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フラット化する北朝鮮

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この半年で6カ国協議が急速に進展しています。

これに関して、期せずして大前研一さんと田原総一郎さんがほぼ同時期にコラムを書かれています。

11月14日 「“拉致問題は解決済み”という現実」 (大前研一)

このコラムでは、大前さんは6カ国協議に参加している国のうち、日本を除く国は朝鮮半島の非核化に交渉のポイントを移してしまっているのに対して、拉致問題の解決が大前提としている日本は、それよりもはるかに大きな被害をもたらしかねない核ミサイルの脅威の議論に参加できていない現実を書かれています。

センシティブなテーマに、ご自身のロジックで単刀直入に切り込んでいく大前さんのコラムに対して、コメント欄はまさに賛否両論の嵐です。

 

11月15日 「北朝鮮問題で改めて問う日本の国益と拉致と核」 (田原総一郎)

このコラムでは、田原さんは冒頭で北朝鮮に取材に行った3年前と最近の比較をされています。3年前に北京から平壌に飛んだ際は非常に小さく貧弱な飛行機で乗客も東洋人ばかりだったのに対して、今回は大型機で満員、乗客はEUやアメリカ等からのビジネスマンが乗っており、世界は北朝鮮をビジネスチャンスの場ととらえて積極的に動いているとのこと。

北朝鮮に豊富に眠っているレアメタルと安い労働力をビジネスチャンスと捉えているようです。

拉致家族問題についても、北朝鮮当局者とのインタビュー結果も掲載されており、要注目です。

 

拉致被害者のご関係者のお立場は、察して余りあるものがあります。

しかし、一連の動きを見ていると、あの世界から孤立していた北朝鮮も、わずか半年の間に、急速にフラット化する世界の仲間入りをしつつあるのが、世界の中の現実のように思います。

一方の日本。

以前のエントリー「日本軍から学ぶ 『情報は客観的に見るべきであり、主観的に見てはいけない』」で、ある軍人が書いた下記の文章をご紹介しました。

主観は『夢』であり『我』である。これは己個人に関する限り自由であるが、我観及び主観を国家の問題に及ぼすにおいては、危険これより甚だしきはあるまい

我々は、主観と客観を分けて、どのように対応すべきか、考えるべき時期なのではないでしょうか?

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