山岡週報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS)

山岡週報

メディア広告営業マンのつぶやき。ITおよび製造業のマーケティングについての考察。ときどきアニメ。

3月7日(水)に渋谷でオープンする"デジタルモノづくりカフェ"、「FabCafe」のオープニングパーティに潜入してきた!

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「WHAT DO YOU FAB?」

本エントリでは、パーティで撮影した写真を中心に"モノづくりカフェ"の雰囲気をお伝えしていきたい。@IT MONOistでもFabCafeについての記事が出ているので、店舗やコンセプトなどの詳細はこちらと併せて読んでいただけるとより理解が深まるだろう。

コーヒーでも飲みながら楽しくモノづくり――FabCafe - @IT MONOist

"制作代理店のロフトワークはFabCafe LLP(有限責任事業組合)を立ち上げ、2012年3月7日に、デジタルモノづくりカフェ「FabCafe」を東京都渋谷区道玄坂にオープンする。店舗内に設置したデジタル加工機は、来店者が利用できる。インターネット回線や電源など、製作に必要な環境も無料で開放する。定休日は日曜、祝日、年末年始。

「エンジニアのスキルと、クリエイティブなことが好きな人が出会えたら、きっと面白いものが生まれることを信じています」(ロフトワーク パブリック・リレーションズ 中田一会氏)。"

 

■レーザーカッターが目玉のカフェ?

実はロフトワーク広報の中田さんとは以前から知り合いで、ここがカフェスペースになる前に私が主催するイベントの会場として場所を貸していただいたことがある。

そういった経緯と、また、モノづくりメディアに関わる身として、この「Fab」というコンセプトは押さえておきたい!ということで、パーティ前日に、「すいませんブロガーとして行っていいですかね…」とこっそり入り込んだ次第だ。

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玉川通りの道玄坂上交差点に、お洒落なカフェスペースが出来ていた。

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目玉のレーザーカッターにシャンパンを添えて。

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レーザーカッター越しのトリプルセブン・インタラクティブ福田さん&ロフトワーク林さん。

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このライトは、なんと「レーザーカッターをライトアップするためだけ」の照明なのだ。

こういったさりげない演出・センスが、「モノづくり」を引き立てる非常に重要な要素かもしれない。以前MONOistの記事で取り上げた「仏像フィギュアをきれいに見せるためのLED照明付ガラスケース」に通ずるこだわりだと感じた。

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レーザーカッターで海苔も切れる。ぜいたく!

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ご飯にも巻ける。

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FabCafeに勤めるFabGirlsがご飯をにぎってくれたとか。こんな可愛い子にも会えるFabCafe!

 

■で、FABってなに?

「FabCafe」にはCafeと名がついてるので、もちろんカフェとしても機能するのだが、そのもっとも大きな魅力はやはり「FAB」にある。ここでいうFABとは、大量生産やマーケットの論理に制約されない「FABrication(モノづくり)」と、「FABulous(愉快な、素晴らしい)」という2つの意味を表している。

テクノロジーの進化で、個人がデジタルなモノづくりを気軽に楽しめる時代になってきたのだ。そして、そうした個人をつなげる場所として今回の「FabCafe」や、2011年6月にオープンした「FABLAB鎌倉」がある。

自分が遊ぶものくらい自分で作ろう――FABLAB鎌倉訪問記 - @IT MONOist
"「FABLAB」とは、一般の人に開かれた工房で、3Dプリンタやレーザーカッターなど工作機械が用意されています。マサチューセッツ工科大学のニール・ガーシェンフェルド教授が『ものづくり革命 パーソナルファブリケーションの夜明け』で実例を紹介してから、世界各地に広がってきています。言ってみれば、“新しいモノづくりの形を開拓していく”実験工房なのです。"

FabCafeは「実験工房カフェ」とでも言うべきだろうか。Cafeとしても、FABとしてもまだまだ始めてみないと分からないことが沢山あるだろうが、いろんな人が集まって、いろんなことを試せる場所になって欲しいなと思う。

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試験的に置かれるローランド ディー.ジー.社のRP切削機「iModela」。

このほかカッティングマシンもあるが、これらを使うには来店前に店舗スタッフに連絡し、相談する必要がある(シートなど備品も必要)。

iModelaは切削加工の知識が無いとうまく出力できないので、レーザーカッターよりもハードルは高いだろう。詳しくは「趣味の切削加工は甘くない!? iModela体験記」にて。ただ、3DCADや3次元プリンタ、そしてこうした切削機など、より立体的かつデジタルなモノづくりが、だんだんと身近になる方向に進んで行っていると感じている。

■新たなコラボレーションが生まれる場所へ

3/2(金)に開かれたこのオープン記念パーティでは、クリエイターやメディア関係者が50名ほど集まっていた。いろんな方が来ていたが、私が一番驚いたのは、昨年うちのバーチャルイベントで講演をお願いしたグーグル日本法人前社長の辻野さんがいらっしゃったこと。まさかここで再びお会いできるとは思ってもみなかった。

辻野さんはいま「ALEXCIOUS(アレクシャス)」というサイトで日本のものづくりを世界に発信する活動に注力されているという。その場でiPadでサイトを見せていただいたら、これまた以前うちのセミナーで講演をお願いした入曽精密さんのサイコロも売られていて、こんなところで繋がってるんだ!と二度目の驚き。

そのほか、前回のエントリで紹介した「ものづくり系女子」の神田さんや、彼女が働くケイズデザインラボ社長の原さんなどともまたお会いできた。それ以外にもパーティには多くの活動家の方々がおり、こうしたモノづくりとデザインを生業とする方々が繋がっていくことで、今回の「FabCafe」もかたちづくられていったのだろうと感じた。

そして、これからはカフェに訪れる人々によって、デザインやモノづくりを語り合い、新たなコラボレーションが生まれる場所として育っていくのだ。私もまた面白い出会いがあることを期待しつつ、FabCafeドリンクのマシュマロラテを近いうちに飲みに行きたいと考えている。

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http://www.fabcafe.com

D.yamaoka

今週17日に、ITmediaのバーチャルイベント 「モノづくり IT EXPO」の講演企画で、明和電機 土佐社長の講演撮影に行ってきました!


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この制服を着ているのは、アイティメディア社員にしてオルタナブロガー、そして電子楽器ガジェット演奏家の松尾さん。
当日の撮影にあたって明和電機さんから急遽貸し出していただけたのです。

松尾さんは制服が似合い過ぎていて、ベテランエンジニアというか熟練工みたいなオーラを漂わせていました。

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こちらは、MONOistで最近記事を書いていただいている、ものづくり系女子の神田 沙織さん。
今後どんどんこういう企画で協力していただきたい方です。取材しに来て!という製造業の方がいらっしゃったらぜひご連絡ください(笑
ちなみにこのワンピースも明和電機さんの制服。ITmedia女子部からも「かわいすぎる…!着たい!」と大好評。


そして、今回の講演概要はこちら。

モノづくりIT EXPO


明和電機のモノづくり:アトリエから最終製品が生まれるまで

アートとモノづくりの間を自在に行き来する明和電機 社長 土佐信道氏が自ら語る“明和電機のモノの作り方”。あのガジェットが量産化される裏側で繰り広げられた試行錯誤の軌跡を、熱く・ゆるく解説する。“マイクロモノづくり”指向の皆さんのヒントになるアイデアや共感できる苦労話などの秘話満載のスペシャルコンテンツ。

本企画は、2/14から3/6まで開催するバーチャルイベントでご覧いただけます。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/special/mo111205/index.html

日本のモノづくりはまだまだこれから面白くできる。
そんなきっかけを提供できたらなと考えています。

D.yamaoka

「アドテック東京」にITmediaが協賛していることがきっかけで、そのキーノートセッショに登壇される、アディダス ジャパンのブランドマーケティング デジタルマーケティング担当の津毛一仁(つもうかずひと) 氏に取材する機会を得た。

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アディダスのデジタルマーケティングの進化  - ITmedia エンタープライズ
 世界的なスポーツブランドとして知られるアディダス。サッカー、野球、バスケットボール、ランニング、テニスなどを軸に、多くの人々に愛用される商品を提供する同社がどのようなマーケティングに取り組んでいるのか。アディダス ジャパンでブランドマーケティング デジタルマーケティングを担当する津毛一仁氏が語った。
[聞き手&文:山岡大介、構成:編集部,ITmedia]

大筋については上記の記事を読んでいただきつつ、本エントリでは、記事に書ききれなかった話や、同席いただいたアドテック東京を主催されている武富氏のお話もお伝えしたい。


■ソーシャルメディアへシフトする企業マーケティング

津毛氏「最近公開されたTwitterのグローバルのアクティブユーザーのマッピング(※)を見ましたが、面白いぐらいに日本はTwitterの利用が活発なんですよね。Twitterと日本人とは相性がいいな、というのを改めて感じました。中国でもマイクロブログが流行っているようで、漢字の文化圏にはいいのかもしれませんね。昨年の時点でTwitterは確実にユーザーがいる、というのが分かっていたので、まず最初に注力しました。Facebookは、年初に見たときにはまだアクティブユーザーは150万~200万というところでしたが、2011年9月時点では500万人まで急上昇しているので、ここも重要ですね。」

※Twitterの発信地マッピング
World map of Flickr and Twitter locations
World map of Flickr and Twitter locations | Flickr

ソーシャルメディアを活用していくなかで、気を付けているところはあるのでしょうか?

津毛氏「複数人での体制や、女性向けの市場には女性担当者を増やすなどの対応をしていますが、まだまだ試行錯誤の段階で、企業での活用として難しい部分も多いと感じています。対外的にも社内的にもソーシャルのアウトプットについて教育していく必要性がありますね。」


■“記憶に残るコミュニケーション”を目指す

ただ、プロモーションやキャンペーンとしては、既にブランドの知名度が確立されていることから、短期的なKPIを立てることは無いという。あくまでも「長期的にファンでいてもらう」ということを考えている。

津毛氏「商品それぞれの販売ターゲットはあるのですが、実は、ブランドのメインターゲットは常に14歳から19歳なんです。その頃に初めて履いたシューズを今でも覚えていたりしませんか?もしくは、その当時に身近にいるあこがれの人がアディダスブランドを身につけていたから印象に残っているとか。その頃の記憶というのは、長く残るものだと考えています。なかなかこの層にアプローチするのはどのメディアでも難しいのですが。ソーシャルメディアでも、こうした“記憶に残るコミュニケーション”というのを目指していきたいと考えています。」

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「成功事例も失敗事例も含めてグローバルに共有し、日本から世界にいい刺激を与えていきたい。」と語る津毛氏からは、いままでの実績によって裏打ちされた確かな自信が伺えた。


■グローバルの中で求められる、日本のデジタルマーケター

津毛氏は、今月開催されるデジタルマーケティングのカンファレンス「アドテック東京」で、10月27日(木)のオープニングのキーノートセッション(※)にadidas USのマーケター、クリス・マーフィー氏との対談役として登壇する。当初、アドテック側はクリス氏に単独で声をかけていたが、「ぜひ一緒に」と名を上げられたのが津毛氏だった。

※「One Brand, Two Countries〜ソーシャルメディアマーケティング革命〜」
http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/ssnDetail.html?ssnId=K-1

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アドテック東京を主催するディーエムジーインベンツジャパンの代表、武富正人氏はこう語る。

「アドテックはグローバルで開催されているイベントで、これまで日本では2回実施しました。外資企業のマーケティングディレクターが登壇することも多いのですが、日本のマーケターを対談相手に指名することは滅多にありません。企業によっては「日本支社の人間には声をかけるな」というところもあるくらいです。」

「津毛氏は、アディダスのグローバルなマーケターの中でも発言力があるということなのでしょう。こうしたグローバルで影響力を持ち、そしてデジタルに強い企業人が増えることが、日本企業の競争力にも繋がるのではないか日本のディシジョンメーカーはITに弱い人が多いように感じている。そういう方々は、デジタルについて学ぶか、さもなくばそれに長けた若い人たちにどんどん決定権を渡していくべきだ。

アディダス ジャパン
adidas.jp

アドテック東京
www.adtech-tokyo.com/ja/

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アディダス ジャパン オフィスの廊下にて撮影

D.yamaoka

2011/10/13(木)、大手町で開かれた日経デジタルコア勉強会「ソーシャル時代のジャーナリズムとメディア ダン・ギルモア氏を迎えて」に参加してきた。

昨年も「技術者が語る、テクノロジーと新時代のメディア」という日経デジタルコアの勉強会に参加したことから、このイベントについてもご案内をいただいた。

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「メディアとジャーナリズム」の関係性というのは非常に難しい。特に、WEB上には広告で成り立っているメディアが多く、スポンサーが居ないと成立しないそのビジネスモデルから、中立性を保つのに苦労する場面も多い。そこに「ジャーナリズム」のあると言えるメディアというのが果たしていまどれだけ存在するのか。「ジャーナリスト」と呼べる人間はいまメディアにいるのか。それとも、そこはブロガーなどの個人がその役割を担っていくのか。

さて、ダン・ギルモア氏の話。まだ彼の著書『あなたがメディア!ソーシャル新時代の情報術』(当日購入)をほとんど読んでいないので、間違った解釈をしている部分もあるかもしれないが、いくつかコメントをピックアップしつつ、考察&備忘録として本エントリを進めたい。

「メディアを作ることに誰もが参加できるようになった」

「誰もがクリエイターになったのだ。メディアは既に民主化されている。メディアにアクセスする方法も変わった。」

デバイスの進化や、ソーシャルメディアの普及により、いつでもどこでも情報の受発信ができるような時代になってきた。その情報が集まる場所がメディアというのでれば、たしかにメディアは民のものになった。

しかし、民主政治はともすれば衆愚政治になりうる。個人がメディアを持つというのは、すべての個人が望んでいることではないが、いまやそのためのツールは誰にでも解放されている。それは時として武器になり防具になり、また、毒にも薬にもなる。

最近の「テレビでは放送されていない真実!」だとか、「なぜこの話題をメディアは取り上げないのか」といった風潮などを目にするにつけ、いままで視聴するだけだった受け手側の人間が、ソーシャルメディアの普及や3.11以降の政府やメディアの対応への不満を期に、発信側の視点を持ち始めたのかもしれないと思うことがある。だが、実際はそれが報道されているのを見ていなかったりするだけのことも多い。また、メディアに取り上げられれば良いという話でもないだろう。発信をする前に、ちょっと調べるとか、一度自分の中で考えをまとめる、ということも重要視されていって欲しいなと思う。

そういう点で、彼の今回の著書が、そのリテラシーを育む本として書かれたものであるらしい。本書の「はじめに」に、クレイ・シャーキーという研究者が下記のような文を寄せている。

「市民として、消費者として、ニュースを私たちに役立つものにするために、ダンの提案は極めて野心的だ。私たちがメディアクティブ――メディアの“行動する利用者”――となり、メディアリテラシーの理念を取り入れながら生活していくことを思い描く。どんなメディアであっても、リテラシーとはメディアの読み取り方を理解するだけではなく、そのつくり方が分かり、そしてメディアの良し悪しが判断できることを意味する。


■「一方で新聞はどうかというと、ニュースが作られるとそれが大量生産されて、運ばれて行く、古いシステム。」

このコメントを聞いて、新聞は製造業なんだな、と思った。モノを作るという観点ではそれでもいいかもしれないが、「情報」を求める(届ける)早さはそんなものではもう追いつかないだろう。

日経もこうした状況に危機感を覚えてデジタル化に舵を切っている。先日は電子版の利用者が100万人を突破し、そのうち15%が有料会員だというリリースがあった。当初の目標数値は下回っているようだが、個人的な感覚としては結構多いなという印象を受けた。比較対象として正しいかは分からないが、ニコニコ動画の有料会員は確か6%くらいである。

ただ、過去の「日経電子版、100万人突破 幅広い世代が利用」という日経の電子版のニュースを漁ったら、該当の記事はどうやら削除されているようだった。有料会員ならアーカイブを見れるのだろうけど、それも件数制限があるらしい。ITmediaや@ITは10年前の記事も残しているし、それがストックされていることが資産になっているのだけども、このあたりの考え方は大きな違いがあるな。今後それがどう影響していくのかは分からないけれど、ネットメディアは速報性だけでなく、蓄積、検索、そしてシェアできるところにメリットがあると思っている。ソーシャル上での波及という観点でも、一読者としても、過去記事が自由に見られないというのは不便でしかない。

■尖閣諸島の動画公開の件について

参加者 「政府はデータを隠そうとした。一部の国会議員だけが見ることができた。そこから個人が勝手に流出させた。」「メディアの人間は「職務」として報道をやっているが、いまや「ジャーナリズム」をモットーに働いているわけではないメディア人も多くいる。一方で、上記のような、メディアが本職ではない人間が、「これは伝えるべきだ」として情報発信をする時代になって来た。これからはそうした「ジャーナリストのハート」を持っているかどうかが今後重要になるのか?」

ダン・ギルモア氏 「情報を持っていて、それを公開してはいけない場合がある、という状態でそれに従わないというのは、「不服従」という。それ自体は法で問われることかもしれない。しかしこのケースは個人的には拍手をしたい。」

「知っていることを伝えたい」というのは人間の本性である。それが国に関わることであれば尚更だ。YouTubeへのアップではなく、情報源がわからない方法で情報を伝える手段をとれれば良かったかもしれない。今後はそうした手立てがもっと出てくるのでは。いずれにせよ、隠しておくことができない時代になってきた。ネガティブなこともあるが、ポジティブなことも多いのではと思っている。たとえば「我々の税金を何に使っているのか」といったことをもっと透明性をもって知れるようになると良いのではないか。おそらく時代はそういう方向になっている。」

「誰がジャーナリストなのかということよりも、ここで問われるべきは、「ジャーナリズムとは何か」である。その観点で言えば、情報源の秘匿は、そのひとを守るということだけではなく、「ジャーナリズムを守る」という点で重要なのではないか。」

■メルトダウンの公表について

参加者 「知らされるべき情報とそうでない情報もあるのでは。例えばメルトダウンが地震直後に実際に伝えられているとどうなったか。」

ダン・ギルモア氏 「震災時の日本の皆さんの行動を見ると、伝えてもパニックにはならなかったのではないか。また、ジャーナリストとしては、重要な情報を知った時点で、それを国民に伝えないということはありえない。ただし、その伝え方は工夫するだろう。アメリカの放送では日本の災害をまるでメロドラマのような伝えかたをしていた。放送の形として正しくない状態のところが多かったかもしれない。日本の放送はそういう点では非常に冷静であった。」

上記の発言の際、「その情報を伝えることに、どのような意義があるのか。」ということを仰っていたが、まさにそれが「メディア」や「ジャーナリズム」の根幹の部分だと感じた。

D.yamaoka

直木賞受賞作『下町ロケット』読了。読みながら一喜一憂した。

企業に務めているからこそ分かる悩み、喜びがあった。また、製造業に関わるメディアにいる人間として、ここに出て来るような技術力のある中小企業は良く取材しているので想像しやすい。しかし、そうでない企業も沢山ある。本書でも、随所でカネの厳しさなどが書かれている。夢と現実が良く描かれている作品であった。

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本書の主人公、下町の製造業の社長を務める佃航平は、自社が開発した技術をめぐって大企業との綱渡りの戦いをする。そんななか、自分の考えと相容れない若手社員との軋轢が生じ、苦悩する様子も描かれる。

「会社とはなにか。なんのために働いているのか。誰のために生きているのか――。
佃が突きつけられているのは、会社経営における、まさに本質的な問題だ。」 (本書より抜粋)

経営者というのは孤独なものだと聞いたことがあるが、そうした悩みは、正直なところまだ自分には本当に理解出来てはいないかもしれない。社長の佃の言動よりも、経理や営業部門の社員の描写に共感を抱く部分が多々あった。なるべく経営視点を持って働きたいと思っているのだが、知らず知らずのうちに少し今の立場に甘えていたのかもしれない。上記の問いをされた際に、果たして自分は、相手の目を見据えて答えられるだろうか。

それにしても、下町のロケット開発の話というから技術に関する話が中心かと思いきや、カネに関する記述がやたら詳しい、というか熱の入っている話だったように思う。銀行の融資による資金繰りや、企業買収、特許関連の知財に関する価値やその戦略などなど。それもそのはず、著者プロフィールを見ると、銀行出身者の方であった。

過去にやっていた仕事をいまの仕事にも活かすという点では、本書の主人公の佃が、研究員時代の知識と功績を活かしていま製造業の経営者をやっているという姿に通じるものがある。このような「過去の仕事が、未来の仕事に繋がる」という話を見聞きするにつけ、一つ一つ現在を積み上げていくのが大事だなと思う次第である。

■宇宙開発関連の記事をピックアップ
さて、自分がいま働いているのはITや製造業に関する「メディア」なので、宇宙開発関連の記事はどれだけあるのだろうとちょっと検索してみた。すぐに下記のキーワード一覧がヒットする。

「宇宙開発」最新記事一覧 - ITmedia Keywords
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/kw/space_development.html

うん、結構あるな。。とりあえず3つほどピックアップしてみる。

・「システムデザイン・マネジメントのススメ:失敗からの脱却――日本の宇宙開発はなぜ成功し続けるのか」 - ITmedia エグゼクティブ 2010年01月27日
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1001/27/news007.html

ロケットの相次ぐ打ち上げ失敗など、2000年前後の日本の宇宙開発は実に厳しい状況が続いていました。ところが一転、ここ5年間は連戦連勝の成果を収めています。その背景には一体何が隠されているのでしょうか。

・「再検証「ロボット大国・日本」(4):「超小型衛星を日本のお家芸に」~月面レースに挑む研究者、東北大・吉田教授(前編)」 - @IT MONOist 2011年08月02日
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1108/02/news001.html

「宇宙開発」というと、国(宇宙航空研究開発機構:JAXA)や大企業だけのものと思っていないだろうか。答えは「ノー」だ。数トンにもなる大型衛星ならともかく、最近の「超小型衛星」と呼ばれる新しいタイプの衛星は大学やベンチャーによるものが多く、既に何機もが宇宙に飛び立っている。その最前線で活躍中の東北大学・吉田和哉教授に、宇宙ロボットの最新状況を聞いた。

・「再検証「ロボット大国・日本」(5):「協力しないかと言われたら『Why not?』ですよ」~月面レースに挑む研究者、東北大・吉田教授(後編)」 - @IT MONOist 2011年08月16日
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1108/16/news004.html

東北大学・吉田和哉教授へのインタビュー【後編】。前回の「超小型衛星」に続き、今回は民間初となる月面無人探査コンテスト「Google Lunar X PRIZE」への挑戦、そして「月面ローバー」の開発について紹介する。

1番目の記事は宇宙開発の歴史を振り返りつつ、システムをマネジメントするということについて述べられている。2番目、3番目は、東日本大震災による原発事故から、日本は本当に「ロボット大国」なのだろうか?というところから始まった連載記事のうちの2つである。ちなみに、2007年には「ロボット関連技術を宇宙開発に JAXAが研究者や産業界に参加を呼びかけ」というニュース記事が、新卒から担当していた@ITに掲載されていた。そこから4年経ったいま、自分が立ち上げに関わった@IT MONOistで、上記のようなロボット×宇宙開発の具体的なインタビュー記事が載ることには少し感慨深いものがある。

実は、自分も、本書の主人公と同じく宇宙開発に携わってみたいと思ったことがある。中学の頃の話だ。よくあるような宇宙への憧れではなく、地球環境保全のためには人類をある程度宇宙に送り出した方がいいと考えていたのだ。中学卒業時のレポートでは、「宇宙基地における食物栽培」をテーマにしたのを今でも覚えている。ただ、そうした研究が自分の生きているうちには然程進展しないだろうという想定をし、飽きっぽい自分の性にも合わなさそうだという結論を出した。後悔はしていないが、未だに「宇宙開発」というキーワードには反応する。

いまの仕事で宇宙開発に直接関わる案件は無いが、近いところに居るのは確かだ。いつか関わる日が来るかもしれないその時に、いま自分が積み上げているものが何かの役に立つのであれば、それは幸せなことだと思う。

D.yamaoka

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いつも買い物に行っている有楽町に、日本初のリアル「いいね!」ボタンが仕掛けられていると聞いて行ってきました。

・・・が、Facebookのアカウントとは連動しない、ただのボタンでした。正確には、ここで押された「いいね!」の回数は、ルミネ有楽町の公式Facebookページの「Otona?スタイルを選ぼう!」で集計され、総数として反映されるというのですが、誰がいつ「いいね!」を押したのかは全く分かりません。これってFacebookの「いいね!」ボタンである必要はどこにあるんだ?これが日本初の事例って言っていいのか?

ちょっと残念に思いながら、どうしてこういうプロモーションになったのかを少し考えてみたいと思います。

■どういうプロモーションだったか

このプロモーションを知るきっかけになったのは下記の記事でした。

 ルミネが現在建設中の「ルミネ有楽町店」で8月21日より、日本初となるFacebook連動型仮囲いを展開する。仮囲いに使用されるのは、フォトグラファーLeslie Kee(レスリー・キー)が有楽町を舞台にブロガーRUMI NEELY(ルミ・ニーリー)を撮り下ろした広告。各広告にはFacebookと同様のレコメンド機能「いいね!」ボタンを設置し、Facebookの特設ページ内の同じスタイルへと反映される。
「日本初リアルに押せる「いいね!」ボタン、ルミネ有楽町店仮囲いに設置 - ファッションニュース - Fashionsnap.com」

これを読む限りでは、Facebookの自分のアカウントにもアクションが反映される「いいね!」ボタンなのだと思いますよね。。

「どうやって街中でFacebookにログインさせて、それをリアルタイムに反映させるのだろうか?その場でIDとPASSを入力するシステムがあるとか?いやいや、そんなアナログなわけないか。今ならQRコードか、もしくはイスラエルの「Coca-Cola Village」(後述)のようにRFIDチップを仕込むなどの大掛かりなものか?」

と、いくつかの施策が頭に浮かびます。期待しながら該当の場所に来てみると、何やら人だかりが。

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これだけ大きい広告スペースだと人目を引きますね。まさにターゲットであろう20~30代の女性たちの足も止まります。

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これは反対側からの写真。老夫婦も気になるご様子。

さて…、ここまでの写真でお気付きかとは思いますが、どこにも認証システムはありません。そう、この「いいね!」ボタンは、ただのボタンなのです。カウンターは付いていますが、誰でも、何回でも押せてしまいます。

見慣れたボタンはあるのに、それを押しても私のFacebookのウォールには何も反映されないのです。それ、誰の「いいね!」なんでしょうか?

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オレが一番「いいね!」って押してやるんだ!と、はしゃぐ子供たち。そしてその分カウンターも回っていく。

■目的は何か?

新たなFacebookのマーケティングを期待して行った私にとっては、ただのボタンというのは、かなりの拍子抜けでした。Facebook全然関係ないやん!って。

でも、そこでふと周りを見ると、上記のような期待を持って来ている私のような広告関係者はもちろん少数派で(っていうか一人で)、写真に写っているような「ショッピングのついでに道を通ってみたら何かアトラクションがあったから」という軽いノリで、皆さん「いいね!」ボタンを押されていきます。

そう、確実に通行人の興味・関心を惹いていたのです。その様子を見ていると「まぁ、いまの段階だとこれぐらいが一番いいのかなぁ」と思ってしまいました。そもそもFacebookをやっている層はまだ少ないのです。そういう観点からすると、

  • 連動せずとも、「いいね!」を気軽に押す機会と場所をリアルに用意したこと
  • ターゲットである有楽町エリアの通行人の関心をひき、なおかつアクションを起こさせたこと
  • Facebookページは一応用意されており、そこに誘導するきっかけを作ったこと

などの点は、初日は大成功と言っていいでしょう。そして、今回のプロモーションの目的であろう「ルミネ有楽町のプレゼンスを高める」からしてもそれで十分なのかもしれません。

たとえば、終始10~20人くらいは立ち止まってこの広告を見ていましたし、通行量としても(日曜だからということもあってか)1分あたり50~70人くらいがこの場所を通り、そしてほとんどの方がこの看板を見ていました。また、「いいね!」カウンターも、複数回押せるとはいえ設置一日目にして、もっとも多いものでは731回「いいね!」が押されていました。(21日15時時点)

しかし、「果たしてFacebookを使う必要はあったのか?」、「なぜTwitterではなかったか」、「なぜログインさせないのか(させられなかったのか)」といった疑問点はやはり残ります。

この看板で「いいね!」を押した人の中には、自分の気に入ったスタイルをじっくり選んで押している人もいました。そういう人が、その場で「どうしてそのスタイルを選んだか」が書き込めるような仕組みがFacebookなりTwitterなりに用意されていれば、もっと有機的に広がるのではないでしょうか。

恐らく、企画が進むどこかの段階で、目的や予算との兼ね合いなどによって認証周りの仕組みが切り捨てられたのだとは思いますが、これは果たして本当に日本初のリアル「いいね!」ボタンの事例なんでしょうか。Facebook側はこういうのも容認しているのかな。

■今後期待したい日本でのFacebookのリアルプロモーション

今回のリアル「いいね!」ボタンの企画を聞いて、私が一番に思い出したのはイスラエルの「Coca-Cola Village」のキャンペーン事例でした。以下の動画がその様子です。

まず、参加者はCoca-Cola Villageにおいてデータのフィードを許可した人だけが施設内に入ることができます。またその際にFacebookの個人アカウント情報が入ったRFIDブレスレットを手に入れることができます。施設内にはリアルな「いいね!」ボックスが設置されており、参加者はその施設や食事等が気に入ったらブレスレットでタッチして「いいね!」することができます。「いいね!」をするとその情報が個人のウォールにフィードされる仕組みとなっています。
「~ついにリアルと連動したいいねボタン!~ Coca-Cola Villageにみるイスラエルで最もファンを獲得したキャンペーン事例」

まぁ、新しけりゃいいとか、Facebookやソーシャルが流行ってるからそれを取り入れた方が話題にはなるんでしょうが(現に自分もブログまで書いちゃってますし)、やるならこのくらいとことんやって「すげーなFacebook」ってなるプロモーションが出てくると嬉しいですね。ルミネ有楽町の事例から考えると、まだまだ日本では先のことかもしれませんが。

※そのほか参考URL
Facebookを使ったリアルプロジェクトまとめ | FBN Future box news
たぶん日本で一番詳しいFacebookビジネス活用セミナー資料 « Looops 直人の備忘録

D.yamaoka

友人が作成したアプリがiTunesの無料Appランキングで2位にまで浮上してきているので、後押しをすべく紹介します。個人的にも、こういうの欲しかった!というアプリだったので、周りにもオススメしてます。

Catpet

アプリ名は「Chat Pet」。4種類のキャラクターから好きなキャラを選び、送りたいテキストに合った「表情」を選びます。

そして、そのキャラクターの吹き出しにテキストを入れることによって、メッセージを作成します。これがすぐに「画像」として保存できますので、それをそのままメール本文にペーストすればいいだけ。

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これによって、思った以上にiPhoneでのメールの表現の幅が広がります。

ケータイで「デコメール」などを多用していた人などは非常に喜ばしいアプリじゃないでしょうか。ちなみに、知人に見せたところ「動き(アニメーション)があるともっといいね」と言っていましたが、私はこのシンプルさがとても気に入っています。

■個人制作アプリの可能性

このアプリを開発したのは、以前私が「第2回 販促会議賞」で一緒にチームを組んだ下浜( @rin_shimohama )クン。ふだんは広告会社で忙しく働いているはずなのですが、このアプリは個人作成だそうです。素晴らしい!

イラストが可愛いというのもありますが、これだけダウンロードされているということは、やはり皆こういった表現方法をiPhoneのメールでも取り入れたいと思っていたのでしょう。個人制作のアプリでも、まだまだこうしたニーズの隙間を捉えていくことが出来るんですよね。

「イラストつきでメールを送りたい」というiPhoneユーザーのニーズを捉えた着眼点と、そこに特化しているというのがいい。機能自体はとてもシンプルなのですが、アイデア次第で個人作成のアプリでも戦えるという可能性を感じられて嬉しく思いました。 自分もいまAndroidアプリの開発のホントの初歩の初歩から始めているのですが、ちょっとエネルギーをもらいました。

と、いうのもあって、私は「Chat Pet」を応援しています。気になった方はぜひダウンロードしてみてください!また、アプリについてのフィードバックを欲しがっているようなので、何か意見・感想があればぜひiTunesなりTwitterなりに書き込みしてあげてください。

D.yamaoka

代々木アニメーション学院主催の業界セミナー「変わりゆくテレビアニメ ―いままでと、これから。―」が7月10日に開かれた。第一回のゲストは、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」でプロデューサーとして活躍中の山本幸治氏。今後のテレビアニメの行く先はどこにあるのだろうか?

テレビ、アニメ業界が不況にあえぐなか、フジテレビの木曜深夜アニメ枠「ノイタミナ」は、昨年から30分1枠だった番組構成を1時間2枠にするという拡大戦略をとった。これまで『ハチミツとクローバー』『のだめカンタービレ』など青春をテーマとしたアニメから『東のエデン』『東京マグニチュード8.0』などのオリジナルアニメ、そして文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞した『四畳半神話体系』など様々なジャンルに挑戦してきた「ノイタミナ」。

今回の代々木アニメーション学院主催セミナーでは、そうした挑戦をし続けるフジテレビプロデューサー山本幸治氏から、「ノイタミナ」という「番組枠」のこれまでの変遷と、これからの展開が語られた。

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■「ノイタミナ」の過去と現在
「フジテレビでアニメをやる限りは「一般性」をある程度持たせる必要がある。『のだめカンタービレ』『墓場鬼太郎』はそれが顕著に出た好例だ。たとえば『のだめカンタービレ』などは、2ちゃんねるで言われているよりもDVDは3倍くらい売れている。初動しか見てないからなんでしょうね。継続的にDVDが売れているということが「一般性」ということ(の証拠)かもしれない。(山本氏)」

ここでいう一般性とは、「ふだんアニメを見ていない層にも広くリーチできるかどうか」と捉えて良いだろう。「ノイタミナ」が『ハチミツとクローバー』『Paradise Kiss』という人気少女漫画を原作としたアニメ作品から始まっていることから考えても、当初の視聴ターゲットとして「若い女性」を大きく取りこむことが意識されていたのは明らかだ。

しかし、昔はそうしたグレーゾーン(ふだんアニメを見ていない一般の人たち)に対象を広げればDVDの売り上げも増えていたが、それも状況が変わってきている。『のだめカンタービレ』も、第一期から第三期までで視聴率はたいして落ちていないが、ビデオの売り上げは減っていったという。

「いまは月9(のドラマ)も10%代でホッとしている。アニメも、以前のように5~6%の視聴率が取れていた時代から変わってきている。視聴者がテレビを見なくなってきているのは確実。(山本氏)」

これまでの「ノイタミナ」枠のアニメの平均視聴率を振り返ると、2008年の『のだめカンタービレ 巴里編』第9話が最も高く6.6%。2009年の『東京マグニチュード8.0』第1話で5.8%(「ノイタミナ」作品中で第1話最高値を記録)と好調だったが、その後は2~3%代へと低下。今年に入ってからは1%代も珍しくなくなってきていた。ただ、先月終了した『C』/『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』では、一時3.9%(瞬間最高視聴率では5.5%※)まで上昇し、ここにきて底力をみせた。

※参考:山本幸治氏本人のツイートから
http://twitter.com/#!/koji8782/status/65055733342937089

■ターゲットの変化
テレビが見られなくなっていくなか、深夜アニメという枠で試行錯誤を続ける「ノイタミナ」。実は、狙っているターゲットを一度方向転換しているという。

「明確に「ここから変えた」というわけではないが、一般性とオタクカルチャー双方を狙うようになった。そうしたトライが一番出たのが『東のエデン』(2009年)。これが一般(ふだんはアニメを見ない層)と、オタク(コアなアニメファン層)の両方から初めて受け入れられた。(山本氏)」

『東のエデン』は、それまで女性向けの漫画や小説を原作としてアニメ化してきた「ノイタミナ」として初のオリジナル作品にも関わらず、最高で平均視聴率5.0%を記録したほか、テレビ放映終了後には続編として2部作の劇場版が公開された。「ノイタミナ」で獲得した女性視聴者を上手く引き継ぎつつ、コアなアニメファンをも惹きこんだ結果と言えるかもしれない。また、その次に放映された『東京マグニチュード8.0』も「ノイタミナ」オリジナルの作品だ。

こうしたオリジナルアニメでの成功が、2010年の2枠構成への拡大、2011年のオリジナルアニメを増加した作品ラインナップ、という戦略へと繋がっているのだろう。従来の原作もの(今年7月から開始された『うさぎドロップ』、『NO.6』など)とのバランスも取りつつ、少しづつ軸足をコア(本来のアニメ好き)向けにうつし始めている「ノイタミナ」。そこにどんな意図があるのだろうか。

「元々の市場(パイ)を争うのではなく、新しいパイを生めるかどうかチャレンジしたいと思っている。オタクカルチャーと一般性をうまく取り入れることが、そのきっかけになるかもしれない。アニメ自体が、いま一般にもかなり浸透してきているのではないかと思っている。そういう点で、市場はまだ広がっていく可能性はある。(山本氏)」

■ノイタミナの「枠」のブランド化を目指す
「「ノイタミナ」でやりたい、と色んな人から言ってもらえるようになってきた。これを大事にしていきたい。フジテレビという枠を超えて、「ノイタミナ」という「枠」をブランド化したい(山本氏)」。

立ち上げた当初はそうした認識は無かったそうだが、いいアニメを継続して送り出すということだけでなく、山本氏がこれから作ろうとしているのはそれを含めた「ノイタミナ」という信頼性なのだろう。

「たとえば、スタジオジブリの『ハウルの動く城』におけるハウス食品、『魔女の宅急便』におけるクロネコ(ヤマト運輸)は「宮崎ブランドのアニメのスポンサーをする」と言った時点である程度成功している。そういう人たち(スポンサー)を見つける(集める)仕組みを作らなければいけなくて、僕がいまテレビでやりたいことは、それなんです。個別のDVDのセールスなどとは別で、「ここにお金を出すことに意義を感じる」という状態にしたい。(山本氏)」

ただ、この発言の前には「どこにでも出来ることではないだろうが…」、という前置きがあった。テレビ業界、アニメ業界のなかで独自の立ち位置を築くための挑戦は、7年間続いた「ノイタミナ」でも、まだまだこれからというところなのかもしれない。

また、Ustreamなどのネット配信についてはどうか?という会場からの質問に対しては、「メリットがあればやりたい。ただ、いまは「フジテレビ」に魅力を感じているスポンサーがいる。『TIGER & BUNNY (タイガー&バニー)』のスポンサーのつき方(※)などは面白かったが、特殊なシステムなので毎回出来るわけではないと思う。自分は他の方法を考えて行きたい。」と語った。

※アニメに登場するキャラクターが、実在する企業のロゴ(Softbank、BANDAIなど)を身につけて登場する。テレビアニメ史上初めてUstream連動放送を実施したことでも話題となった。

■アニメ業界の熱意を感じるセミナー
セミナー冒頭、司会のサンキュータツオ氏から「えー、本日はアイドルマスターを語る会ということで…」に会場から全く反応がなく、「あれ、今日はカタい感じですか。」と、空気をつかみ損ねる場面も。山本氏も「いつもはここで笑いが起きるんですけどね。」と少し驚かれていた様子。業界セミナーということもあってか、会場に集まった人たちはヒット作を継続的に生みだす「ノイタミナ」のプロデューサーから真剣に何かを学んで帰ろうという熱気があふれていた。

ここだけはアニメづくりで押さえてほしいというポイントは?という質問に対しては、「いろんな分業制が確立しているアニメ業界ですが、僕らのチームでは、「全体像を意識した中での分業をやろう」といつも言っている。そこが大事ではないか。(山本氏)」と応えた。

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熱気あふれる会場には200名ほどの学院生、業界人が集まった。

D.yamaoka

ちょっと先の話になりますが、9月に「ITmedia Virtual EXPO 2011 -転換期のITとモノづくり-」を開催します!今週から申し込み受付を開始しました。オンライン上のイベントなので、全国だれでも、どこでも参加できます。ぜひお気軽に登録していただければなと。

個人的に楽しみな講演は「ウルトラマン立体造型物製作の3Dデータ活用」ですねっ。なんと円谷プロダクションの方に登場していただきます。なかなかBtoB系のセミナーでウルトラマンに関する講演を聞ける機会はないのではないでしょうか。こうした「エンタメ」と「モノづくりに関するIT技術」をつなぐテーマを追いかけて行きたいな、と最近考えています。

また、スペシャルインタビューの「コリン・アングル氏(アイロボット社創設者 現CEO)」も非常に気になります。いま売れている自動掃除ロボの「ルンバ」や、福島原発で活躍した「パックボット」などを生み出しているアイロボット社は要注目ですよ。そのほか、ナノオプトの藤原氏による「ITによるエネルギーと交通システムのイノベーション」、デザイナーの奥山氏インタビューのほか、「出井伸之氏 × 楠木建氏 特別対談」など、今年も日本最大級のバーチャルイベントとして様々なコンテンツを準備しています(編集部が)。

あ、ちなみに出展スポンサーさんもまだ募集しています!!

Itmedia

D.yamaoka

『「間違えたグローバル化」「間違えたフロントローディング」「勘違い品質」を進めていませんか?』。7月8日(金)に開催される、@IT MONOist主催「CAD/CAE活用ミーティング」の最後のミーティングセッションの仮テーマです。

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震災の影響で、いま日本の製造業は大きなダメージを受けています。海外からの信頼度の低下も免れません。しかし、だからこそこの機会に「日本の今後のものづくり」を見直す時期なのではないでしょうか。いま変わらなければ、今後も変わらないのではないか。そんな懸念を抱いています。

「新興国、特に中国メーカーの生産スピードはすさまじいほどに早く、経済成長も“バブル”といわれるほど極めて著しい。一方、日本は不景気の真っただ中。そんな中、日本のメーカーで忙しく働く現場の技術者たちは、経営層からより強いプレッシャーを掛けられていく。中国に生産スピードやパワーで真っ向から勝負を挑むのは、あまり賢くないのかもしれない。設計力を高めていくことで日本を活気づけていくのならば、CAEやシミュレーションは重要な役割を担う。」

TwitterからあふれたCAEの本音語り(1):CAE以前に、「設計する」って何なの

上記の座談会の際、私も裏方として参加していました。CAEという設計製造におけるシミュレーションツールを議題に、参加していただいた方は普段からネット上で活発な議論をされています。リアルでも白熱した会になったので、ぜひこのレポート記事もお読みいただきたい。私は、こうした「場」を、ものづくりの現場および社外で積極的に持ってほしいと考えています。熱いエネルギーを持つ人が、この日本を引っ張っていくべきなのです。そのきっかけを作るという意味でも、製造業のみなさんにはぜひ今回の「CAD/CAEミーティング」に参加していただきたい。

基調講演には、微細加工の入曽精密 斉藤社長をお呼びしました。ミーティングセッションには、明るく楽しい現場づくりを目指す関ものづくり研究所の関氏をモデレーターに、「間違えたグローバル化」「間違えたフロントローディング」「勘違い品質」といったテーマのほか、参加者からの事前アンケートを元に議論を進めます。

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■@IT MONOist × CAD Japan.com 合同セミナー

「CAD/CAE活用ミーティング ~最新導入事例からグローバル戦略まで~」

2011年7月8日(金)開催:13:30~18:00(受付13:00~)

https://itmedia.smartseminar.jp/public/seminar/view/271

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山岡 大介

山岡 大介

アイティメディア社員。
主に「@IT MONOist」の広告営業&企画を担当。

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