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日本政府のガバメント2.0(Gov 2.0)を考える

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今年の米大統領選挙盛り上がっています。特に民主党の有力候補、ヒラリー・クリントン、オバマ両上院議員の2氏の争いは、熾烈です。米国の選挙は国民全員参加型のオープンな選挙であり、日本の総裁選挙と比べるとかなり差を感じます。


一方、日本においては年金記録問題や景気低迷等の影響により、福田内閣の支持率は低迷しています。
各新聞社の世論調査によると、インド洋給油法の衆院での再可決後の内閣支持率は12月中旬と比べてやや持ち直しも見られるものの以前厳しい状況と言えるでしょう。一方、民主党においては小沢代表が、新テロ対策特別措置法の採決直前に退席したことで鳩山幹事長がテレビ番組で「国民にお詫びしなければならない」とコメントされています。

日本政府は日本国民ともっと対話をしていく時代にきているのかもしれません。

 

YouTubeで国民に情報発信

福田内閣で内閣支持率が最も低迷していた昨年1218日、自民党はYouTubeに公式チャンネル「LDP Channel」を開設しました。日本の政党がYouTubeに公式チャンネルを開設するのは初めてです。11日には福田総裁が新春の総裁メッセージの動画を投稿しています。日本語と英語のスピーチを投稿しており、現在は英語のスピーチほうが閲覧数が多く、海外からの関心の高さも伺えます。

 

セカンドライフで対話型環境を提供

16日、内閣府は、「防災とボランティアのつどい」の開催について~セカンドライフによる新たな取組~PDF921KB)を発表しました。本年度は中央省庁では初めての取り組みとなる新機軸を打ち出して開催するとし、その新機軸とは、

仮想社会「セカンドライフ」を活用し、
①時間と空間の壁を越えた参加機会の提供
②全員参加型の語り合える環境の創出

を目指すとしています。

 

日本政府の公式サイトは

昨年1225日、「厚生労働省「偽サイト」問題」でも紹介させていただきましたが、「厚生労働省」や「厚労省」のキーワードをグーグル等で検索すると、厚生労働省とは関係ない海外(台湾)の翻訳サイトが、最上位に表示される状態が1日以上も続くという現象が起きました。グーグル側に非があるとは言え、中央省庁の公式サイトよりも海外のサイトが上位に表示されるケースは我々国民にも驚きを与えました。

 
以前、「今こそ官公庁のWebサイトの価値をもっと高めるべきでは?」でもご紹介させていただきましたが、昨年9月に発表した日本ブランド戦略研究所の「Webサイト価値ランキング 2007」によると、1位はトヨタ自動車、2位は全日空そして3位はホンダと続いています。そして中央省庁は13業種ありますが、上位100位に顔を出しておらず、最高でも今回偽サイトで問題となった厚生労働省の197位が最高というのが現状です。

 

e-gov(電子政府)』から『Gov 2.0』へ

111CNETの記事「IT重視の政府は「Web 2.0」を受け入れへ--米調査」によると、IT重視の政府は、市民の参加者や市民の参加を進めるとともに、政府のコミュニケーションの効率化を促す手段として、2008年にWeb2.0のアプリケーションを採用し始め、『e-gov(電子政府)』は『Gov 2.0』に置き換えられるだろうとしています。


英国においてもオックスフォード大学において「Gov 2.0, or Truly Transformative Government」のセミナーを1月22日に開催し、英国政府のウェブサイトは改善しているものの、FacebookやiTunesのようにうまく離陸し軌道にのっていないとし、今後の
Gov 2.0のあり方を議論していくようです。

 

最後に

これまでコンシューマ(消費者)の世界から、Web2.0の動きが進展し、そして“コンシューマIT”や“産消逆転”と言われるように、コンシューマの技術が企業や産業にも大きな影響を与えるようになりました。そして今度は、コンシューマの力が政府にも押し寄せてきました。理想の姿は国民と政府が身近な場所で対話のできる環境があることです。そういった意味で2008年は『Gov 2.0』の動きが日本においても進むのではないか(進んでほしい)と考えています。


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