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プロダクトマネジメントとイノベーション

アリババ社は調達した2.5兆円を使い切れるか?

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アリババ社のIPOは結局、9月15日の週に延期されそうだ。これまで散々二転三転してきたが、最後に来てまたひと波乱という感じだ。

さて、同社が5月にSECに提出した申請書で世界中をあっと驚かせたのは、利益率50%という異常な(?)高収益体質である。在庫を持たないECがこんなに儲かるのか?と世間をびっくりさせた。

しかも、資産は1兆円近くもあって増え続けている。

そして、今回のIPOでさらに2.5兆円も調達するらしいが、そんなにカネを調達していったい何に使うのか?と皆が思っている。

同じSEC向けの資料では、顧客数を伸ばすとか品数を増やすといった予想通りの戦略が記載されているが、その中でちょっと注目したいのがIT投資である。

"Enhance Data and Cloud Computing Technologies"

このようなタイトルで記載された箇所には、(調達した資金で開発される)インテリジェンスを駆使してデータを活用し、ECにおける強みをさらに強化し、また、クラウドコンピューティングを進化させ、自社にも第三者にも恩恵を与えるとある。

Amazon社のような戦略であるが、在庫を持たないアリババ社ならではの苦労と効果があるはずで、IT投資の成果が非常に楽しみである。

しかし、それでも資産1兆円、IPO調達2.5兆円は使いきれないだろうな、と思う。

使い切れないと逆に株主の反発を買う可能性があるな・・・とまったくおせっかいな心配をしてしまう。

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