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業務フローのリファクタリング

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牛尾さんの記事「モデリング・リファクタリングのススメ」です。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070612/274464/

Good これはすごい。プログラミングレベルの概念である「リファクタリング」を、業務フローの記述に援用し、しかも、「不吉なにおい」と「リファクタリングカタログ」までついているではないですか!

要求開発では、ITシステムの要求を獲得する過程を「収集」(そこにすでにあるものを拾ってくる)のではなく、「開発」(ビジネス価値から作り出すもの)と捕らえることで、システム開発が培ってきた手法を延長しようとしています。そして、今回、システム開発の手法の1つであるリファクタリングを、今回要求開発に延長しています。(それ以外にも、モデリングやUMLもシステム開発から持ち込んでいます)

でも、私は、この記事のすばらしいところは、ナレッジを「パタン言語」の形にまとめる、というシステム開発で行われている手法を要求開発に延長している、というところだと思っています。「パタン言語」とはナレッジ伝達の1手法であり、「こんな場合、こういうふうにやるといいんだよね~」という情報に名前をつける手法です。平たく言えば、「コツ」とか「Tips」ですね。この記事では、まずいモデリングのケースを「名前、要約、理由、手順」としてTipsカタログ化しています。

このナレッジを共有することで、コミュニケーション速度が一気にあがります。このカタログを持って会話することで、「あ、このアクティビティって、目的語レスになってるよー」などと言うことができるのです。名前付けは、コミュニケーションチャネルにアイディアを乗せる肝ですね。私の仮説では、ソフトウェア開発も要求開発も、「壮大なコミュニケーションゲーム」です。パタン言語は、70年代に建築で発祥し、90年代にソフトウェア開発に援用されました。特にソフトウェアでは、「デザイン・パターン」という設計手法、「リファクタリング」という再設計手法、「XP」という開発プロセス、などで次々と応用されています。

牛尾さん、いい記事をありがとう!

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