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Amazon、独自のLikeボタンをテスト中か

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Amazonが独自のLikeボタンをテスト中と、本日早朝にTechCrunch(元記事)が報じている。

情報ソースはTwitter、Arul Isai Imran氏発信のツイート。ただし、TechCrunchによると複数人がTwttierで投稿している模様で、信憑性は高いようだ。

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ツイート内にある、TweetpicされたAmazonの新Likeボタン画面はこちら

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この商品の右側にあるのがLIkeボタンだ。拡大するとこんな感じ。
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特徴としては「そのLike情報をリコメンドに利用するかどうか」のチェックボックスがついていること。そしてこれは、標準でAmazonのリコメンデーションエンジンにLIke情報が組み込まれることを表している。

現在、Amazonのリコメンデーション情報は「Web閲覧」「購入」の二つに基づいているが、これに「Like」情報が加わることになる。この「Web閲覧」→「Like」→「購入」という一連の流れを分析することで、さらに精度の高いリコメンデーションとなることは間違いないだろう。

なお、Amazonは、今年7月にFacebookと連携し、Facebookのソーシャルグラフを利用したサービスを開始している。

Amazon3

  • Facebookプロファイルに基づく音楽や映画などAmazon商品の推薦
  • 誕生日が近い友人とそのAmazon Wish Listsの表示
  • Facebookプロファイルに基づく友人へのプレゼント推薦
  • 個々のプロファィルに基づき,興味が近い友人を探索

さらに詳細はこちらへ
AmazonがFacebookと連動,ソーシャル・リコメンデシーションを開始 (7/28) 
 
ただし、FacebookソーシャルグラフをAPI経由で活用しても、そのソーシャルグラフをAmazonが独自利用や蓄積することは規約で禁じられているし、そこで入力されたユーザーのLike情報はFacebookサイドに蓄積されるため、Amazonで再利用することが困難だ。
  
また現在、Facebookには1日あたり30億件のLikeボタン情報が流入(記事)しているが、このLike情報は、先日発表されたユーザー自身がバックアップ、可搬できるデータ(記事)に含まれておらず、完全にFacebookが独占している情報のひとつだ。

FacebookのLike情報には「人と人」「人とモノ」「人とコンテンツ」の関係などが含まれるのに対して、AmazonのLike情報はあくまで「人と商品」だけのサブセット情報ではあるが、Facebook以外の巨大企業が独自にLike情報を収集しはじめたインパクトは大きい。

先週末にGoogleがFacebookにGmail情報を提供を停止する旨の発表があった。その背景にあるのは世界をまきこんだソーシャルグラフ争奪戦だ。
「ソーシャルグラフ」ってなんだろう? (6/21) 

現時点では圧倒的な優位にたっている Facebook - Microsoft(Bing) 陣営だが、その劣勢ゆえ、Facebookを脅威に感じている巨大企業が集まり、Googleを中心にオープン化をすすめる可能性もある。その時の台風の目はFacebookと微妙な関係にあるApple、Googleと提携関係にあるTwitter、そして今回LikeボタンをテストしているAmazonの三社だ。その意味でも、今回のLikeボタンアプローチは注目に値するニュースと言えるだろう。
 
 

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