知人の高校生の娘さんは難聴です。
そのボーイフレンドも聴力障害を持っているそうです。
毎夜、Skypeを使って互いに手話で話しこんでいるとか。
以前、このブログで、携帯電話のTV電話機能を使って手話で会話している人の例を紹介しましたが、Skype(や他の電話会議系ソフトウェア)もこのような用途で障害者に方に利用されているんですね。
障害者の方々にとって、以前なら不可能だったコミュニケーションが毎日気軽に取れるようになるというのは実に画期的なことです。
当初からその用途が意図されたか否かは不明ですが、ITがこのように利用される事例を見聞きするたびに、たいへん嬉しく思いますし、あらためて自身の仕事はこの世の役に立っているのかと自問しながら、さらに身が引き締まる思いです。
私は月並ですが、葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵師が大好きです。
彼らの浮世絵の何に惹かれるかと言えば、やはりその構図の奇抜さです。
たとえば、右の甲州石班沢、遠江山中、両国花火などにみられる超大胆な構図。
このような、見る者をびっくりさせるような構図で絵を描くにはかなり勇気を必要としたと思います。現代の絵画教室の先生の中には、このような思いきり過ぎる構図を嫌う人もいるのではないでしょうか。
専門家の諸先生方は北斎や広重の構図や技法をいろいろ解説するのですが、私はそのようなテクニックよりも、むしろこの大胆な構図をひたすら楽しんだ消費者市場が日本にあったということに実に感動します。
こちらも専門家先生の言葉で恐縮ですが、そのような「経験価値」の売買市場が150年以上前の日本に存在し、われわれ日本人はその素晴らしいコンテンツ市場の担い手だったということを思い返し、今後もコンテンツに一層の投資が向かうことを祈らざるを得ません。
本日の日経夕刊に、日本の江戸期の絵画のある流派が、200年の時を超えて師匠の技を伝承していたという記事が載りました。
それは、俵屋宗達→尾形光琳→鈴木其一(きいつ)という淋派の師弟で、一部未検証ではありながら、松島図屏風に描かれた技法を伝承しているというものです。その間、少なくとも200年です。宗達→光琳間では風神雷神図の伝承がかつて有名でした。
何とも壮大で壮絶な芸の伝承作業であり、「絵画」というコンテンツが200年もの時を超えて伝えられていく様は、日本の芸だけに誇らしくもあります。
以前、ディズニーの「白雪姫」というコンテンツは、絵本→映画→ビデオ→CD→DVDと媒体が変わりつつも、常に一級品のコンテンツとしてベストセラーであり続けているということを書きました。まさに、コンテンツが世を生き延びるのであり、媒体は単にその伝達方法、米国式で言えば、コピー方式に過ぎません。
それと比較してしまうのは乱暴ですが、淋派の絵画という「コンテンツ」が数百年の時を経てなお衆人の注目を浴びるということは、そのコンテンツの力が並大抵ではないことを示していると思います。
コンテンツが生き残るのであり、媒体は変化し続ける(し続けなければならない)、という一種の不文律は、ITという「媒体」を生業にしている私にとっては常に教訓でもあります。それをあらためて感じた記事でした。
先回、電子書籍元年の記事を書いたのが昨年なので、既に「電子書籍元年から2年目」となりますが、どうも日本の電子書籍が振るわないようです。
先日は電子書籍機器メーカー各社が端末にてこ入れするという記事が載りました。
Facebookで紹介された記事においても、日本でE-bookが売れないのは当然だとの評論が出ています。
やはり、日本には世界に先駆けた(と個人的に思う)書籍市場の多様化があり、一筋縄ではいかないのではないかと思います。
まずは、「文庫本化」ビジネスの定着。新刊本を文庫本化することで二次的な市場を吸い取る仕組み。
次に、いまや全国レベルで充実化し、底辺層を吸い取る古書ビジネス。
とどめが、新刊本の品ぞろえが半端でない公立図書館網。
とにかく、書籍市場のあらゆるセグメントに強烈なプレイヤーが多すぎるように思います。
その中で、電子書籍が着実に獲得できているのは、常にカネを払っていち早く新刊本を購入したい人たち。マンガやアニメの愛好家であり、この分野で売れているのはやはりというか、さすが日本だと思います。
私自身はごく典型的な、普通の書籍市場の顧客と思いますが、電子書籍にまったく興味ないので、なかなか浸透しにくいツールということなのでしょう。
子どもが所属する少年野球チームをお手伝いしていると、試合や大会でさまざまなチームの監督さん、コーチの方と接します。
一様に思うのは、「不必要に子どもを叱りすぎる」指導者が多いなあ、ということです。
不真面目な子や迷惑をかける子を叱るのはある程度致し方無いと思うのですが、技量が伴わない子や失敗した子を頭ごなしに叱り飛ばすのは指導者でも何でもないのではないかと思います。
「何でそんな球を振るんだ、バカヤロー」なんてのは日常茶飯事。自分の指導の至らなさを子どもに転換している図に見えます。まったく僭越ながら、それは単なる「外野のヤジ」と同レベルではないでしょうか。
出来ないから指導を受けに来ているわけで、それを叱るのなら、子どもたちはいったいどうすれば良いのか?
今から25年ほど前、私自身もヤジしか飛ばさない青二才の指導者でしたが、武田 建氏の「コーチング - 人を育てる心理学」という書を読んで愕然とし、その後、米国在住時に向こうの指導者や管理職の方々と実地で接するにつれて、何だか日本の指導者はまったく違うぞ?と思ったことがあります。日本にまだ「コーチング」なる言葉が入って来ていない時代ですね。
偉そうな事を言いますが、子どもたちを昨日と違う今日の姿にするのが指導者でありましょう。それは階段を1つでも、いや半分でも登らせることであり、それは叱って無理やり登らせるのではなく、自ら登らなくてはならないのでしょう。叱って登った子は勝手に降りてきてしまいますが、自分で登った子はひたすら登ってゆくのだと思います。
MicrosoftがSkypeを85億ドルで買収というニュースには驚きました。
Skypeは赤字体質が抜けず、純利益が出たとしても大半は金利が占めているという有様で、とても買収対象になる事業とは思えないからです。しかもこの金額ですし。
しかし、この会社は不思議なもので、切羽詰まった段階になると必ず白馬に乗った買い手がやってくるのですね。
今回も、通常の事業の売買であればまったく成立しない取引であったでしょう。また、昨夏にIPOを申請していたらしいですが、それも上手くいくかどうかが分からない状態だったのでしょう。そういう時に、IPOされては面倒だということで、買い手としてMicrosoft、Google、Facebookなどがちゃんと現れて来るところが米国のアドレナリンの凄いところです。
そして何より、Skypeの役員の多くを占める投資家達の売りさばき方が凄い。MicrosoftがSkypeをどうするのはよく分かりませんが、普通なら成立しないであろう取引を「欲しい人に高い金額で売る」事ができるところまで持っていく交渉術の凄まじさ。まったく感心します。
アップル社の(驚異の)第二四半期の決算が発表されました。ざっとまとめると、売上が2兆円、利益が5千億円です。既に半期の売上が5兆円ほどになっているので、年度売上が10兆円を超えるのではないかというぐらい絶好調ですね。
しかし、この5千億=25%という利益率に驚きます。
アップル社の決算書の製品別売上を見てみると、全体の90%がハードウェアの売上となっており、アップルという会社はソフトウェアベンダというよりすっかり製造業になっているのですね。
中でもiPhoneの売上が半分の1兆円となっているので、高い利益率に寄与しているのはiPhoneの粗利率ではないかと想像されます。
かねてからiPhoneの原価は非常に低いという噂は方々で流れていました。ざっくりと表すと、1万5千円で仕入れて5万円で売っている、というような価格感です。儲かるはずです。
ただし、私はアップルに関しては、「原価を安くしている」という言い方はふさわしくなく、商品を高く見せている、高く売っていると言うべきかと思います。直営店にこだわったり、小売りによる値引き販売を避けたりするのも「高く売る」ための戦略なんでしょうね。
そして、やはり、アップル社の商品の構成力、プレゼンテーション力が素晴らしいと思います。消費者が高くても買ってしまう魅力づくり。それに尽きますね。
NEC元社長の西垣浩司氏が昨日亡くなられたとのこと。
IT業界の大先輩であり、大学のクラブの大先輩でもありました。
数年前にIPAでオープンソース関連の講演をさせていただいた際、当時理事長をされていた西垣氏も出席されており、いくつかお言葉を頂きました。
非常に温和で、包容力を感じる方でした。
残念。
合掌。
先日、シリコンバレーの会社を訪問した際、現地のロシア人役員とイスラエル人エンジニアに連れられて行った日本食レストランでのショットです。
眼前のデカい物体は刺身の盛り合わせで何とも豪華なドライアイス盛りですが、それより面白いのは、後ろにも写ってますが、日本のアニメが店内の数か所のモニターに流れていたことです。
一緒にいったロシア人もイスラエル人も若いのですが、彼らはポケモンで育ち、自宅に任天堂Wiiを持っている典型的な米国の若者でした。そしてアニメ好きでもあります。
彼らが一様に言うのは、「いったい日本は次にどんなオモシロイものを米国に輸出してくれるのか?」ということでした。米国のBarnes & Noblesにも日本のアニメが増えましたね。ものづくりニッポンは黄色信号と言われていますが、若者文化(という言い方をするとオジサン臭いですが)の輸出国として立派に期待されていると感じた次第です。
しかし、一緒だったロシア人は女性だったんですが、超ハイペースで日本酒を飲んでました・・・。
先日のニューズウィーク誌に「iPhoneの負け」という記事が載りました。
米国のユーザは常々、iPhoneがヴェライゾン(通信キャリア)に対応してくれれば最高なのに・・と願っていたが、Androidの出来が素晴らしく、普及もし始めたので、iPhoneの行く末などどうでも良いと思い始めた、というものです。また、台数ベースでもAndroidはあっという間にiPhoneを抜くだろうという見通しです。
この2つのライバル機器(というかライバルOSというか)はそもそもビジネスモデルが異なり、簡単には比較できないというのが正直なところです。iPhoneは事業そのものであり、売ることで収益が見込めるわけですが、AndroidはオープンソースOSであるため、直接的な収益はゼロです。それぞれのOSがもたらす収益という観点でみればiPhoneが圧勝、いや、勝負になってません。
かつて、Google社内ではAndroidをオープンソースで開発することに賛否両論あったと言われています。しかし、Eric Schmidtは、Androidが普及することによって検索機会が増え、結果的に新たに1兆円の検索(広告)収益をもたらすと述べています。iPhoneがもたらす収益は明らかになっていませんが、一説には5千億円前後と言われていますから、いい勝負です。
ビジネスモデルが異なるものの、この両者の勝負は経営的にもいいケーススタディになりそうです。


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