オンライン雑誌閲覧サービスの「コルシカ」個人利用の範囲の代行がどこまで許されるの?
グレーゾーンから始まるサービスは多いがそんなサービスで特にありがちなパターンは、『著作権』の問題だ。
例えば、youtubeやニコニコ動画は著作権の問題を多く持っているが、
公式チャンネルでの権利者の取り込みや、
動画がの削除などで対応を行ってきた。
これはある意味企業のスタンスとして
「このシステムの使い道は、そんなつもりじゃなかったんすけど、ほんますいません」
みたいな、悪用は出来るシステムだけど、悪用を推奨しているわけではなく、
見つけたら必要に応じて対処しますよというスタンスで対応している。
「わかっちゃいるけど善意の第三者」に自らをおくことで、
建前の上では、「僕らも困ってて〜」のようなことをはなせなくもない立場だ。
ただ、今回のこのニュースで取り上げられた、
新しいwebサービスが持つ「グレー」な部分は、ちょっと様子が違う。
雑誌販売サイト「コルシカ」開始--出版社からは「著作権の侵害」の声も
コルシカは、雑誌を購入することでその電子データをオンラインで閲覧できるサービス。配送料を支払うことで、実物の雑誌を配送してもらうこともできる。
コルシカはエニグモが単体で提供するサービス。つまり出版社からの利用許諾などを得て電子データを提供しているわけではない。雑誌は取次を通じて販売するが、エニグモが独自に雑誌をスキャンすることで、電子データ化しているのだという。
通常、出版社が著作権を有するコンテンツを無断でオンライン上にアップロードしたり蓄積したりすることは、著作権法上の「送信可能化権」や「複製 権」の侵害にあたる。これに対してエニグモでは「ユーザーが購入した雑誌をスキャンして電子化することは、個人利用の範囲。我々はそれを代行している。電 子データも購入者以外閲覧できず、ダウンロードなどもできない仕様にしている」としている。
端的にコルシカ(エニグモ)サービスの言い分をまとめると、
ネットで雑誌をコルシカ経由で購入
↓
コルシカが代理でスキャン
↓
お客さんが電子データで雑誌を見られる
と言った流れだが、もしもこれがOKであるならば、
例えば、コンピュータソフトなどでもありになってくるんじゃないだろうか?
ネットでソフトをサイト経由で購入
↓
サイトが代理でバックアップをとりwebにアップ
↓
お客さんがwebを経由してバックアップを取得できる。
エニグモは『個人利用の範囲の代行』と話しているが、
それを代行する事については、著作権上問題ないのか?などなど
疑問符が出てきてしまう。
エニグモはバイマなど世界を見たサービスをリリースしている企業なだけに、
こうした、既存の著作権者から目を付けられ、
かつ善意の第三者で切り抜けられないようなリスキーなサービスを好んで出すような
企業には思えなかったのだが、とても残念だ。