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成長を加速させる~ドーラとナウシカのリーダーシップ

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ジブリで考えるビジョナリーリーダーとファシリテーション型リーダー

ジブリファンに怒られるかもしれないが・・・ラピュタを見るたびにリーダーシップのあり方を考えさせられる。

誰もが思い描くリーダー像があると思う。その姿は人それぞれ違うだろう。僕の憧れのリーダーはぶっちぎりでドーラ。ドーラ一家の家長にして海賊船船長のドーラ。そう、天空の城ラピュタね。彼女は凄い。

ドーラのリーダーシップ

ゴリアテとの絶望的な戦力差がありながら、素晴らしいリーダーシップでチームをまとめ上げ、ゴリアテと対等に渡り合った上、誰一人として犠牲者を出さずに山ほどお宝をゲットしている。
行動力、決断力、情報収集力、チームをまとめ上げる力、どれを取っても一級品。腕っ節は強いわ、計算は早いわ、その上三人の母だ。凄すぎる。まじで凄い。

「40秒で支度しな」の名台詞もよく考えると感慨深い。
「とっとと支度しな」ではなく、時間を明確にしている。
しかも、30秒でも45秒でも1分でもない。「40秒」。
おそらく、パパッと計算して何かの基準に基づいて40秒と言ったに違いない。理由がなければ出せない数字だ。

タイガーモス号でゴリアテを追跡する際も、「ママァ、ゴリアテの方が足が速いよどうするの?」という情けない声に対して「あたしらヤツの風上にいるんだ。貿易風をつかまえれば・・・風力が10、と・・・。なーんとかなりそうだ。みんな、よーくお聞き!!ゴリアテは既にラピュタへ出発した。本船はこれより、追跡を開始する!風をつかまえれば明日には接触できるはずだ。」
と、自分で風の向き、ゴリアテとの位置関係を捉えて、貿易風の知識まで掛け合わせ一瞬で計算。さらに、チームに揺るぎない語調で指示を出している。経験と、確かな論拠に基づいた力強い言い切り。素晴らしいリーダーシップを、発揮するまでわずか数十秒!

まさに即断即決。とにかく頭はいい。思い切りはいい。細かいことはぐちゃぐちゃ言わない。「お前たち黙ってついてきな!意見はいらないよっ!」と言う親分気質。

思考停止の温室育ちリーダーとは縁遠い。

ナウシカのリーダーシップ

一方、同じジブリでもナウシカのリーダーシップぶりは、ドーラのそれとは明らかに毛色が違う。
ナウシカは周りをうまく巻き込むスタイルだ。

みんながナウシカを支援しようと思う。助けたいと思っている。ナウシカもその瞬間に誰を頼るべきなのかハッキリ分かっている。
ドーラが目標に向かってメンバーを強力に牽引していくトップダウン型リーダーだとすると、ナウシカはどうすればいいのよくわからないまま、周囲を巻き込んで問題を解決していくファシリテーション型リーダーなのではないかと思う。(ジブリファンの皆様解釈違ったらごめんなさい。僕の主観ですw)
象徴的なのは、ナウシカが行動を共にする人種の多様さだ。風の谷の仲間だけでなく、トルメキア、土鬼と、実に多様な民族を見事に巻き込み共同戦線を張っている。これをファシリテーターと言わずしてなんというか。

両者は対極のスタイル

よくよく両者を比較すると面白い。

ドーラのリーダーシップは、私に間違いはないからついてこい型だ。短期間で成果を出したり、即席組織で成果を上げるには効率がいい。「ゴリアテを捉える」というわかりやすい目標に対しては「時間がないよっ!みんな、命令通りに動きなっ!」という雰囲気のドーラはまさに司令塔。過去に経験のある既知のテーマ(船を追いかけるとか)には相性がいい。ドーラ型は既知の課題に向かうには最高のリーダーだろう。成果もバンバン上がる。
でも、部下は育たない可能性がある。ドーラの息子たちの頼りないこと(笑
圧倒的リーダーシップを発揮すると、リーダーが賢者であればあるほど、部下は思考停止する。考えるのが馬鹿らしくなるからだ。思考が退化する。
その証拠にドーラは一度も他者に意見を求めていない。そしてリーダーの能力が、組織の能力の限界になっていく。また、ドーラの仲間は「ドーラ一家」という小さなファミリーに閉じている。人を巻き込む力が低い、または重視していないと思われる。


ナウシカは真逆だ。オームという未知の生物。かつて誰も経験したことのない状況に対応しなければならない。そんな中で、ナウシカは実に様々な人に助けを求め、教えを乞い、ベストな対応をしてきた。(それでも自分の信念はゆらがない)
ドーラと違い、万能のリーダーではないが、ナウシカの求めに応じて多くの人がその能力を発揮する。その人なりの輝きを放つと言ってもいい。そして、その力を借りてナウシカは困難を乗り越えていく。その後に残るのは、関わった人々の能力UPと結束。


ドーラは、メンバーを引っ張る司令塔。指示型リーダー。自分が最も優秀であるプレイングマネジャー。ビジョナリー型リーダー。

ナウシカは、メンバーに押してもらうリーダー。フォロワーシップを引き出すのに長けている。自分より秀でた人々を活かして成果を出すファシリテーション型リーダー。自分は媒介であり異なる才能を結びつけるファシリテーター。

そして、ドーラとナウシカで共通しているのは「確固たる意志と信念」だと思う。「私はxxをしたい。なぜならば、、、」がはっきりしている。どんなタイプであったとしても「ブレない信念」がリーダーの資質の一つなのだろう。これがなければ人は動かせない。

うーん。ジブリ面白い。

どっち側のリーダーを目指すべき?

さて、対極のリーダーシップの在り方。どちらを目指すべきなのか?

現代のビジネスに置き換えてみると、圧倒的にナウシカ型のリーダーシップを目指すべきなんじゃないか。色んなことが急速に変わる、知識や能力の賞味期限がどんどん短くなる世の中でドーラ型で台頭するのはかなり難しいと思う。例えばAIの領域でドーラ型で活躍できる人が世の中に何人いるだろうか・・・。そして専門領域はどんどんニッチに細分化していっている。どの領域でドーラになれば良いのか選択がめちゃくちゃ難しい。だから、中長期的には土鬼とトルメキアという全く異なる性質の人々(専門家)をつなぐナウシカ型が求められるんじゃないかと思っている。もちろん専門家が他に沢山いる前提だけど。

とはいえ、いきなりナウシカ型を目指すのはそれそれで辛い。と言うか、ドーラ型の要素がないナウシカはただのコミュニケーションハブにしかならない。ドーラと同じように「確固たる信念」があるからこそ人を動かせる。

だとするなら、若手(成長期)はまずドーラ型のリーダーシップを目指し、ある程度成功体験を積んできたら、ナウシカ型のリーダーシップを目指すのが良いのではないかと思う。

年を取れば、自然と経験や知識が蓄積してくることを考えると矛盾するようだが、若手の頃は
・既知の課題に取り組むことが多く
・部下は少ない
・自分の地力があまりにない
という状況だろう。だから、自分でバリバリリードすることで実力を付けて、目の前の課題を自分事として捉え解決に向けて「確固たる信念」を持つことを学ぶ。

そうして経験を積んできたら、どんどん課題の難易度上がってくる。
・未知の課題
・多くの部下とメンバーで取り組む
・自分の能力だけではつらい
となるだろう。そうなってきたら少しずつナウシカ型にシフトだ。経験を積むほど他者の能力を活かし、結びつけ課題を解決していくのである。昔の人はよく言ったものだ「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。学びの姿勢がない唯我独尊の中年は見ていて見苦しい。

まとめ

うちの会社ケンブリッジは基本ファシリテーション型リーダーのスタイル。つまり、ナウシカスタイルで仕事をしている。(他のコンサルティングファームは当然トップダウン型、ドーラスタイル)

未知の課題に向き合い、新しい変革を起こしていくにはナウシカスタイルが極めて有効。僕もそれが得意だし大事にしている。だけどその対極のドーラに惹かれるのは自分にないものを持っているからなんだろうなと思う。

ドーラ型とナウシカ型が混在するからこそ、よりより物が生まれる感覚。ナウシカとドーラが同じチームだったらどうなっちゃうんだろう。なんて妄想を膨らませてみる。


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①4つの成長スタイル
②羊と狼あなたはどっち?
③変化は是か非か、あるいは「変化の習慣を持つ」ということ
④学びの欲求がない学習は、むしろ成長を阻害する
⑤成長の分水嶺を超えろ
⑥おまけ:ドーラとナウシカのリーダーシップ


ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。

ケンブリッジのホームページにも記事が沢山載ってます。ブログだけでなく、何冊か本も書いています。

世界で一番やさしい会議の教科書 抵抗勢力との向き合い方 

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