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メディアプランナーのつぶやき。ITおよび製造業のマーケティングについての考察。ときどきマンガとアニメ。

先週のAIニュース・記事まとめ(2017/6/26~6/30)

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アイティメディアが運営する媒体の1つ「ITmedia NEWS」内に開設された、AI(人工知能)・ロボット専門チャンネルAI+(エーアイプラス)が、2017年5月実績において月間111万ページビュー(PV)を達成しました。

▼プレスリリース:「AI+(エーアイプラス)」月間100万ページビューを突破
http://corp.itmedia.co.jp/pr/releases/2017/06/30/aiplus/

スマートスピーカーから人材採用まで、いまやどのようなジャンルにおいてもAI活用が盛んに行われており、AIに関する話題を目にしない日はありません。ただ、中には本当にAIでやる意味があるのか? そもそもそれはAIなのか? といったものも一部あるので、受け手側も冷静に動向をウォッチする必要があります。

そうしたものを含め、AIが世間を賑わせているわけですが、私が担当するTechFactoryがカバーする製造業の領域においてもAIは注目技術として位置付けられています。そこで今回のコラムでは、ここ1週間(2017年6月26~30日)で気になったAI関連記事を日別で取り上げてみたいと思います。

■6月26日(月)
AIのアドバイスで職場の"幸福度"向上、業績もアップ 日立が実証実験

まずは、「AI+(エーアイプラス)」の記事から。従業員の行動データから組織全体の"幸福度"を測定し、人工知能がより良い働き方を助言する実証実験を日立製作所が行いました。

「AIのアドバイスを参考にした部署ほど幸福度が上がる傾向にあり、そうでない部署と比べて業績(売上高)も上回った」ということで、実際に効果があったようですが、AIからのアドバイスを人間が素直に受け入れられるのか!? という根本的な問題もありそうな気がします。

hitachi.jpg
写真は、名札型ウェアラブルセンサーを装着して組織の幸福度を測る様子。2017春のITmedia Virtual EXPOでも講演いただきました。

■6月27日(火)
新たなAIサービス創出へ ソニー、ディープラーニングの「コアライブラリ」をオープンソース化

ソニーがAI開発者向けにコアライブラリをオープンソース化。これにより、自由にAI関連の機能を開発できるようになります。スマートフォンやIoTデバイスへの移植も可能だそうで、ここから新たなサービスや製品が生まれるかもしれませんね。

■6月28日(水)
【AI・人工知能EXPO】ブロック崩しのAIが渋滞解消......電通大・人工知能先端研究センター - レスポンス

ブロック崩しゲームをAIに学習させるという研究を応用して、信号機を制御して自動車渋滞を減らすという実験です。発想が面白いですね。

■6月29日(木)
力任せの人工知能 ~ パソコンの中に作る、私だけの「ワンダーランド」

AIの栄枯盛衰を見てきた著者がAIについてたっぷりと検証する連載の第12回。ある要件を満たすために、そこに適用される技術はAIである必要があるのか? また、その技術はそもそもAIなのか? という議論もあってしかるべきと思います。第12回では、シミュレーションに最適なAI道具の1つとして、「オブジェクト指向プログラミング」を解説しています。

■6月30日(金)
ドローンとAIを活用して警備/設備点検を完全自動化するサービス

ドローン技術とAIを活用した、警備/設備点検業務の完全自動化の話題です。用途は全く異なりますが、TVアニメ『攻殻機動隊』に出てくる軍用ヘリコプター「ジガバチAV(アドヴァンス)」を思い出しました(あれは支援型AIでしたが)。

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以上、AIニュースまとめでした。

最初に取り上げた日立製作所の「AIによる助言」は、今後ますます増えそうな気がしています。

しかし、人の手を離れた深層学習による知見のブラックボックス化も進む中で、「なぜこのような結果(助言)が出るのか分からないが、取りあえず信じる」ことにするのか、それとも自分の判断を信じるのか......。

とはいえ、人間の判断というのも得てして論理的でないことも多いのですが。

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