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【速報】 Twitterトラフィックに関するGoogleTrendsデータが大幅修正された件

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今まで当ブログでは,Google Trends for Website データをベースに,数回にわたり調査記事を掲載していた。

Twitterデイリー訪問者数で,ついに日本が米国に並んだ! (2009/12/20)
ツイッターは本当にスローダウンしているのか?現在のアクセス状況に関する多面的な考察 (2009/11/25)
Twitterの最新アクセス状況 ~ 米国はストップ。日本は急増。では規制中の中国は? (2009/9/2)

しかしながら今回調査で,Google Trendsは,Twitterトラフィック情報を大幅に修正したことが判明した。詳細は以下にあらわすが,まず上記記事は残念ながらGoogle Trendsの旧データに基づいていたため,現時点では主旨とともに正確ではない点(特に2009/12/20記事)が含まれていることをお伝えし,率直にお詫び申し上げたい。

 
■ Webトラフィック調査の概要

Webトラフィックを調査するサービスは複数あるが,もっとも老舗なものは Alexa だ。彼等は,Alexa ToolbarがInternet ExplorerやNetscape Navigatorの関連ページ機能の核として採用されたことで,ユーザーのWeb訪問情報を収集することができるようになり,それに基づいて全世界のWebトラフィック統計情報を提供をはじめた。1997年のことだ。

さらに詳しい情報はこちらをどうぞ。
Alexaとは何か? (MarkeZine, 2007/3/7)

その後,compete(米国トラフィックのみを対象),Quantcast(米国トラフィックのみを対象)などの後発サービスがあらわれた後,Google Trends for Website(全世界トラフィックを対象,以下 GoogleTrendsと略)があらわれ,そのトラフィック量やカバー範囲からWebトラフィック測定の本命として評価されていた。

Googleがトラフィック統計参入,Compete,Alexa,Comscore,Quantcastに対抗 (TechCrunchJapan, 2008/6/21)

 
■ 2009年に入り,GoogleTrendsにおいてTwitterトラフィックが大幅修正

では,どのようにTwitterトラフィック・データ(デイリーユニーク訪問者数,以下デイリー訪問者数と略)が修正されたか見ていきたい。ちなみに2009年5月から12月までは当ブログで定点調査していたが,データが修正されたことはなかった。

次の表は,それぞれ全世界,米国,日本のTwitterデイリー訪問者の推移で,2010/1/14時点の調査を上段,2009/12/19時点の調査を下段としている。

  
(1)全世界でのTwitterデイリー訪問者数推移


【Twitter WorldWide - Google Trends for Website on 2010/01/14】


【Twitter WorldWide - Google Trends for Website on 2009/12/19】


(2)米国でのTwitterデイリー訪問者数推移


【Twitter USA - Google Trends for Website on 2010/01/14】


【Twitter USA - Google Trends for Website on 2009/12/19】


(3)日本でのTwitterデイリー訪問者数推移


【Twitter JAPAN - Google Trends for Website on 2010/01/14】


【Twitter JAPAN - Google Trends for Website on 2009/12/19】


これらを比較すると,2009/12/19 - 2009/01/14の間に,下記のような大幅修正が行なわれたことがわかる。

  • 全チャートともそもそもスケールが変わった。特に米国は新チャートでは,約6倍の訪問者数(2009/11で見ると60万人→390万人)に変更されたのが極めて大きい。そのため全世界の訪問者数も大幅に増加している。

  • トレンドのカーブも過去に遡って修正された。特に米国は下降基調だったものが水平基調となっている。

  
■ 各国の最新Twitter普及状況予測

これに基づき,現在と1ヶ月前の全世界トップ10を表にあらわすと次のようになる。

Chart10_2



 
また,最新データに基づいて,米国を除き2位から6位までのデイリー訪問者数をグラフ化すると次のようになる。



この図によると,新データでも日本がもっとも勢いよく伸びている国であることには変わりはない。また2009年末時点のデイリー訪問者数で,全世界1000万人,米国390万人,日本75万人となり,日米比較で日本は約1/5であることがわかる。

ただしこれはAPI経由を考慮していないtwitter.comのトラフィック数値である。アスキー記事 によると日本におけるWeb経由アクセスは1/3程度とのこと,これを基準に換算すると,デイリー訪問者数で,全世界3000万人,米国1170万人,日本225万人となる。

一般的にユーザー数というとマンスリー訪問者数をあらわすことが多く,デイリー訪問者数の2-3倍程度となることが多い。その点で,この数字は他の調査(Comscore社,ネット・レイティングス社等)と比較しても違和感のない数値になったと言えよう。

 
■ その他,最近のTwitterトラフィックに関する最新情報

最後に,最近発表されたTwitterトラフィックに関する最新情報をふたつほどご紹介したい。
ひとつはWebProNewsから。

Twitter Sees an Increase in Tweeting Frequency (WebProNews, 2010/1/12)

この記事では,Twellow というTwitterディレクトリ・サービスを提供している企業からのデータを元に,Twitterの成長推移を発表している。

次の3つのグラフは,上から順に,トータルTweet数の推移,登録ユーザー数の推移,一人当たりの月間Tweet数 をグラフにしたものだ。










このデータによると,Twitterのユーザー登録者数はついに1億人を超えたようだ。そしてTweet数も極めて順調に伸びている。2009年の前半に驚異的に成長率で注目されたTwitterだが,実はその後も順調に成長しているであろうことが見てとれる。

また観点は異なるが,TechCrunchには次のような記事が掲載された。

Twitter、利用回数で過去最高を記録。この記録は日々更新される見込みらしい (TechCrunchJapan 2010/1/14)

これによると,Twitterの共同創立者であるEvan Williams氏が,1月10日にTwitterの利用回数が過去最大に達し,その数字はすぐにも塗り替えられる見込みだとのコメントをTweetしたとのこと。

 
なお,今回のGoogle Trendsデータの大幅修正の原因は明らかにされていないが,もしかしたら,検索分野におけるGoogle-Twitter間の提携により,より精緻な計算ロジックが確立されたのかも知れない。

いずれにしても新しいデータがより真実に近いものであることを祈りつつ,今後も当ブログでは,Twitterのトラフィック定点観測を行なっていきたい。

 
 
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最新の筆者著書です。 『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』

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