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Googleの買収ラッシュ、その背景にFacebookとの人材争奪戦が

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2010年、Googleによる買収ラッシュが話題を呼んでいる。

2008年4件、2009年6件と推移していたM&A件数が、2010年はまだ9月の時点でなんと23件、このペースだと年間30件を超す可能性もある前代未聞のハイペースだ。

Chart_of_theday_google_acquisition
【出所: Silicon Alley Insider】

 
最近では、特にFacebook対抗と目される「Google me」のため、ソーシャルゲーム、ソーシャルネットワーク系小規模ベンチャーの買収が目立っているが、買収目的にそれほど一貫性があるようには感じられない。

 
ではなぜ、Googleは買収ピッチを上げているのか?その背景には、Facebookなど新興勢力とのエリート技術者獲得競争があるようだ。

9月1日にTechCrunchがスクープした記事(元記事)によると、GoogleはFacebookに転職しようとしている社員に対して、15%の昇給(年収15万ドル、ミッドレベルの技術者とのこと)および50万ドル!の臨時ボーナスを申し出たがあっさり断られ、Facebookにうつったとのこと。また同様のオファーを複数名にしているが、そのうち20%はFacebookに移籍したらしい。

なぜ移籍するのか。それにはFacebookのIPO(新規株式公開)がみえているからだ。2011年予定は延期されたとニュース(元記事)されたが、そのIPOはそう遠くない将来に行われるだろう。ちなみに、Facebookの推定売上は2009年で約8億ドル、2010年は14億ドルを超えると予想されている。参考まで、Googleの株式公開は2004年8月だが、2003年売上で9.6億ドル(現在249億ドル)であるため、すでに同等ないしそれ以上の売上規模になっているのだ。

Facebook2010年売上予測は1300億円,うちCredit効果は315億円か (6/3) 

で、IPO時のGoogleの時価総額は約360億ドルだったことを考えると、FacebookのIPO時の時価総額も当然そのレベルになる可能性が高い。参考までFacebook投資家は350億-400億ドルと見積もっている(元記事)ようだ。

一方のGoogleはすでに検索事業が成熟期に入ったと見られており、株価はここしばらく低迷を続けている。

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つまり端的に言うと、GoogleからFacebookにストックオプションによる上場益狙いで社員移籍が相次いでおり、Google一連の買収劇は、優秀な人材、特に起業家精神を持ったエリート技術者を確保することが目的と見られているのだ。

Google Can't Hire Anyone, So It's Going Crazy Acquiring Companies
Google Making Extraordinary Counteroffers To Stop Flow Of Employees To Facebook

 
ひところ、MIcrosoftからGoogleに人材流出が相次ぎ、Googleの前には世界最高の人材が長蛇の列をなしていると報じられていた。今や、検索エンジンからソーシャルグラフへインターネット上の覇権は移行しつつあり、投資家のお金も、エリート人材もそれを見据えてFacebookに流れているわけだ。個人的には、ソーシャル系、特にFacebookやTwitterにはストックオプション狙いの社員は入社してほしくないと切に思うのだが、これも時代の流れなのだろう。
 

なお、この時代背景については、こちらの記事をぜひご一読を。
「ソーシャルグラフ」ってなんだろう? (6/21) 


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