国平均)を比較すると次のようになる。

Fig6          

この表を見ると、日本のTwitterユーザーの月間平均利用時間は27分と、10ヶ国平均より少ないことがわかる。またFacebookにいたっては40分と、いまだに10ヶ国平均の11%程度の利用時間にとどまっており、活性化に課題があることがわかる。
 
続いて、これら3サービスの利用者の重なりのデータをチェックしてみよう。
 
Fig7

この表は、例えばmixiユーザーの50.4%はTwitterを、29.3%はFacebookを利用しているということを表している。
  
なお、この三社サービスの利用者合計は延べで34,935(千人)だが、重なりを考慮した「重複しない利用者数」は23,184(千人)となり、対前月比で微増の101%。国内PCネットユーザーに対するリーチ率では37.9%となった。

さて、4月度から利用者のデモグラフィックを紹介している。こちらは前月とほぼ同様の結果となった。なお、mixiやFacebookは会員の性年齢別分布を公表しているが、このデータはあくまで第三者による調査で、かつPCページ訪問者を対象としている点に注意したい。
 
Fig11
Fig12  
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Fig14  
総じて職業人が多いが、この調査では携帯利用は対象としていないためだろう。例えばmixiのPV比較では「PC : 携帯 : スマホ = 15 : 80 : 5」とPC利用はわずか15%であり、特に若年層は携帯を中心に利用することが多い点に注意したい。
 
 
■ インターネット利用動向調査「Nielsen/NetRatings NetView」に関して
インターネット利用動向調査「Nielsen/NetRatings NetView」は、日本のウェブサイトの利用状況を毎週、毎月ウェブサイトごとにユニーク・オーディエンス(当該期間に1回以上、ウェブサイトを訪問/視聴したとされる、同一人物の重複を除いた推計利用個人数)などのデータとして契約顧客向けにネットレイティングス株式会社がレポートを提供しているものです。 詳細はこちらまで。

Nielsennetview  
 

【過去のニールセン/VRI調査定例記事】
Ameba, GREE, Mobage, mixi 2011年4月最新VRI調査  (2011/6) 
mixi, Twitter, Facebook 2011年4月最新ニールセン調査  (2011/5) 
GREE, Ameba, Mobage, mixi 2011年3月最新VRI調査 (2011/05) 
mixi, Twitter, Facebook 2011年3月最新ニールセン調査 (2011/04) 
GREE, Ameba, Mobage, mixi 2011年2月最新VRI調査 (2011/03) 
mixi, Twitter, Facebook 2011年2月最新ニールセン調査 (2011/03) 
mixi, Twitter, Facebook 2011年1月最新ニールセン調査 (2011/02) 
mixi, Twitter, Facebook 2010年12月最新ニールセン調査 (2011/01) 
mixi, Twitter, Facebook 2010年11月最新ニールセン調査 (2010/12) 
mixi, Twitter, Facebook 2010年10月ニールセン調査 (2010/11) 
mixi, Twitter, Facebook 2010年9月ニールセン調査 (2010/10) 
mixi, Twitter, Facebook 2010年8月ニールセン調査  (2010/09) 

 


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【国内外SNS関連】
Facebook, Myspace, Linkedin, Twitter 米国最新SNS動向   (2011/6) 
直近決算発表に基づくmixi、GREE、Mobage、Amebaの業績比較 (2011/5) 
主要SNSビジネスモデル比較 〜 mixi、GREE、Mobage、Facebook、Twitter (2011/4) 
2011年版フォーチュン100社のソーシャルメディア活用実態調査 (2011/2) 
 
 

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