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人間の脳はいつITとつながるのか、Facebookとイーロン・マスク氏の異なる挑戦

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米国は、やはり「夢」を起点として動く国なのかもしれません。未来のテクノロジーとして誰しもが描く夢を何とかして実現させようとするところに、資金や人材が集まります。

ここ最近で個人的に注目した夢のあるニュースは、以下の2つでした。

▼イーロン・マスク氏、新会社「Neuralink」で4年後の脳マシンインタフェース実現目指す

▼Facebook、脳直結出力システムと"皮膚で聞く"システムを発表

いずれも「脳」とITをどうつなげるかという未来のテクノロジーに関するニュースですが、全く異なるアプローチを掲げています。

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■脳内にAIチップを埋め込む

まずはイーロン・マスク氏の新会社についてです。自動運転電気自動車のテスラや宇宙開発企業のSpaceXを手掛けるイーロン・マスク氏ですが、今度は「体内に埋め込むAIチップ開発に取り組んでいる」といいます。将来的には脳内にそのチップを埋め込むことで人間の能力を増幅させることを考えているようですが、実はその裏側には、AIを安全に使いたいという思いもあるようです。AIの危険性についても以前から取り上げていました。

▼人工知能の"ターミネーター化"を防ぐ研究にイーロン・マスク氏が1000万ドル寄付

脳にAIチップを埋め込む流れがあるのであれば、安全に進めるためにも自分がやってしまおうと資金を投入し、会社も設立する、というのはさすがイーロン・マスク氏。映画「アイアンマン」のモデルになったのもうなずける行動力です。そういえば映画の中では既にAIを開発していますね。

■脳と直結する出力システム

さて、そんなイーロン・マスク氏とは異なる方向性で脳とつながるシステムを打ち出したのがFacebookです。

Facebookは毎年開発者向けのカンファレンス「F8」を開催しており、先週2017年4月19日(現地時間)の基調講演で「10年先に実現する見込みの技術」として紹介されたのが、「脳直結出力システム」でした。

以下、Facebook「Building 8」チームリーダーのレジーナ・デューガン氏の発言を記事から抜粋して紹介します。

「人間の脳は毎秒4HDの動画データをストリームできるだけの能力を持つが、それを"出力"する手段としては今のところスピーチ(発話)しかなく、これは時間がかかるし正確とはいえない。かといって、脳にチップを埋め込むといった手法は非効率的なので、神経の反応を反映するオプティカルなデータと発話のデータの関連を解析することで、思考を出力するシステムを開発している」

確かに、人体さらには脳にチップを埋め込むというのは、非常にリスキーな行為であることは間違いありません。例えば技術革新があった際、ソフトウェアアップデートだけで済めばよいのですが、素材やハードウェアの更新となると、取り換えるたびに人体へのリスクが発生します。アニメ「攻殻機動隊」で電脳化に憧れを抱いた自分でも、いざ自分の脳を電脳化するとなったら躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうです。

そう考えるとFacebookのように神経の動きや皮膚との連携などによる接触式でのデータ連携が現実的な気もしますが、そこで得られる(ないしは発信できる)データは、直接脳にチップを埋め込むよりも限定的な範囲にとどまる気もします。

果たして、人間の脳はいつITとつながるのか、それはどんな形で実現していくのか。

夢のような話ではありますが、ITの進歩を考えると10年後には何かの「製品」として世に出ている可能性も十分にあり得ると思っています。

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