【速報】米国全業種でソーシャルメディア予算が急拡大
米国調査会社MarketingSherpaから昨年12月にリリースされた "2010 Social Media Marketing Benchmark Report"における調査結果が一部記事化されたのでご紹介したい。
・ Using Social Media Strategy (eMarketer, 2009/12/21)
・ Social marketing budgets' on the up but blogger relations not a quick hit (socialmediatoday, 2010/1/2)
このレポートは,2317人の米国各業界のマーケィング・エキスパートに対するアンケートに基づいており,B2B,B2Cともに対象としている。
では,まず業種ごとのソーシャルメディアに対する2010年の予算配分の様子を見てみよう。
赤字が2010年にソーシャルメディアに対する予算増加意向を表明したマーケッター比率,黒字は予算削減意向を表明したマーケッター比率をあらわしている。
不況の中,広告予算,販促予算に対して依然として削減要求が強い中,ソーシャルメディアに関しては全く様相が異なり,全業種にわかって予算増を見込んでいるのが見て取れる。
特に小売,コマース業は,79%が予算アップなのに対して削減方針はわずか1%と強いソーシャルメディア活用意向があるのが注目される。昨年の米国クリスマス商戦におけるソーシャルメディアの影響力が話題を呼んだが,メディアとしての投資効果が測定しやすい業種であることも増加要因となっているだろう。
予算増加分を何に使うかというアンケートに対しては,約60%はブログ原稿料やコンテンツ開発,ソーシャル・モニタリングなどの"Human Factor"に費やし,約20%は外部のエージェントやコンサルタント,ソーシャル・マーケティング・サービス・プロバイダーなどの外部に使うとの回答を得ている。媒体料より人に投資している傾向が強いところが,他メディアと一線を画しているといえよう。
すでに米国マーケッターにおいては,ソーシャルメディア活用は実験段階を超えているところが多く,25%はストラテジックフェーズに入っており,目標設定とそれに基づく効果測定が実施されはじめている。
またソーシャルメディア活用の目的の順位を見ると「Webトラフィック増加」がトップ,「見込み客増加」,「売上増加」,「サーチエンジン・ランク向上」と続いている。
(クリックで拡大します)
最後に,その効果測定の集約結果として,各ソーシャルメディアの効果特性をあらわしたチャートを紹介したい。
この図は,縦軸に得られる効果,横軸にはそのために必要な工数・コストをあらわしたものだ。
最も効果的だが,最も骨が折れる(手間と時間のかかる仕事)のは「ブロガー・リレーション」だ。少ない努力で高い効果を得られる典型的なツールはマイクロブログ(Twitter),手間もかからないが効果も少ないのがメール配信という統計結果になっており,大変に興味深い。
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