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ノンポリでいこう!

ユビキタス系研究者によるアカデミックな話題から旬の技術論議、日々の実践まで幅広く。

3月2日(日本時間 3/3 03:00) からのAppleの iPad 2発表イベントを、オンラインで体験した。Text+Phone+Twitter での体験であったが、十分にライブ感を楽しめた。

Ipad2event1_1

その場で思ったことは Tweet したので @nkawa で3/3あたりを見て欲しい。個人的には、まとめて書いておきたいことがあるので、以下エントリを。

iPad 2のスペックについては、Appleの発表 を見てもらえば良いが、

  • A5 Dual Coreで、2倍速。グラフィックは9倍速
  • Dual カメラがついたのに、薄く、軽くなった
  • ホワイトモデルも同時発売
  • マグネットで着脱式、折り畳み式の蓋も同時設計。カラフル10色。
  • アプリとして iMove , Ga rageBand が登場
  • HDMIでの1080p ディスプレイ出力がすべてのアプリで可能

といったあたりがトピックであったが、これらはほぼ識者の予想の範囲であった。
恒例の "One more thing" も無く、あっさりとしたイベントでもあった。

iPadの進化はこれから始まる

しかし、個人的には、今回のイベントは大変大きな意味を持つ、と感じている。
それは、

  • Apple は iPad をサポートし、継続的に発展させていく

という意志が確認できたことだ。

当たり前かもしれないが、ユーザも、デベロッパにとっても、そのプラットフォームへの安心感が必要なのだ。自分の投資が十分に価値があるかどうか、という点が大切だ。それをAppleが保証してくれた。昨年 iPadを買ったユーザにとっては、iPad 2は、ウラヤマシイが、慌てて買い換えなければならないデバイスではない。また、これからも iPad 2 専用のアプリばかりが多数出る、という心配も無い。

また、iPad がこれまでに 1500万台販売された、というデータも発表された。iPhoneは累計7000万台と言われており、比較するとまだまだであるが、Tabletというフォームファクタで考えると、これは驚異的だ。

Apple信者もそれなりの数がいるため、アーリーアダプターが中心であることは否めないが、これだけのユーザがいれば、iPhoneとは異なるエコシステムが生まれはじめてもおかしくは無い。

iPhoneがここ数年間で成熟してきたように、iPadも、これから成熟していくのだ。
それを、今回のイベントはあらためて明確にしてくれたと思う。

iPadのユーザをターゲットにしてみよう

これまで、iPad 向けの開発は、iPhone向けの開発のおまけ、という形式が多かったのではないかと思う。(もちろん、iPadをメインターゲットにされている方もいるでしょうが)つまり、パイ・ユーザの大きいiPhoneをメインターゲットとし、余裕があればiPad用も開発する、と。

しかし、iPhoneのユーザと iPadのユーザは、本質的に異なる。
iPhoneは常に持ち歩き、いつでもどこでも利用するためのデバイスであるのに対し、iPadは、椅子やソファーに座って、ゆったりと楽しむためのデバイスだ。

Appleは、iPad を "Tablet for Every Living Room" として作ってるのだ。

この違いを意識せずに、アプリやサービスをつくってもiPadのユーザには、使ってもらえない。

世の中には、テレビの前にどっかり座って、ノンビリ、楽しんでいる人がたくさんいる。インターネットもスマートフォンも関係ない人達だ。こういった人に、インタネットの世界や、ITが生み出す感動を与えるのがiPadだ。

また、こういった人が、実は、社会で最も大きなボリュームを占めているのではないか。

誰もが、テレビのように、手軽に、楽しく、安心して使えるデバイス。iPadが目指すのはそういう方向だ。だから、Appleのアプリの審査はそれなりに厳しい。このクオリティコントロールが、ユーザの安心感を生むのだ。

まだまだiPadのようなデバイスを「誰もが使える」という状況になるには、時間がかかる。しかし、iPadは、その一翼を担うデバイスになる、と確信した。
#その前に、ネットワークはどうするんだ、という点が課題。。。

ぜひ、iPadのユーザをターゲットとした、アプリやWebサイト・サービスの開発を進めて欲しいものである。(自分自身も含めて)

nkawa

2011年最初のエントリが3月とは申し訳ないが、なんだか急に多くの人に伝えたくなったので。

YouTubeの字幕サポート

そもそものきっかけは、Google I/O での発表を調べていた時だ。過去の発表のビデオがYoutubeにあるかな、と探すと、おおー、あるある。(まあ、当たり前ですね。Googleですから)

例えば、コレ。


YouTube: Google I/O 2010 - The open & social web

内容は、イマドキのSocial Webの解説だ(内容も、いろいろ感心するモノだが)すべて字幕(Closed Caption)が付いてるのが凄い。この機能は2008年頃からあったので、実はみんな知ってて当たり前なのだが、その当時サポートされている動画がそれほど多くなかった。
#ちなみに CC を見るには、YouTubeのサイトに行く必要があるので注意。

でも、今ではGoogle I/O のような良質のコンテンツに大量に字幕が付いている。2年間で充実したわけだ。これは凄いことだ。もう、聞き取れないから、わからないってことは無くなるわけ。自分で辞書で引いて調べればいい。自動翻訳もついてるので、ある程度は自国語でも理解できる。プレゼンの勉強にもなる。

これまで、クオリティの高いビデオコンテンツは、高価なので、学習には費用がかかる、ってのが当たり前であった。でも、今や、YouTubeに、大量に無料のハイクオリティな学習コンテンツが溢れているのだ。

同じようなビデオコンテンツに TED がある。TEDは、良質のプレゼンを短時間で見せてくれるので、ぜひ、すべて見て欲しいが、これにも、字幕がある。
個人的には YouTubeよりもTEDがオススメだ。

圧倒的な学習量の差が生まれる

以前に「本当に大切なことはWebに載っていない」というエントリを書いているように、Webだけではだめだよ、とは感じている。しかし、しかし、これだけの良質のコンテンツがWebに溢れていれば「やる気」のある人と無い人では、圧倒的な学習量の差が生まれてしまう。それも、積分で効いてくるので、本当に怖い。学ぶほどに効率も上がるだろうから、学んで無い人との違い(それが何かは表現しきれないが)は数千倍にも成り得るだろう。

日本は、均質文化で「能力は人によってそれほど違わないから、同じ教育を施せば、同じような人に育つ」といった考え方で教育システムができている。でも、「人によって、能力は違う」というのは厳然たる事実である。スポーツの世界では、当たり前に受け入れられているのに、学習の世界では、それが認められていないのがオカシイのだ。

同じ人間が並んでいて、片方は1の知識、片方は1000の知識、なんてこともあり得るわけ。知識だけでなく、もちろん、能力にも差があり得る(プログラミングなんて顕著だけどね)

やる気があっても「理解力」や「記憶力」が足りない場合、ってのももちろんあるだろうが、少し前の「やる気はあるが、機会が無い」という時代ではなくなりつつあるのだ。それも、世界の人々がライバル。

オリジナルな自分になろう

ノンビリすごしている場合ではないなあ、と、思う。
誰もができる仕事は凄い勢いでコモディティ化が進んでいる。その場で戦うのは大変だ。XXデベロッパ、XXプログラマ、なんて職種は、あっという間に飲み込まれてしまうだろう。まあ、そもそも日本では、エンジニアの地位が高くないので、それほど変化は無いかもしれないが。

でも、慌てる必要も無いのかもしれない、とも思う。
真に価値を生み出すのは他の人にはできない「誰でもない自分」だからだ。
誰もができる仕事をするのではなく、他の人とは「圧倒的に違う自分」を生み出せば良いのだ。そのためには、大量の学習コンテンツから、自分なりに「選択」をする。その選択こそが、オリジナルな自分を創ることになるのだと思う。

nkawa

前回のエントリが4月。そして、もう9月。

4ヶ月もの間、エントリが空いてしまったのは、iPadを入手して、なんとか上手くiPadを表現し、その結果をエントリにしようと考えていたためだ。

ここまでの自分とiPadの経緯を書いてみよう。

iPadにまつわる変遷:
4月: iPadを手に入れるためにいろいろ手を考える
5月: 米国発売iPad を入手。ガチに使い込み。
    あまりにいろいろ過ぎて、整理できず
6月: 日本発売のiPadも入手。
    だんだんとわかってきたがまだ整理できず。
7月: だんだんと普通の電子デバイスとして利用できるように。
8月: もう日常の一部。(Tweetすらなし)

実際、自分のTwitter での発言を見直すと、当時の様子がよくわかる。

4/28 ハワイのAppleStore でのiPad の在庫状況がわかるサイト。http://bit.ly/cSZryp 2日おきに入荷しては、売り切れてる、って感じですね。シアトルも無理かなぁ。。。

[iPadを米国経由で入手]

5/1 : しかし、iPadのアプリ、良さそうなものはみんな有償。US iTunes Store のアカウントで買う必要があるのがつらい。みんなどうしてるのかな。

5/1 :iPadだと、アプリの導入が、iPhoneより、楽なので、じゃんじゃん入れちゃう。とりあえず、いろいろ試すのみ。

5/5 : 移動するときは iPhone, 机に座ってるときは PC ということで、 iPad の出番が無い。リビングでノンビリ、という時に使うのがヨサゲなのですが、ノンビリしてる時間が無い、ということに気づいてガックシ。

5/18 : iPad を新幹線の中で使うと、快適だ。うーむ。これはいい。

5/27 : おお、AppleからiPad出荷の連絡が。全部のオプションも無事に届くといいなぁ。出荷案内には iPadしか書いてない。。。

6/1 : iPad 1ヶ月使って得られた経験: iPadはiPhoneともPCとも違う新しいデバイス。もっと革新的な使い方が登場する。PC万能派の私など旧世代と笑われる時代が来るかも。

6/1: でも、iPad はPC依存の人にとってはiPhoneのように利用領域を広げてはくれない。むしろ、PCやiPhoneを使わない人に使って貰うデバイスかも。まさにリビングデバイス。

6/1: 軽い調査にiPadは最高。やっぱりカジュアルITデバイスとしては最高ですね。今日、知らない人から初めて「それ、iPadですか?初めて本物見ました」といわれた。

6/1: iPad用のドローソフトも、「コレ」というのが無い。SketchBook Pro とKeynote の組み合わせでもダメ。自由に図が作りたいだけなのに。。#ipadjp

6/8: やばい。iPadアプリの購入が止まらない。 #ipadjp

7/5: DICOMO2010の論文集CDが届いた。誰か論文誌CD用のiPadアプリ書いてくれないかな。(自分でやるべき?)

7/10:iPhone4 到着。新旧移行で気をつけるべきことは何だろう。

7/12: iPhone4 しばらく使ってみたら 3Gの画面が汚く見える。うーむ。これはヤバイ。地デジを見ちゃうとアナログ放送を見れなく感覚と似てる。

以降、iPhone4入手以来、iPad 関係のTweet無し。

結局、入手後、1ヶ月たったときの Tweet
「iPadはiPhoneともPCとも違う新しいデバイス。もっと革新的な使い方が登場する。PC万能派の私など旧世代と笑われる時代が来るかも。でも、iPad はPC依存の人にとってはiPhoneのように利用領域を広げてはくれない。むしろ、PCやiPhoneを使わない人に使って貰うデバイスかも。まさにリビングデバイス。」
が、自分にとってiPadを十分に説明している。

普段PCの前にいて、PCを持ち運ぶ人は、わざわざ iPadを使わない。リビングでTVを見ながら、気になったこと調べる時に最高。奥さんや子供には大好評。というわけ。

自分にとっての最高のデバイスではなかった、という寂しさが、iPadについてなかなか書けなかった理由だと思う。

もう1点は、「もっと革新的な使い方が登場する」と書いているが、実は、それが「何か」が今ひとつすっきりしていない。。

iPadで残念に思う点は、あの大きさのタッチパッドでも、自由に絵・図を書くのが難しい、という点。

まだ、UIやソフトが十分に成熟していないのか、それとも自分が対応できていないのか。そのあたりが気になっている。(個人的には、双方であり、そこに新たなブレークスルーがあるような気がしている)

もし、良いソフトがあるなら、ぜひ紹介していただきたい。
#iPad の難しい点は優良ソフトは有料であるがために口コミが少ない点。

nkawa

いよいよiPadが発売された。

iPhoneの時は、幸運にも発売日に入手できたのだが、iPadは残念ながら入手することはできなかった。そのため、私自身がレビューを書くことはできないが、多くのレビューがネット上にすでにあるので、ぜひ、いろいろ見て、読んで欲しい。その素晴らしさを感じることができるだろう。

さて、発表日のエントリでは、iPadがライフスタイルを変える、と書いたが、今でも、まったく同じ思いだ。今日は、改めて、何がこのようなデバイスを実現したのか、ということについて書いてみたい。

多くのレビューでは「AppleだからiPadが作れた」という記述がある。Appleをスティーブ・ジョブズに置き換えても良いかもしれない。確かにそのとおりだと思う。しかし、ここで、私は「積み重ね」について指摘したい。

積み重ねの大切さ
iPadが実現している操作感は、技術的には、何年も前から実現可能であった。実際に試作品もいくつもあったことだろう。しかし、一握りの専門家が作り出した素晴らしいインタフェースだけでは、このような成功は実現できなかった。

本当に凄いのは、この操作感を実現するソフトウェア開発を、多くのデベロッパにSDK という形で開放したことだ。MacのToolboxの頃から、Appleにはユーザインタフェース(UI)デザインへのこだわりがある会社であり、iPhoneでは、タッチパネルのためのインタフェースに関するこだわりをSDKという形で表現したのだ。また、アニメーションを多様したインタフェースのために、携帯端末にGPUを搭載する、という英断も、重要であった。

iPhoneアプリの登場当時、多くのアプリがまだまだUIがコナれていなかったことを思いだせるだろうか。

しかし、AppStoreの使いやすさや、販売数の多さから、多くのデベロッパを引きつけ、iPhoneのアプリが大量に登場した。そして、次第に使い易いアプリが選別され、結果、デベロッパのUIの使いこなしレベルが向上していった。iPhone開発では、多くのデベロッパやユーザが互いに切磋琢磨することによって、開発のレベル自体を向上させ、さらにAppleもSDKのバージョンアップによって、これを支えたのだ。

単に高度なSDKが存在しただけではなく、相互に批判しあい、刺激しあうAppStoreという環境が、デベロッパの成長に重要な役割を果たしたのだと思う。

また、ユーザも同時にタッチパネルを使ったアプリに慣れていった。

そして、その積み重ねの上に、現在の iPadが存在している。
すなわち、いきなり iPadが出ても、十分に洗練されたUIを作ることは出来なかったであろうし、たとえ限られた専門家には作れたとしても、デベロッパの数が十分ではなかったであろう、ということだ。

つまり、(1)iPhoneが登場し、(2)SDKの公開がUIの普遍化を実現し、(3)多くのデベロッパがそれを使いこなし、(4)ユーザが慣れ、その上に(5)iPadが登場した、という積み重ねが行われたのだ。

こういった積み重ねのみによって、新しい次元のコンピューティングが実現されるのだと思う。Appleがそれを計算していたかどうかは別として、普及する技術には、必然的な積み重ねが存在するのだ。

Androidの場合
Androidが同じような積み重ねを行えているか、というと、実は違う方向に進んでいるような気がして少し心配になっている。

例えば、AndroidのSDKには、自由度は高いのだが、十分にUIを規定できていない、という弱点が存在しており、アプリの統一性の低さにつながっている。

また、日本では、携帯電話会社、もしくは端末ベンダ毎にアプリマーケットが乱立する可能性があり、アプリ間で切磋琢磨する市場が十分に成立しないのでは、という心配もある。「積み重ね」を大切にして欲しいと願うばかりだ。

nkawa

電子情報通信学会の総合大会で仙台に来ています。

大学関係のエントリが続いて恐縮だが、学会に来て改めて人との出会いのチカラを感じたので書かせてもらう。

出会いのチカラ
当たり前の話だとは思うが、人は、一人では生きていけない。家庭・地域・学校・会社といった何らかの社会・組織に属して生きている。組織に属している、ということは、その組織での常識や考え方に囚われて生きる、ということになる。

だから、同じ組織の中だけで生きていると、安心感・安定感はあるけれど、考え方が固定化し、発想も貧困になってしまうことが多い。他の人との出会いの範囲は組織のサイズで決められてしまうと同時に、刺激を受けることも少なくなってしまう。

一方、世の中に出ると他の組織の人との「出会い」がある。他の組織での考え方や、知識を知ることによって、自分の世界が広がることになるし、互いに刺激を与え会うことが可能になる。最近、ネットを介して「勉強会」などが開催されることが多いが、これもそういった「出会い」を求めているものかと思う。
参考:「リアルイベント開催のためのパターンランゲージ」
    http://eto.com/2010/paper/asianplop2010.pdf

よく、歴史上の人物が、重要な「出会い」によって人生が変わった、といった記載を見ることがある。それは恩師であったり、敵であったりすることもあろうが、一人でやるのではなく、「他人」と関わることによって、新たなチカラを生み出される、ということは歴史的に証明された事実だと思う。

学会のチカラ
で、学会である。確かに学会は一つの組織かもしれない。学会の中に閉じこもって、一つの価値観を守りあう、といったこともあることは知っている。しかし、でも、やはり、「学会は人が集まる場」として重要なのだ、ということを今回、あらためて認識した。

「学会」というコンテキストを持つことによって、参加者の間には「知的なディスカッション」をすることが【重要】という共通認識が存在している。これが非常に重要だと考える。もちろん、参加者の意識レベルや知識レベルなどが違うことによって、議論が非効率になることはあるだろうが、そんな問題を乗り越えても、互いに議論をすることによって得られるものが大きいと考える。

実は私自身も、「学会」への参加に意味を見いだせない時期があった。研究者の世界では、先端的な研究は「国際会議」で発表され、研究成果として評価されるのは「査読付き論文」であるからだ。いわゆる「年次大会」や「総合大会」といった学会は、大規模で裾野が広く、玉石混交であるため、時間的な効率や成果としての意義が低いと考えていたからだ。

しかし、今回の電子情報通信学会総合大会に参加してみて、考えが変わった。研究成果を発表しあう事だけが学会の機能ではなかったのだ。「知的ディスカッションをする」というコンテキストで、人の出会いを生み出すのが学会なのだ、と思うのだ。

人と会ってディスカッションをしよう
研究をする際にも、開発をする際にも「モチベーション」は重要である。この「モチベーション」をキープし続けるために、人との出会いやディスカッションは重要な役割を果たす。人のチカラを生み出すには、これがとても重要だと思う。

だから、だからこそ「人との出会い」そして「ディスカッション」を大切にしたいと思うのだ。

nkawa

エントリの期間が空いてしまった。

いや、まったく申し訳ない。

大学教員をしていると、この時期本当にダメなのである。自分自身の研究プロジェクトのとりまとめのみならず、学生の卒論・修論の締切や学会発表などが重なり、もうどうやっても時間が作れなかった。

大学教員は、教育・研究が本務であり、特にこの時期は、教育のまとめの時期と、研究のまとめの時期が重なってしまうのだ。もちろん、そんなことはわかっているので、事前にいろいろ準備をしているつもりなのだが、毎年この有様。こればっかりは、良い解決法が浮かばない。

本当に仕事がデキル人というのは、こういった厳しい時期でも、ちゃんとやるべきことが進められる人だと思うのだが、まだまだ修行が足りない私などは、すぐにオーバーフローして、寝不足となり、気力を失い、ブログを書く時間を失ってしまうのだ。

ああ、このネタ、ブログに書けるな、なんてことを何度か思ったのだが、実際に筆をとる(キーボードか。。)までには至らなかった。やはり、気力が不足していたのかと思う。

さて、なんとかこの1ヶ月を抜けたので、心を入れ替え(?)て頑張りたいと思う。

締切効果
ところで、こういった忙しい時期に思うのは(いいわけ?)「締切効果」というものだ。不思議な事に、それまで怠けていた学生も、卒論の締切が近づいてくると、急に火事場の馬鹿力を出し、それまでノンビリしか進まなかった研究も、急速に進歩していく。実は、この「変化」や「成長」が楽しいので、この1ヶ月は苦しいながらも、毎年続けてしまうのかもしれないとも思う。例えば、締切を2週間早くすれば、もっと楽になるのでは、と思ったりするのだが、そんなことをしてしまうと、この「締切効果」が出ないような気がするのだ。

卒論や修論の締切が迫り、学生が苦しい思いをすることは、実はとても大切な体験なのでは、とも思っており、特にこの「締切効果」を体験することが重要だと思う。また、同学年は同時に締切が来るので、みなで一緒に困難を乗り越える、といった環境も重要なのかもしれない。

何にせよ、毎年毎年来るにも関わらず、うまく載りきれない教員側に問題があるのかも、と思いながらも「これが大学だよな」と思うのだ。

社会人のみなさん、なんとなく懐かしくありません?ちなみに大学には社会人入学、なんて制度もありますので、博士号を取りたい、と思った方、ぜひ考えてみてはいかがでしょう。

と、いうわけで、久しぶりのエントリだし、あまり気負って書くと、また続かないのが予想できるので、今日は軽めに失礼させていただきます。

nkawa

昨日「UstreamとTwitterを組み合わせたサービス」なんてエントリを書いたばかりなのだが、なんと、それを可能にする iPhoneアプリ「TwitCasting Live」が登場した。そう、まさにライブストリーミングしながら Twitterが可能な iPhone アプリなのだ。

さらに、このiPhoneアプリ、作者のブログによると、今年の元旦から開発を始めたものだという。
以下、簡単に紹介してみよう。(↓は起動画面)
Img_01421

■驚きの簡単操作
さて、この「TwitCasting Live」の使い勝手だが、オドロクほど簡単、かつ高性能である。私もインストールから、1分でライブストリーミングが開始できてしまった。
なんと、Twitterのアカウントを1つ入れるだけの超簡単操作。

以下のスクリーンショットは、まさに今、ライブを実行してみた画面である。
(しかも、そのストリーミングをしている画面を写している)
こんなに簡単でいいの!って感じ。

Img_01411

作者の力量にただただ感銘するばかりである。
さらに、動画のズームやTwitterからのWebブラウズも可能である。しかも、ストリーミングしながら。ちゃんとMentionも表示される。

ストリーミング中は、上部にViewerの数が表示される、っていうニクイ仕組みもある。

で、圧巻は、バックに控える Webサービスである。このサービスを使えば、http://twitcasting.tv/XXXX のXXXXの部分に Twitter アカウントを入れるだけで、その人のストリーミングが見える、というわけだ。

しかも、簡単に録画したものを公開もできてしまう。録画がマズイときは、削除も可能だし、後から公開、という設定も可能だ。

いやあ、これはすごい。iPhone界に、マジにライブストリーミング+Twitterブームがやってきますね。

あとは、パブリックストリーミングではなく、シークレットライブができれば、ママに買い物を選んでもらう、っていうことも出来そう。

なんにせよ、素晴らしいです。ホント。感動しました。

(追記) 当初 Ustream + Twitter との表記をしていましたが、どうもTwitcasting.tv で独自にストリーミングをしている様子。「Ustream」を「ライブストリーミング」に修正しました。

なお、画像のズームは、動画画面を右フリックで、拡大、左フリックで縮小です。
先程、早速屋外ライブをやってみましたが,3Gでも5fps程度出ますし、音声も途切れず送れてました。ホントに手軽です。

nkawa

ソフトバンクのUstream と Twitterへの傾倒

昨日、 ソフトバンクが Ustream に18億円(13.7%)出資すると共に、自身の決算発表を Ustream上で中継した。

取得しているオプションを行使すれば、筆頭株主になる可能性もある、という。

さらに、 Twitter 上では、孫さん(@masason)に「表参道店に誰でも使えるUstreamスタジオ作って下さい!」と@himanainu_kawai さんが話しかけると、早速「了解。作りましょう‼」との応答。(まとめ Togetter)

孫さん自身がTwitterを使いこなし、かつユーザとインタラクティブに新しい試みを実現していく、ということが行われ、多くのユーザがそのスピード感に驚いたと思う。

以前のソフトバンクの記者発表では、登場したばかりのTwitterのリスト機能を使いこなしていた、というのも記憶に新しい。

WiFi機能を導入したソフトバンクがインターネットのトレンドに敏感なのは、当然でもあるが、とても好感が持てる。

リアルタイム化していくウェブ

Ustreamで会議などが中継され、ハッシュタグが決まると、地理的に縛られていたはずの会議が、空間を飛び越え、多くの方が参加可能になる、ということを私自身もウェブ学会で体験している。

Twitter は RT によって、リアルタイムの情報を簡単に共有できるため、本来、広報が難しい Ustream中継を広く伝えることを手軽に可能にしている面がある。Ustream中継も iPhone アプリの登場によって、一段と手軽になりつつあり、活用度も向上している。

Ustream と Twitter の組み合わせが最強だ、という発言もTwitter上では良く見られる。もちろん、世の中はドンドン便利になっていくので、この組み合わせを上手に生かすようなアプリやサービスが今後、登場することが期待できよう。

最近、リアルタイムWebと呼ばれるサービスが増加しており、Twitterや Ustreamもこの仲間といえる。ユーザのアテンションを集めるためには、リアルタイム性が重要、ということが認められつつあるのだ。

TwitterとUstreamといったシンプルなリアルタイムサービスの組み合わせによって真にユーザが求める機能が実現できている、といえよう。

一方、ニコニコ生放送も、同じようなサービスを提供しているが、Ustream + Twitterのようには使われていない。これは、ニコニコ生放送へのコメントに匿名性が高く、コメントの内容よりも、雰囲気を共有する場を提供していることが違いを生んでいるのかもしれない。Twitter では、前の記事で述べたように匿名性が低く、かつ他のユーザに伝搬していく性質がある点も、うまく働く理由なのであろう。

(本記事、公開後に一部追記しました。)

 

nkawa

Appleが噂のSlateとして iPad を発表した。発表されてみれば、おおかたの予想どおり、iPod Touchを大きくしたような形状。液晶サイズは9.7インチ、とまた微妙なサイズ。iPhone , iPod Touch のサイズが 320x480 ピクセル, 3.5インチだったのに対し、768x1024ピクセル, 9.7インチであり、ピクセル比が横幅が2.4倍、縦が2.13倍に対し、画面サイズはドット比だと5.12倍、面積比約7.5倍となっている。(すなわちドットサイズは大きくなっている。)

Ipad

その結果、多くの識者が指摘するように、iPad は iPhone, iPod Touchのように、持ち運んで使うには、中途半端なサイズ、重さになっている。バッテリも10時間、と、海外出張時などの長時間の読書には少し不安な時間だ。
もちろん、重量は680gで、いまどきのNetBook(800g~1.3kg)よりは軽いし、画面サイズもほぼ同等(NetBookは 1024x600 ~1200x800が多い)だ。ちなみにVaio Type-P だと 最軽量モデルで588g, 1600x768となる。

しかし、これまで失敗してきた多くのTablet型の端末(MagicCap, Newton)やNetBookと比較して、iPadが生み出すのは明らかに違う「新しい経験」であろう。
iPhoneがこれまでの携帯電話の世界にインタフェースの革新をもたらしたように、iPadは同等のインパクトをもって他のエリアを侵食することになる。

iPadでは、iPhoneで洗練されてきたUIを用いて、より便利なブラウズ環境を実現している。これまで家庭におかれていたPCに加えて、リビングやキッチンのテーブルサイドに置かれるような端末になるのではないだろうか。つまり、iPhoneが生み出した「いつでも手軽にブラウズ」環境を、リビングやキッチンに持ち込むことになるのだ。

個人的には、すでにiPhoneで本や新聞を読むことを日常的に行っているので、iPhoneの小さな画面での苦痛が緩和されることや、パフォーマンスが向上されていることは歓迎したい。

もう一つ、家庭で利用する際の特徴としては、写真やビデオの利用があろう。
Ipadphoto
ホームパソコンの定番ソフトが写真編集であるように、写真を家庭で手軽にみたい、という要望は強く、近年、デジタルフォトフレームの市場が広がっている。iPadは、この市場を根本的に変えてしまうのではないだろうか。これまで、単なるビューアだったフォトフレームが、高度なユーザインタフェースを持つことで、真に「紙のアルバム」よりも便利なアルバムが実現できる。

また、家族で1つのテレビを一緒に見る、という時代も終わりつつある。個人で好きなビデオを見るスタイルでは、PCよりも iPadのような端末で見る形のほうが向いている。ニコニコ動画のように、コメント可能なアプリも登場するのではないだろうか。

以上、iPad発表を見てのファーストインプレッションである。実際に触ったわけではないが、いくつかの情報を見た限りでの印象としてここにエントリした。
みなさんのご意見もお聞かせ願いたい。

(画面サイズに関する記述を修正しました。)

nkawa

中一日のエントリ。ムチャクチャ忙しいと逆に現実逃避してみたりして。

さて、なんといってもこの情報洪水時代、情報があふれてしまい、どうやってその中を泳ぎきるか、が問題になっている人も多いかと思う。やりたい事、見たい事、欲しい物、など、昔から欲望には際限がなかったのは確かだが、今や、ウェブ上の情報はほとんどタダに近い。すると、足りないのは時間だけ、ということになる。

え?そんなこと無い?

それは羨ましい限りだが、もし「暇だな」と思えるのであれば、貴重なチャンスを失っている、ということに気づいてほしい。特にIT業界に関連する人は。

もちろん、前回のエントリのように「大切なこと」が全てウェブあるわけでは無いので、人に会って話すことも大事なのだが、そもそも「高速道路」にも乗っておらず、そのレベルに達していない場合は、うかうかしていると、どんどんと世の中に遅れていってしまうことになる。

かといって、一日中ウェブサーフィンをしていれば、良いか、というとそうではない。どんなに時間を使っても、重要な情報を獲得しなければ意味が無いのだ。

つまり、時間を有効に使う、ということが大切になる。

そして、その時間を有効に使うための手段はウェブやその周辺のツールの使いこなしにかかっている。

実は最近、情報系の大学教員でもあるにも関わらず、私自身は、Webツールを十分に深く利用してこなかった部分もあったのか、と思うようになりつつある。世の中の使いこなし技術があまりに早く進むので、ちゃんとついていけてないのかもしれない。

例えば、 RSS / ATOM などは、登場時から認識しているが、RSSリーダを使ってWebを巡回する、という作業はしてこなかった。

はてなブックマークも、人気の記事の共有、というレベルでしか思ってこなかった。

はてなブックマークで検索する

ところが、はてなブックマークは、実は、情報収集のためのポータルとして、ブックマーク検索をして、新しい情報を見つけるのにも役立つ、ということに最近気づかされた。

例えば "iSCSI" で検索してみよう。すると、Google や Yahoo検索では、Wikipediaや@ITの記事がトップに出てくる。

しかし、はてなブックマークで検索してみると

Iscsi

と、なんと VirtualBox でのiSCSIの活用や、Dellの新iSCSIストレージの記事が出てくるのだ。つまり、誰かが最近「価値がある」と判断した記事を発見できる、ということなのだ。(え?そんなのあたりまえですか?)

はてなブックマークに限らず、こういった使い方のできるウェブサービスはまだまだありそうだ。時間の節約にみなさんもいかがでしょうか?
(逆に記事を見つけて時間が取られる、という話もあるけどね。。)

#他のサービスの以外な活用を発見した人、ぜひ教えてください。

nkawa


プロフィール

河口 信夫

河口 信夫

研究と実践の両立をモットーとする名古屋大学大学院工学研究科 教授。大学発ベンチャー有限会社ユビグラフのCTOを兼務。

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