数字ではっきり分かる、日本のグローバル化
世界ではグローバル化が急速に進展していますが、日本のグローバル化も、統計データからはっきりと見ることができます。
■■例えば、2006年のWTOの資料によると、下記のように、日本の輸出入は1993年から2005年の12年間で2倍に伸びています。特にアジアや中国で顕著です。
■日本の輸出:
・世界全体に対して、1993年は3622億ドル⇒2005年には5949億ドル
・特に中国に対して、1993年は172億ドル⇒2005年には984億ドル
・中国以外のアジアは、1993年は1281億ドル⇒2005年には2052億ドル
■日本の輸入:
・世界全体に対して、1993年は2416億ドル⇒2005年には5149億ドル
・特に中国に対して、1993年は204億ドル⇒2005年には1084億ドル
・中国以外のアジアは、1993年は769億ドル⇒2005年には1480億ドル
■■財務省の資料では、日本による海外投資も拡大中であることが分かります。
・世界全体に対して、2000年は2兆5040億円⇒2005年は4兆7400億円
・特に急拡大しているのは、アジアと中南米。
・アジアに対して、2000年は1280億円(全体の5%)⇒2005年は1兆6170億円(全体の34%)
・中南米に対して、2000年は1190億円(全体の5%)⇒2005年は5570億円(全体の12%)
・これに対して、西ヨーロッパと米国への投資は変化なし。
1980年代、日本を含む多くの企業は、国内市場が飽和したのに伴って海外市場算入を目指し、国際企業として輸出を拡大しました。
これが貿易摩擦による保護主義政策を生んだため、1980年代後半から、海外現地法人を設置して現地調達・現地生産をはじめました。国際企業が多国籍企業へと進化したのがこの段階です。
現代、グローバル競争はさらに激化しています。中国やインド、中南米等の新興企業も大きく発展し、インターネット普及等の後押しもあって、世界もフラット化しています。
ご参考までに、"The World Is Flat" (邦題「フラット化する世界」)では世界がフラット化している10の要因を挙げています。
上記の数字は、これらの動きをお金の面で裏付けるものでもあります。
昨年末に書いた『「多国籍企業」と「グローバル企業」、どう違うか?』のように、今後、企業の多くは多国籍企業からグローバル統合を行っているグローバル企業に進化していきます。
これにともない、我々の生活も、ビジネス・プライベートの両面で、大きく変わっていきます。
激動の世の中ですが、こんなに個人レベルで様々な可能性が拡がりエキサイティングな時代は、今までなかったのではないでしょうか?
そう言えば、20年前に日本IBMの社長をなさっていた椎名武雄さんは最近の講演で、「今、僕が社長をやっていた時代をもう一回やるか、または今の時代でやり直すか、どちらを選ぶかといわれたら、僕は間違いなく今の時代を選ぶね!」とおっしゃっていました。
このようなワクワクする時代に出会えたことに、私は感謝しています。