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「メタバースの原則」の現状と策定の考え方

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総務省は2024年2月28日、「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会(第5回)」を開催しました。

今回はこの中から、「メタバースの原則(1次案)」について取り上げたいと思います。

メタバースの原則の策定の背景

メタバースの原則の策定には、民主的価値を踏まえたメタバースの将来像の醸成があります。

将来、メタバース上では国境を越えて様々な仮想空間であるワールドが提供され、メタバースが物理空間と同様に国民の生活空間や社会活動の場として益々発展し、人々のポテンシャルをより一層拡張することが期待されます。

その一方で、メタバースの設計や運営が過剰に商業主義的な動機で支配され、民主的価値を損なうような仮想空間が出現する可能性を指摘しています。

さらには、物理空間と仮想空間がこれまで以上に融合した結果として、メタバース上での出来事や価値観が仮想空間のみならず物理空間にも影響を与え、両空間の民主的価値を損なう可能性も想定されるとしています。

そのため、このような状況を防ぐためにも、以下の①~③をメタバースにおける民主的価値の主な要素として国際的な共通認識とした上で、メタバースの将来像の醸成を図ることが重要であるとしています。

① メタバースが自由で開かれた場として提供され、世界で広く享受されること
② メタバース上でユーザが主体的に行動できること
③ メタバース上での活動を通じて物理空間及び仮想空間内における個人の尊厳が尊重されること

メタバースの原則の位置づけ

上記のような民主的価値を実現し、ユーザが安心・安全にメタバースを利用していくためには、仮想空間そのものの提供を担うメタバース関連サービス提供者(プラットフォーマー:メタバースを構築したり利用したりするための基盤)と、ワールド(プラットフォーム上で構築・運用される、メタバースの個々の「世界」)提供者の役割が重要であるとしています。

そして、メタバース関連サービス提供者の取組として、以下の2つを大きな柱として位置づけています。

① 社会と連携しながら更なるメタバースにおける自主・自律的な発展を目指すための原則
② メタバース自体の信頼性向上のために必要な原則

メタバースの自主・自律的な発展と、信頼性向上に関する原則についての考え方

メタバースの原則では、メタバースの自主・自律的な発展と、信頼性向上に関する2つの観点があります。

メタバースの自主・自律的な発展には、メタバースがメタバース関連サービス提供者による多様な仮想空間の提供と共に、ユーザなどによるクリエイティブなコンテンツ(UGCを含む)の創造。

そして、ワールドのオープン性やイノベーションの促進、世界中の様々な属性のユーザがメタバースを利用する多様性・包摂性、ICTリテラシーの向上やコミュニティ運営の尊重など社会と連携した取組を挙げています。

メタバースの自主・自律的な発展を支えるためには、透明性・説明性、アカウンタビリティ、プライバシーへの配慮、セキュリティ確保などメタバースへの信頼性を向上させるために必要な取組も挙げています。

メタバースの原則(1次案)

メタバースの原則(1次案)では、以下のとおりまとめています。

メタバースの自主・自律的な発展に関する原則では、オープン性・イノベーション、多様性・包摂性、リテラシー、コミュニティから構成されています。

メタバースの信頼性向上に関する原則は、透明性・説明性、アカウンタビリティ 、プライバシー、セキュリティから構成されています。

出典:総務省 安心・安全なメタバースの実現に関する研究会(第5回) 2024.2.28

まとめと今後の展望

メタバースはの発展には、メタバースが自由で開かれた場として提供され、世界で広く享受される環境が必要不可欠です。そのメタバース上でユーザが主体的に行動でき、個人の尊厳が尊重されることも重要となります。

その中で、メタバース空間でのエコシステムが形成され、メタバースがメタバース関連サービス提供者による多様な仮想空間の提供と、空間でのユーザなどによるクリエイティブなコンテンツとが相互に融合し、信頼あるメタバースであることで、新たなビジネス創造につながっていくでしょう。

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