プロダクトマネジメントとイノベーション

イノベーションに必要な「もう一つのダイバーシティ」

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先日、「パナソニックの発明王」と呼ばれる大嶋光昭様(AVCネットワークス社 イノベーションセンター スーパーバイザー )にお話を伺う機会があった。実は「発明王」という方がおられると伺ったのは昨年、こちらのインタビューを企画・編集させていただいた時だったので、大変楽しみにしていた。大嶋氏のご活躍については文末のリンクを参照されたい。

さて、成長戦略を描き実践したい企業において、大嶋氏のような社内イノベーターはどうしても欲しい人材だ。ところが大嶋氏曰く、技術は無いが思いは強烈といった人材、あるいは、イノベーションを日々考えて探求するような人材は会社ではマイノリティ扱いを受け、その扱いに辟易として会社を辞めてしまうこともあるだろうということだ。したがって、「マイノリティが除外されない評価システムが必要だ」とおっしゃられたのだが、この「マイノリティ」という単語の使い方が非常に印象的だった。

マイノリティという単語からは近年一般化したダイバーシティという経営施策がすぐ浮かぶ。ただ、いまのダイバーシティは主に国籍、性別、宗教などのデモグラフィック的な多様性を重視し、そのマイノリティを受け入れるという施策であるのに対し、大嶋氏が指摘する「マイノリティ」は、アイディアの距離感、時間軸、豪胆さなどの発想のレア感を持つ人材の扱いの事である。そのような人材との共生ができているのか?ということだ。確かに、今の企業では、既存事業を正しく伸ばそうと思えば思うほど、このような発想のレア感があるマイノリティの居場所がなくなる。

「発明家」というマイノリティが存在することは企業の光であるが、そういうマイノリティを受け入れられない不幸も潜在する。もう一つのダイバーシティをどう扱うか、それ自体がイノベーション戦略なのかもしれない。

参考:左遷覚悟で臨んだ製品化へのゲリラ戦 【日本のシリアル・イノベーター(3)前編】

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