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「そこまでやるか!?」18,000円のワインの試飲

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2日前にこちらで紹介したワイン試飲の件ですが、試飲コーナー担当の方から、昨日自宅に「今日、いいワインを開けました。今日来ていただければ試飲できますけど」と電話が来ました。

私は会社で仕事中だったので妻が電話は受けました。早速、妻は自宅から歩いて10分のデパートに出かけて「こんにちは」と声を掛けたところ、担当の方は他のお客さんにも電話をしていたところでした。

件のワインはドイツのワインで、グラスに注いだ瞬間にえもいわれぬ香りがたち、飲んだ瞬間「ヤバイ」(=「衝動買いしちゃうかも」)と思うほどエレガントな味わいだったそうです。

日曜日にここでワインを2本購入した際に、18,000円の値札が付いているこのワインを見つけて、「コレを試飲する時は教えてくださいネ」と半分冗談で言ったのですが、覚えていて下さっていたようです。

私は昨日仕事だったため、同席できなかったのが悔やまれます。電話をもらっていたら、こっそり会議を抜け出して電車に飛び乗って帰っていたかもしれません。(というのは冗談です....)

昨日は、電話を受けてお得意さんが続々と来たそうです。2ヶ月前まではこのワインショップではこのような企画はなかったことを考えると、短期間で確実に固定客化しています。

実際私達も、日曜日に「じゃぁ、このワインを開ける時は電話しますから、連絡先教えてください」と言われて、喜んで住所と電話番号をお教えしました。同様のお客さんが数十人いることになりますね。ちなみに私の住んでいる地域はリタイアしつつある団塊から上の世代が多く、平日の昼間にも関わらず夫婦で来店する方も多いようです。

さて、今回の企画をプロモーションとして考えると、18,000円のワイン1本で30人程度試飲できるとして、一人600円の経費がかかっていることになります。

仮に、試飲したお客さんのうち50%が固定客化し、固定客となったお客さん1件当り月間3000円のワインを3-4本購入し、これが半年継続すると想定して、試飲したお客さん1件当り3万円の売上になります。つまり600円のプロモーション経費で3万円の売上ということですね。(試飲は今回限りではなく継続的に行っているので実際にはもっと経費はかかっているですが)

このようなプロモーションを行っても行わなくても、ワイン・ショップの運営費及び人件費は変わらない訳で、単純計算すると今回のプロモーションのE/R Ratioは2%程度になります。

2割引セールのようなプロモーションも頻繁に行われますが、このような値引きプロモーションと比較すると、実はかなり効果的かつ効率的なプロモーションです。

重要なポイントは、このようなイベントはまだそれ程一般化しておらず、お客さんに「そこまでやるか!?」という一種の衝撃を与える点でしょう。他のワインショップが同様のプロモーションを始めたら、これほどの効果を挙げるのは難しくなります。

この担当の方は、この企画を通すのに責任者とかなりタフな交渉をなさったことと思います。責任者がその日の売上だけでなく、ある程度長い目で成果を見る方であれば、この担当の方もよい評価を得られるでしょうね。

ワインの例を挙げましたが、これはIT業界におけるソリューション・マーケティングでも全く同様です。

お客様の課題をいかに先取りし、その課題に対するバリュープロポジションを定義し、自社のソリューションを構築し、これを実体化するプロモーション戦術を他社に先駆けて行い、お客様に「なるほど、そこまでやるか!?」という驚きを感じていただくことが、ソリューション・マーケティングで重要となる点です。

1年もすると他社はキャッチアップしてきますが、ここで効いてくるのが当初定義したバリュー・プロポジションで、これがあるかないかで差別化できる期間が大きく変わってきます。(詳しくはリンク先のエントリーを参照下さい)

いやぁー、それにしても、昨日休みが取れなかったのは、かえすがえすも残念でした。(^^;

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