プロダクトマネジメントとイノベーション

ベネッセ社は個人情報の価値を高めよ

»

ベネッセコーポレーションの個人情報が流出した。数百万件とも数千万件ともいわれるが、最終的に行きついたのは競合事業を手掛けるジャストシステム社ということだ。

実はベネッセ社が福武書店と名乗っていたころ、同社の赤ペン先生を何年か務めたことがある。この「先生」の仕事は大変きつい。生徒の課題を文字通り赤ペンで添削するのだが、隅から隅まで懇切丁寧に、心をこめて添削しないとクビになるのである。おそらく、その添削の力の入れ具合は親や担任のレベルをはるかに超えている。

同社は、そのような「熱血先生」を大量に投資して生徒を確保し、生涯にわたって個人を囲い込む戦略を駆使しているわけであるから、一人一人の生徒の情報の価値はすこぶる高いはずだ。名簿業者であれば個人情報は1件10円から100円程度で取引するらしいが、ベネッセ社の個人情報の価値は1件当たり数10万円してもおかしくない。2千万件であれば2兆円の評価額はくだらない。

今回は派遣先のSEが数100万円程度のカネ目当てで情報を抜き出したようであるが、赤ペン先生OBとしては、あれだけの労力をかけて育て上げた資産をいとも簡単に他社に持っていかれてはたまらない。ベネッセ社がその個人情報に2兆円の価値があると認識していれば、世界最強レベルの漏洩対策を施しても良かったはずだ。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する