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そろそろブラジルが本気を出すようです

ブラジルのネット市場を中心に、ビジネス環境やそれをとりまく文化等、現地ブラジルから発信します

先週、ブラジル現地メディアに「ソーシャルメディアの活用が、次回の選挙で重要な役割を果たすだろう」といった主旨の記事が掲載されました。

というのも、ブラジルは今年が選挙イヤーであり(ブラジルでは、2年に1度の頻度で選挙があります)、10月に市長や市議会議員の選挙を控えています。


既にこのblogでも再三お伝えしてきたように、ブラジルは、
 ・世界2位のfacebookユーザーを誇る国である
 ・facebook上でのシェアやいいね!は万単位に到達するほど社会的影響力は強い
 ・日本では見受けられないようなSNSの活用法も多々存在する
という国です。

そんな「ソーシャルメディア先進国」とも呼べるブラジルにおける選挙となれば、冒頭のような「ソーシャルメディアの活用が、次回の選挙で重要な役割を果たすだろう」といった話が上がってくるのも納得ではないでしょうか。


その一方で、地球の反対側日本に目を向けてみると「ネット選挙運動」が未だに禁止されている状況。既にネット活用が可能なブラジルとは、社会のインターネットに対するスタンスの違いを感じさせられます。

とはいえ、そんな日本においても「来年の夏の衆議院総選挙でネットでの選挙運動を解禁にしよう!」という取り組みがいよいよ盛り上がってきているようです。それがこの「NoVoice → OneVoice」と題したOne voice Campaignです。

※注釈 このOne voice Campaignの取り組みの詳細については「ソーシャルメディアで政治が動くか?〜No VoiceからOne Voiceへ〜」などをご参照頂けたらと思いますが、基本スタンスとしては僕もこのキャンペーンに賛同しています。無論、それだけで日本の政治・選挙に対する課題が全て解決されるとは思ってはいないものの、やはり総合的に考えるとメリットが大きそうであるということと、何もしないよりはこういって何かを仕掛けていった方が少なくとも道は開けてくると思うからです。 そして何よりも「ブラジルでは“最重要ツール”とさえ考えられているネット選挙運動が、日本では禁止されている」というとろは、直感的に違和感を感じざるを得ませんし、そんな話をブラジル人にすると決まって「なぜダメなの?」と聞かれ、歴史的な経緯を伝えたところで「じゃあなぜ早くルールを変えないのか?」となり、スムーズに回答出来ていない自分がいるのも事実ですので。


この「ネット選挙運動」解禁に関するメリット/デメリット等の議論は他に譲るとして、実はこの「ネット選挙運動」に限らず、ここブラジルには日本と違う選挙制度や、日本より優れていると思える仕組みがいくつか見受けられますので、この「ネット選挙運動」の議論を視野に入れつつ、この機会にブラジルの選挙についてご紹介させて頂けたらと思います。


具体的には、例えば下記の3点のような「違い」が、ブラジルと日本の間に存在しています。

①義務投票制ゆえの「投票出来ない言い訳」をさせない仕組み
②世界最先端(!?)をゆく「電子投票システム」
③圧倒的に高い大統領の「支持率」

以下、順にご紹介させて頂きます。



■①義務投票制ゆえの「投票出来ない言い訳」をさせない仕組み

まず大前提の大きな違いとして、ブラジルは義務投票制を採用しており、投票しなければ罰則・罰金が科せられます。また国のトップである大統領は直接選挙によって選ばれます。

このブラジルの格差社会において、スラム街に住む貧困層から、ヘリコプターで通勤する富裕層まで、「全国民」に投票をさせるというのは至難の技。とはいえ、義務である以上、理由はどうあれ「投票出来ない」ことがあってはならず、投票率を上げるため(=「投票出来ない言い訳」をさせないため)の施策があちこちで打たれているように見受けられます。


例えば、投票所に行くまでの交通費を捻出できない貧困層のために、選挙当日は「バスが無料」になります。もはや大盤振る舞いですね。これで「お金がないから投票に行けない」という言い訳は通用しません。(一方で、選挙当日はスラム街から人々が街中に出て来るため、治安が悪化するという声もあるようですが…)

また違う例としては、投票の行為そのものが文字の読み書きが出来ない人たちのために「顔写真を選択する」方式になっています。詳しくは次の②でご紹介しますが「電子投票システム」を採用しており、投票機に「候補者の氏名」のみならず「顔写真」までを表示させることで、文字を書けない人はもちろん、文字を読めない人に対しても、誤ることなく投票してもらおうという配慮です。


投票率の低い日本もブラジル同様に義務投票制にすべきである、とまではもちろん言いませんが、こういったブラジル独自に配慮されたシステムを見ていると、
 ・仮に義務投票制にするとしたら、どんな配慮が必要になるのか?
 ・投票出来ない言い訳をさせないための打ち手には、どんなものがあるのか?
といった視点を持ち込む事で、日本も投票率を上げられるアイデアが出てくるかもしれないとも思いました。

特に投票に行かない理由が「誰に入れても変わらない」「知らないのに選べない」「面倒くさい」などの人には、打つべき手はまだまだあるような気がしますし、このあたりは「ネット選挙運動」によって改善出来る可能性もありそうな気はします。



■②世界最先端(!?)をゆく「電子投票システム」

ブラジルの投票は、日本のように「紙に書いて投票箱に投函する」というアナログなものではなく、「電子投票システム」を採用しています。

こちらがその投票システム(投票機)です。


▼ブラジルの電子投票システム(投票機)
Urna_eletronica
※出典:Wikipediaより


あくまでも「オンライン投票」ではなく、「投票所に行く必要はある」のですが、投票所にこの電子投票システムが準備されており、左側の画面に候補者の顔写真と氏名が出てきて、投票出来る仕組みです。前述の通り、これは字の読み書きが出来ない人でも投票出来るように、という配慮だそうです。


この電子投票システムが確立されているおかげで、日本の22.5倍という広大な国土にも関わらず、全国民が投票する大統領選挙でも、あっという間に選挙結果が出るんだとか。(聞いた話では3時間もかからないようです)

そしておそらく、日本のような紙ベースの手作業と違って、人為的ミスは少なく、また、労力が減ることで選挙にかかる人件費も少なく済んでいるのではないかと想定されます。更に一部では指紋認証まで導入され始めているようで、不正も起きづらい環境を作れているのではないかと思います。(無論、初期コストはかかるわけですが)

なおこのシステムは、1996年に開発されたそうで、今からもう16年も前の話なんですね。ブラジルという国は、たまに(!?)こういった突出した一面を持ち合わせており、そのポテンシャルを感じさせるというか、面白い国だなぁとつくづく感じさせられます。この規模感で古くからこのようなシステムを実用化させているとは、ひょっとして世界最先端をいっているのではないでしょうか?(ただ一方で開発のキッカケは、過去に起きた不正の影響だそうで、そんな経緯を考えると「ほらすごいでしょ?世界も見習った方がいいんじゃないですか?」とは、胸を張ってなかなか言いづらいですが…)


いずれにしても、開票時間・人件費コスト・ミス・不正を減らせる優れたシステムであり、日本も見習う事の出来る部分かと思います。(そして、この延長戦上に「オンライン投票」もあるのかもしれませんが、「ネット選挙運動」を飛び越えてそこまで一気にいくには、ややハードルが高すぎるので、その議論はここでは置いておきます)



■③圧倒的に高い大統領の「支持率」

ブラジルにはこういった日本と異なる制度や仕組みがあるわけですが、その結果として何が起きているかというと、下記のグラフをご覧ください。


▼ジウマ大統領の支持率推移
Aprovacao_dilma


現在のジルマ大統領の支持率推移です。

直近の値で支持が77%。ちなみに、このジルマ大統領に限らず、前任であるルラ前大統領も似たような値を示しており、退任直前には87%という値が出ていることもありました。

こう言ってはなんですが、不支持が過半数で支持率20%台という低空飛行をしている日本の内閣からすると、まさに雲の上の存在のような数値なのではないでしょうか。(約3倍!?)


なぜここまで高い支持率を叩き出せているのか?

理由は様々あるかと思います。

ここで敢えて性善説側に思考を振り切って考えたならば、
 ・候補者は当選後に齟齬が生じないよう、選挙期間中に自分の考えを伝え切れている
 ・全国民は選挙活動期間中に候補者の声を聞いた上で、納得いく候補者を選出できている
 ・政治家は当選後も、国民の意見を反映した政策を実現出来ている
と解釈する事も出来るのではないでしょうか。


もちろん「そんな表面的なきれいごとではなく構造的に大きな問題がある」だとか「プレゼンテーション的な施策がうまいだけ」だとか、その手の話があることは僕も知っていますし、僕自身そう思う面も少なからずあるのも事実です。

ただ、今その点について議論したいわけではなく、重要なのは、
 ・投票率が低く、支持率も低い日本(=意思表示をしないのに批判だけする日本)
 ・投票率が高く、支持率も高いブラジル(=意思表示をした上で支持までするブラジル)
この2カ国間にあるギャップを認識し、日本のそれらを改善すべくやれる限りの最大限の努力することではないか、そんな行為は価値があるのではないかと純粋に思うのです。


そう考えていくと、1つの打ち手として冒頭にご紹介した「ネット選挙運動」というのが果たせる役割も、少なからずあると思えますし、もしかすると大きいのではないかとも思います。

そしてそれによって「意思表示をしないのに批判だけする国」から「意思表示をした上で支持までする国」へと変わっていけたら、日本はもっともっと良くなるような気がします。



■海外から選挙に参加するためにも、ネット選挙運動は必要では!?

ここまでは、ブラジル国内の選挙の内容を紹介させて頂きましたが、そうは言っても僕は日本国籍であり、ブラジルの選挙権は持っていない一方で、ブラジルに住んでいようが今もなお日本の選挙権は所持しています。

そこで調べてみたのですが、在サンパウロ日本国総領事館によると「ブラジルに住んでいてもあなたの大切な一票が日本の国政に生かされます」とのことで、僕のようにブラジルに住んでいる人間も日本の選挙に参加できるようです。


しかしながら、「投票」は出来るものの、当然ながらブラジルに住んでいると、
 ・街頭演説を聴くことは出来ない
 ・TVの政見放送は見れない
 ・街中のポスターすら目にすることもない
という状況です。(わざわざNHKワールドを契約でもすれば話は別かもしれませんが…)

これは難しいですね。どのようにして候補者の声を聞き、政策を深く知り、比較をし、自分の意志を一票に込めて投票したら良いのでしょうか。選挙期間前に更新されたサイトを見る程度しかないのでしょうか。もしかすると海外在住歴のまだ浅い僕が知らないだけで、海外在住者のための情報入手方法があるのかもしれませんが、何かそういった特別な事をせずとも、シンプルに「ネットでリアルタイムに候補者の声を知れたらいいのにな」と素直に思います。


なお、外務省の発表によると2010/10/1現在でブラジルには5.8万人が、そして全世界には114万人の在留邦人がいるそうです。114万人というと政令指定都市1つ分くらいの規模感の人口でしょうか。仮にそれだけの規模の人たちが、情報不足や手間を理由に「投票しない・投票出来ない」状態であったとすると、やはり問題は深刻ですね。今後ますますグローバル化が進み、海外在留日本人が増えることが容易に想定されますが、そんなグローバル社会においても「ネット選挙運動」というのは重要な役割を果たしてくるのかもしれません。



■「ソーシャルメディアの活用が、重要な役割を果たす選挙」が間もなく始まる

さて、「ネット選挙運動」を切り口に、ブラジルに関する選挙をご紹介してきたわけですが、話は冒頭に戻って、今年10月に市長&市議会議員の選挙が実施されます。そして、それに向けた動きが7月頃から始まっていく模様です。

今回は2年前の2010年大統領選挙時に比べて、
 ・ネット普及率&SNS普及率が上がり、SNS経由でリーチ可能な有権者数が増えた
 ・SNSでの知見が蓄積し始めてきており、ブラジル独特の活用法も生まれ始めている
といった要因もあり、今までにない「そんなSNSの活用法があったのか!さすがブラジル人!いいね!」といえる好事例が、たくさん生まれるてくるのでは?と、個人的には期待しています。


きっと近い将来解禁になるであろう日本のネット選挙運動にとっても、参考になる事例がたくさん出てくるかもしれません。面白い取り組み等見つけたら、facebookやこちらのblog等を通じてご紹介させて頂こうと思いますが、ぜひみなさんも今年の「SNSを活用したブラジル選挙」にご注目ください。

こういった新しい時代が来る予兆は、なんだかわくわくしますね。

日本でもそんなわくわく感が生まれると良いなと、個人的には思います。


最後にもう一度改めて、日本の「ネット選挙運動」を支援したいと思われた方のために、リンクを記載しておきます。
▼One voice Campaign
http://onevoice-campaign.jp/


では。
Até mais!








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apertodemao

2012年5月3日、ブラジルのfacebookユーザー数が4,634万人となり、アメリカに次ぐ世界第2位になったと米Socialbakersが発表しました。

つい先日までブラジルは、インドやインドネシアより下の世界第4位に位置していました。しかし、昨今の急速な成長により(例えば直近一ヶ月間では215万人、率にして4.88%の増加)、インド・インドネシアを追い抜いて世界第2位になったようです。


▼facebookのユーザー数ランキング[単位:万人](※第1位のアメリカ1億5,723万人を除く)
Ranking_users
※Socialbakersのデータを基に砂塚作成


▼参考:3月時点でのランキング
Ranking_march
※出典:Socialbakers


なお、ブラジルの4,634万人というユーザー数は、日本のユーザー数861万人の約5.4倍に相当します。(日本との人口比は約1.5倍ですので、単純な人口の差によるものではないことは分かります。ネット普及率は日本よりも低いのにも関わらず、です。)

また、直近3ヶ月間の増加数のランキングでは、ブラジルが世界第1位となっています。3ヶ月間で843万人増加しており、他国に比べてダントツの増加数である事が伺えます。日本も184万人で世界第3位の増加数と健闘しているものの、その日本の増加数の4.6倍に相当します。


▼直近3ヶ月間の増加数ランキング[単位:万人]
Ranking_growth
※Socialbakersのデータを基に砂塚作成


これまでこのblogでも、ブラジル人のfacebookへの親和性の高さや活用法を交えつつ、その現状をお伝えしてきたので(未読の方は下記をご参照ください)、この結果にはもちろん納得ですし、1位の相手はfacebookお膝元のアメリカなので、なんだか実質的には「世界1位!」に近い、どこか爽快な気分です。

※facebook関連の過去記事

  • その発想はなかった!? ブラジル人のSNS活用術
  • 「シェア」の単位は万!ブラジルにおける驚異的なfacebookの拡散力
  • 塗り替えられたSNS勢力地図、ブラジルでもfacebookがNo.1に
  • ついに時代は検索からSNSへ?ブラジルでfacebookがgoogleを上回る


    なお、発表元であるSocialbakersもこちらの記事で「Congratulations To Brazil」と祝しています。そんなコメントの影響もあってか、きっとブラジル人も僕と同じ感覚なのでしょう、各メディアも「アメリカに次ぐ世界2位になった!」と一斉に報じていました。




    ■では、一体誰が使っているのか?

    アメリカに次ぐfacebookユーザー数、では一体誰が使っているのか?
    まずは年齢別で見てみると、18〜24歳という若年層が多いようです。これは肌感覚にも一致します。新しいもの好き、コミュニケーション好きな若年層を中心に、普及が進んでいるようです。


    ▼ブラジルのfacebookユーザー数の年齢別シェア
    Age
    ※Socialbakersのデータを基に砂塚作成


    参考までに日本のfacebookユーザーの年齢別シェアと比較してみると、日本よりも若干年齢層が若い事が分かります。ブラジルのピークが「18〜24歳」であるのに対して、日本のピークは「25〜34歳」です。また各年齢層ともに一回りブラジルの方が若年層の比率が多いようです。facebookの活用法の差などの特殊要因というよりは、高齢化社会の日本と、まだ三角形に近い人口ピラミッドを維持しているブラジルの差かもしれません。


    ▼日本のfacebookユーザー数の年齢別シェア
    Age_jp
    ※Socialbakersのデータを基に砂塚作成


    また男女比別で見ると「男:女=46:54」という事でほぼ半々、若干女性が多いという状況です。こちらも特に違和感はないかと思います。参考までに、日本を含む他国と比較してみると、ブラジルはアメリカの男女比に近い構造のようですね。

    一方で、これまで世界2位・3位であったインドやインドネシアは「過半数が男性」ということで、やや男性への偏りが大きく、一癖ありそうな印象があります。この2カ国にはあまり詳しくないものでその背景までは分かりませんが、これらの国に比べると「ビジネスでfacebookを活用する」のは、男女比の観点だけで見るとブラジルの方がやりやすそうですね。(もちろんそれ以外の観点も重要ですが)


    ▼代表国のfacebookユーザー数の男女別シェア
    Sex
    ※Socialbakersのデータを基に砂塚作成




    ■なぜ君は、Facebookユーザー数世界2位になったブラジルを目指さないのか?

    ここまでご覧頂いて、ブラジルのfacebookは、

  • ユーザー数がアメリカに次いで多いこと
  • ユーザー数は今もなお急速に増え続けていること
  • ユーザー分布に偏りはなさそうなこと(年齢・性別)
    はご理解頂けたかと思います。

    となると、個人的に気になるのは、
    「その割には、ブラジルに進出しているネット企業が少ない」
    という点。

    なぜなのでしょうか?大手では楽天のみ(GREEは参入発表済ですがまだサービス開始していない)ですよね。中小でもほとんど耳にしません。


    ちなみに先日、『なぜ君は、Facebookユーザー数世界トップのインドネシアを目指さないのか?』といったタイトルのイベントが、日本で開催されたと聞いています。個人的にはせっかくのこういうタイミングなので、この刺激的なタイトルに便乗して、声を大にして言いたいところです。

    『なぜ君は、Facebookユーザー数世界2位になったブラジルを目指さないのか?』と。


    お待ちしております。

    では。
    Até mais!






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  • apertodemao

    楽天やamazonといった大手ECプレイヤーが、まさに今から本格参入しようとしている「ブラジルのEC市場」について、あまりご存知ない方も多いのではないかと思い、一度このタイミングでまとめておきたいと思います。

    下記の内容について、順にお話させて頂きます。
    ・ブラジルのEC市場規模の推移
    ・大手EC関連サイト
    ・領域特化型ECサイト
    ・ブラジルEC市場の課題



    ■ブラジルのEC市場規模の推移

    まずは気になる市場規模から。
    直近2011年の市場規模はR$18.7billion(日本円にして約9,350億円)。対前年比26%UPという結果になっています。10年前からの推移を見ると、気持ちいい程の右肩上がりのカーブで上昇していることが分かります。


    ▼ブラジルのEC市場規模の推移(億円)
    Marketscale
    ※e-bit発表資料を基に砂塚作成(R$1=50円にて換算)


    なお、2012年の予測は25%UPのR$23.4million(≒約1兆1,700億円)となり、日本円で1兆円を超える規模に到達する模様です。(※e-bitより)
    そしてもちろん、市場規模に連動するようにECサイトで購入するユーザー数も右肩上がりで伸びています。


    ▼ブラジルのECユーザー数の推移(万人)
    User
    ※e-bit発表資料を基に砂塚作成


    直近2011年のユーザー数は3,190万人。ブラジルの全人口は1億9,325万人(※出典:JETRO)ですので、伸びているといえども、ECサイト利用率はまだわずか16.5%ということになり、まだまだ伸び代が残されていることが分かります。
    なお、IBOPE Nielsenによると今年1月時点でのネットユーザー数は7850万人という発表もあるので、ネットユーザーに占めるECサイト利用率は40.6%となりますね。




    ■大手EC関連サイト

    では、具体的にはどんなサイトが存在しているのか、大手サイトをいくつかご紹介させて頂きます。


    ①mercadoLivre(メルカード・リブリ)

    まずこちらはEC関連サイトでアクセス数TOPのオークションサイト「mercadoLivre(メルカード・リブリ)」です。日本で言うところの「ヤフオク」ですね。


    ▼mercadoLivre(メルカード・リブリ)
    Mercadolivre
    http://www.mercadolivre.com.br/


    本社はアルゼンチンで、設立は1999年。ブラジルのサイトもアルゼンチン同様に1999年からサービスが開始されていたようです。その後、2001年に米ebayが約20%の株式を買収する形でebay傘下に。ラテンアメリカ地域を中心に、現在13カ国に展開しています(アルゼンチン・ブラジル・コロンビア・コスタリカ・チリ・ドミニカ共和国・エクアドル・メキシコ・パナマ・ペルー・ポルトガル・ウルグアイ・ベネズエラ)。

    2011年の第4四半期(10〜12月)の取引数は1,590万件、取引総額はUS$1.45billion(前年比46.7%増)、売上はUS$86.5million(前年比38.8%増)、ユーザー数は6,580万人とのこと。(いずれもラテンアメリカ計の値)

    なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、全サイト中第12位で、EC関連サイトでは最上位。Wikipediaよりも上位に位置するとてもメジャーな存在です。



    ②BuscaPé(ブスカペ)

    続いてこちらはアクセス数第2位の価格比較サイト「BuscaPé(ブスカペ)」です。日本で言うところの「価格.com」ですね。


    ▼BuscaPé(ブスカペ)
    Buscape
    http://www.buscape.com.br/


    本社はブラジルで、設立はmercadoLivreと同様1999年。2009年9月に南アフリカNaspersが株式の91%をUS$342millionで買収。あくまでもこの価格比較サイトを中心に据えているものの、それ以外にもtoB向けのビジネスや、EC市場の調査研究機関や、領域特化型の比較サイトなども含め、幅広いサービスを展開しています。2011年の売上は推定R$205million(≒約103億円)とのこと。(※出典:Exame PME)


    ▼推定売上推移
    Salesbuscape
    ※Exame PME掲載情報を基に砂塚作成(R$1=50円にて換算、空白年次は不明)


    なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、全サイト中第35位。



    ③B2W(Americanas.comおよびsubmarinoなど)

    続いて2つのサイトを同時にご紹介します。
    前述のオークションサイト、価格比較サイトとはプラットフォーム型でしたが、それらとは異なり自社で商品を販売しているECサイト「Americanas.com(アメリカーナス.com)」と「submarino(スブマリーノ)」です。扱っている商材は、電子機器、家電、調理器具、家具、ゲーム、書籍、DVD、美容健康、スポーツ、おもちゃ…など多岐にわたっています。


    ▼Americanas.com(アメリカーナス.com)
    Americanas
    http://www.americanas.com.br/


    ▼submarino(スブマリーノ)
    Submarino
    http://www.submarino.com.br/


    なお、これらの2つのサイトは共に「B2W」という企業が運営しています。

    ▼B2W(ベー・ドイス・ダブリュ)
    B2w
    http://www.b2winc.com/


    このB2Wは、上記2つのサイト以外にも、旅行サイトやチケットサイトなど複数のECサイトを展開しており、ECを運営する企業としてはブラジル最大手です。2011年の連結売上はR$4,232million(≒約2,116億円)とのこと。(※出典:B2W社IR資料より)

    しかし、最大手である一方で、実はこの会社は問題も多く、つい先日(2012年3月)も消費者保護センターから72時間の営業停止処分が下されていました。このB2Wが悪いのか、物流業者が悪いのか、厳密には分かりませんが、「商品が届かない」や「商品が壊れていた」といった苦情が非常に多い模様です。消費者保護センターに限らず、以前にこちらの記事でご紹介した「クレームを介した企業と消費者のCRMプラットフォーム」的なサイト上でも、常にワーストランキングを争っているような状況です。

    なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、Americanas.comは全サイト中第38位、submarinoは第47位です。




    以上ここまで、大手EC関連4サイトをご紹介させて頂きましたが、Alexaでこれら4サイトの推移を見てみると下記のようになっています。


    ▼大手EC関連サイトの推移
    Alexa
    ※出典:Alexa


    これを見ると、少々違和感を感じられるかもしれません。トップのオークションサイトmercadoLivreは確かに伸びているものの、他の3サイトはほぼステイ。「ブラジルのEC市場全体は右肩上がりに伸びている」にも関わらず、です。

    おそらく構造としては、新規参入のECサイトが増え、彼らが市場を牽引しているということだと思われます。特に、領域特化型のサイトなど、消費者のかゆい所に手が届くような様々なサイトが登場してきている印象があり、ユーザーは分散しつつも、市場全体としては伸びているものと想定されます。(一方、マス対マスのマッチングであるオークションサイトは、ネットユーザーの上昇に伴い最大手mercadoLivreが独走状態で突っ走っているのではないかと想定されます。)
    ECに限らずネットサービス全般に言えることかとは思いますが、「ブラジル発の新しいサイト」も数多く誕生し、かつ「国外サイトのブラジル進出」も相次いでおり、有象無象に混沌としている状況です。競争環境は日に日に激化してきている印象があります。




    ■領域特化型ECサイト

    そんな競争の激しいEC市場において、領域特化型で急成長中のサイトを2サイト程、簡単にご紹介させて頂きます。



    ④dafiti(ダフィチ)

    まずはdafiti(ダフィチ)です。「Zapposのブラジル版」と言うとイメージはわきやすいでしょうか。靴のECサイトで、送料は無料、30日以内であれば交換可能といったサービスを提供し、急成長中のサイトです。


    ▼dafiti(ダフィチ)
    Dafiti
    http://www.dafiti.com.br/


    設立は2010年10月、ドイツ人2人とフランス人とブラジル人の4人(全員20代後半)で始めたようですが、その約1年後の2011年末には既に、月間UU数は360万UU、取扱商品は2万5000点、従業員として700人を雇用し、売上はR$400million(≒200億円)に到達しているものと推測されています。(※出典:EXAME)

    なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、全サイト中第67位ですが、急激な勢いで上昇しています。


    ▼Alexaによるdafitiのアクセス数
    Alexadafiti
    ※出典:Alexa



    ⑤Netshoes(ネットシューズ)

    続いてこちらはNetshoes(ネットシューズ)です。名前からして「ネットの靴屋」のようですが、靴に限らずスポーツグッズ全般を扱っており「ネットのスポーツ用品店」というイメージのサイトです。


    ▼Netshoes(ネットシューズ)
    Netshoes
    http://www.netshoes.com.br/


    実はこのNetshoes、今を輝くサッカーブラジル代表ネイマールが所属するサントスのスポンサーでもあり、ユニホームの両袖にはしっかりとロゴが入っています。サッカー好きな方はそんなルートでロゴを目にされたことがあるかもしれません。(とはいえ残念ながら、昨年のクラブW杯の来日の際は、権利絡みのためか、スポンサーロゴは外されたユニホームだったので、ブラジル国内リーグの試合を見ている方でないとご存知ないかもしれませんが…)

    このNetshoesはDafiti程に最近できた新しい会社というわけではなく、設立は2000年で、大きくなり始めたのは2007年頃からとのこと。2011年の売上はR$600million(≒約300億円)で前年比50%増、月間UU数は580万UU、1300人の従業員を雇用しています。そして今年2012年の売上はR$1billion(≒約500億円)と昨年比67%UPの予測。
    またブラジルでの成長もさることながら、既にアルゼンチンとメキシコにも進出し、ラテンアメリカ地域の国外展開も積極的に進めています。

    なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、全サイト中第68位です。




    ■ブラジルEC市場の課題

    ここまで、急激に伸びているブラジルのEC市場をご紹介してきましたが、もちろん一方では課題も多く存在しています。B2Wが営業停止命令を受けたなどという話もありましたが、僕が個人的に感じている課題は大きく3つです。

    ①物流
    ②信頼性の担保
    ③税金・物価

    まずは「①物流」です。
    なんと言ってもブラジルは、物流の問題が最大のネックであるように思います。「近隣エリアでの物流」については、日本以上に発達している印象も受ける国なのですが(レストランの宅配、クリーニングの宅配、ネットスーパーの宅配など、日本に負けず劣らずモトボーイと呼ばれるバイク便が、あちこち走り回っている)、一方で「広域エリア(市外・州外)の物流」となると、荷物が遅れる、荷物が届かない、商品が壊れていた…など、様々なトラブルが発生しているようです。
    また、日本の約22.5倍の面積を誇る国ですから、配送にかかる時間・コストも無視できません。そして後ほど③でも触れますが、州をまたぐ関税の問題も絡んできます。このあたり、日本の大手物流会社が参入して、キレイすっきり解決してくれれば良いなと、よく日本人同士では話したりもしますが、なかなか重たい課題ですね。今の所、僕はコレと言った解決法は見えていません。

    続いて「②信頼性の担保」です。
    これは、かつての日本も「ネットは怖い」という人が多かったことを考えると、時間が解決してくれるのかもしれません。ただ、それをのんきに待っているわけにもいかないでしょうから、以前にこちらの記事でもご紹介したような第3者機関的役割を担う企業が、適切な信頼性評価をくだし、消費者に対して信頼性の保証をしていく、というのは、引き続き重要な機能になるように思います。
    そうでないとすると、消費者の誰もが「あそこは信頼できるはず」と思える最大手の1〜2社に、業界が独占or寡占されてしまうのでしょうか。せっかくオープンでフラットなECの世界ですから、小さい会社・お店にもチャンスが拡がって欲しいところです。
    いずれにせよ、まだまだ不信感の強いネットEC市場に参入する企業にとっては、上記の物流トラブルを始め、決済トラブルや、顧客対応面など、信頼性をいかに培っていくか、極めて重要なテーマになるかと思います。

    最後に「③物価・関税」です。
    ブラジルにはICMS(商品流通サービス税)と呼ばれる州税があります。州税なので州毎に対象物品も税率も異なります。このICMSに関して今更ながら「ICMSを徴収するのは、商品の発送側の州か、受取側の州か」という話が出ているようです。リアル店舗であれば「店舗の所在地」で済むのでしょうが、ネット販売となると、確かにややこしいですね。
    そして残念なことに、どうやら発送側の州と受取側の州でICMSを2分するという方向に話は進んでいる模様です。繰り返しますが「州毎に対象物品も税率も異なる税金」です。いちいち発注のあった1つ1つの商品毎に、発送州と受取州を確認して、それ毎に2分して、それぞれの州に納める・・・などという作業を、今後ECでの販売者はやらねばならないということですしょうか。大手ならまだしも、マーケットプレイスに出品している小規模販売者にとっては厄介な問題ですね。同時に購入者側も「どの州の出品者から買うか」によって値段も変わってきてしまう、と。
    運用の手間が増え、コスト上昇を招き、EC市場の発展を阻害しかねない気もしますが、本当にやるのでしょうか。今後の動向に注目です。

    まだまだ細かい課題はあるのかもしれませんが、個人的には主にこの3点が気になっています。逆に言えば、このあたりをうまく切り抜けられる手段さえ見つけられれば、一気に差別化も図れ、勝ち組を突っ走れる可能性もある市場かもしれません。


    なお、最後に参考までに、AlexaのブラジルランキングTOP100のうち、ECに関連するサイトのみを拾い上げてみました。


    ▼AlexaのTOP100のうちECに関連するサイト(2012/4/23現在)

    Alexa順位サイト名URL分類
    12MercadoLivremercadolivre.com.brオークション
    35BuscaPébuscape.com.br価格比較
    38Americanas.comamericanas.com.brEC(全般)
    45Amazon.comamazon.comEC(アメリカ)
    47Submarinosubmarino.com.brEC(全般)
    51groupongroupon.com.br共同購入
    52peixeurbanopeixeurbano.com.br共同購入
    67dafitidafiti.com.brEC(靴)
    68netshoesnetshoes.com.brEC(スポーツ)
    73pagseguropagseguro.uol.com.br決済
    74ebay.comebay.comEC(アメリカ)
    84PayPalpaypal.com決済
    85Livraria Saraivalivrariasaraiva.com.brEC(書籍)
    88Magazine Luizamagazineluiza.com.brEC(家電)
    96Ponto Friopontofrio.com.brEC(家電)
    98walmartwalmart.com.brEC(全般)


    注目すべきは、なんと4番目(Alexa45位)に米amazon.comが、そして11番目(Alexa74位)に米ebay.comが入っていることです。ブラジル政府が上記のような税金等で面倒なことをしていると、そもそも物価は高い国ですから、消費者はこのように国外ECサイトに逃げてしまい、国内市場を食われてしまう可能性があるように思います。(とはいえ、それはそれでブラジル政府は、国外でのカード決済に対して税金をかけ、対応済みなわけですが…)



    ■おわりに

    いかがでしたでしょうか。
    課題はまだまだ多いブラジルのEC市場。しかしそうは言ってもネット普及率の上昇にも伴って、まだまだ伸びると予想されている成長市場です。実際に、世界の大手サイトの参入や、国内異業種の参入のニュースを頻繁に目にします。

    そして、世界の大手サイトの1つとして楽天ブラジル(ポルトガル語の発音では「ハクテンブラジル」)が、昨年11月のプレオープンから約5ヶ月、いよいよブラジル現地時間の4/23(火)グランドオープンを迎えるようです。同じBRICSの中国からは撤退するという寂しいニュースもありましたが、ぜひここブラジルでは、きっと苦労も多いかとは思いますが、日本と同じくらいに、いや日本以上に、生活に密着したプラットフォームになって頂きたいと、一人の日本人として思います。今後の動向に期待ですね。


    では。
    Até mais!


    ▼楽天ブラジル
    Rakuten
    http://www.rakuten.com.br/








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    apertodemao

    ブラジルにおいてSNSのfacebookが検索サイトのgoogleの訪問数を上回ったとExperian Hitwiseが発表しました。

    この発表によると「先週末(4/14・15)のfacebookの訪問数シェアがgoogleを上回った」とのことで、具体的な数値は、facebookの訪問数シェアが14日(土)が10.86%、15日(日)が10.98%であったのに対して、googleは14日(土)が10.85%、15日(日)が10.55%と、それぞれ0.01ポイント差、0.43ポイント差とわずかではあるものの、確かに上回っている事が分かります。

    facebookとgoogleの訪問者数比較(ブラジル)
    サイト名 4/14(土) 4/15(日)
    facebook 10.86% 10.98%
    google Brasil 10.85% 10.55%
    差分 0.01ポイント 0.43ポイント
    ※出典:Serasa Experian


    今年2月にこちらの記事で「ブラジルでfacebookがorkut(googleのSNS)を上回った」というSNS対決の話もさせて頂きましたが、今回はorkutではなくgoogleの検索本体を上回ったとのことです。
    ※補足
    ブラジルにおける検索サイトのシェアはgoogleが圧倒的であり、他の検索サイト(Yahoo!やBing等)のシェアは低い状況です(その具体的な数値等はまた別の機会にでもご紹介させて頂きます)


    また、時系列の推移を見るとこの逆転劇もうなずけます。下記は直近半年間の推移ですが、明らかにfacebookが急激に追い上げてきておりこの半年間で約2倍のシェア近くに至っている一方で、google Brasilはジリジリと低下してきていることが分かります。


    ▼直近半年間の推移
    Facebook_google_brasil
    ※出典:Serasa Experian


    このグラフよく見ると、少々前にもfacebookがgoogleを抜いている日があるようですが、具体的な数値も公開されていました。

    初めてfacebookがgoogleを追い抜いたのは4/1(日)であったようです。googleの10.42%に対してfacebookが10.52%で、その差0.10ポイント。その後4/6(祝)と4/8(日)にも、facebookが10.80%、11.16%となり、瞬間的に追い抜いていたようです。


    これらと前述の2日間と併せた計5日間を並べて見てみると、4/1(日)・4/6(祝)・4/8(日)・4/14(土)・4/15(日)とのことで、どうやらfacebookは休日に強いようですね。平日は仕事の都合で「検索」をするものの、週末はプライベートで「SNS」を利用する、ということでしょうか。

    とはいえ、平日・休日問わずにfacebookがgoogleを完全に追い抜く日も、グラフを見る限りでは近そうですね。


    以前より「時代は検索からSNSへ…」などという話も耳にした事はありましたが、その世界観がいよいよ、ここブラジルでは現実のものになろうとしつつある模様です。少なくとも訪問数においては。
    そして、実際に検索の時代からSNS時代になった際には、人々の行動様式・思考様式はどのように変わっていくのでしょうか。SNS好きのブラジル人達が、ある種の「SNS先進国」となって、何か新しい世界観を見せてくれるかもしれませんね。
    ブラジルのfacebook動向に注目です。

    そして日本も今後、ブラジルと同じような道を歩むのでしょうか?
    気になるところです。


    では。
    Até mais!








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    apertodemao

    FacebookによるInstagramの買収劇。
    日本でも早朝から話題になっていたようですが、ここブラジルでも非常に大きな話題になっています。

    なぜか?

    それは、Instagramの2人の創業者のうちの1人は、何を隠そう「ブラジル人」だからです。



    ■ブラジル人創業者のプロフィール

    Mike Krieger、24歳、ブラジル人。名前はアメリカ人のような名前であるものの、サンパウロ産まれのサンパウロ育ち。6歳からコードで「遊び」始めて、18歳の時に勉強のためにアメリカに渡る道を選ぶ。その後、カリフォルニアでスタンフォード大学に通い、昨年2011年にサンフランシスコに引っ越し、今もサンフランシスコ在住。スタンフォード時代にもう一人の創業者であるKevin Systromと知り合い、Instagramを立ち上げるに至ったそうです。

    これまでInstagramの株式の10%を所有していたそうで、facebookの買収金額10億US$の10%=1億US$(≒80億円)を手にすると報道されています。




    ■ブラジルでの報道状況

    ブラジル現地の報道を見ていると、もちろん「facebookがInstagramを10億US$で買収した!」というfacebook主語の記事もさることながら、
    「ブラジル人がfacebookにInstagramを売却することで1億US$を入手した!」
    「Instagramに続くブラジル人起業家は誰だ?」
    といった記事が、数多く出回っているのが印象的です。

    いわゆる「ミリオネア」として、一躍スター扱いの雰囲気ですね。

    以前に「世界で最も起業家が多い国」という調査結果が出ていたこともありますが、ブラジルは起業家が多い国。そして(これはやや蛇足になりますが)「宝くじ」が大人気な国でもあります。

    そんなお国柄を考えると、今回のこの一件によって、「よし!俺も一発当ててやろう!」と思っているブラジル人は多いのではないかと、容易に想像されます。

    これは、今後のブラジル人起業家に、注目かもしれませんね。
    今回のInstagramのように、ブラジル人が外国人と組んで国外で起業、という事も多いにあり得ますし、ブラジル国内にとどまらず、ブラジル人を含むスタートアップ企業に注目しておくと、面白いかもしれません。




    ■ブラジル市場におけるInstagram

    参考までに、ブラジル市場におけるInstagramの状況ですが、とても人気がある様子です。画像や動画といったビジュアルが好きな風土もあるためかもしれません。

    例えば、Appleのランキングを見てみると、無料アプリランキングで現在第6位。ちなみに日本のランキングでは第37位でした。国内での相対評価なので、一概に比較は出来ないものの、とはいえ注目度が高いのは伺えるのではないかと思います。


    ▼無料アプリランキング
    Instagram_ranking




    ■終わりに

    もしかしたら「え?ブラジル人もそんな事できたの?」と意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。逆に「あ、そう。ふ〜ん…」で終わってしまった方もいらっしゃるかもしれません。

    ただ、ブラジルに関わっている僕としては、「世界を席巻しているサービスにブラジル人が関わっている」ということを、こういう機会だからこそ、声を大にして発信させて頂きたいなと思い、書かせて頂きました。

    仮に日本人のとある会社が、facebookに800億円で買収されたら、それは日本でもかなり大きなニュースになりますよね、きっと。それに相当することをブラジル人がやってのけたということで、個人的にはどこか誇らしく思います。が、とはいえ僕も一人の日本人。我々も負けずに頑張りたいものですね。

    では。
    Até mais!

    ※参考記事(ただし全てポルトガル語です)
    http://exame.abril.com.br/pme/noticias/quem-e-o-brasileiro-por-tras-do-instagram
    http://tecnologia.terra.com.br/noticias/0,,OI5709623-EI15608,00-Brasileiro+leva+US+mi+com+venda+do+Instagram+para+Facebook.html
    http://g1.globo.com/tecnologia/noticia/2012/04/aos-24-brasileiro-ajudou-fundar-o-instagram-comprado-pelo-facebook.html
    http://noticias.r7.com/economia/noticias/brasileiro-leva-r-182-milhoes-com-venda-do-instagram-20120409.html








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    apertodemao

    日本時間の3/8(木)未明、新iPadが発表になりました。

    僕は日本から時差12時間のブラジルで、この発表内容を知ったわけですが、
    この新iPad、ブラジルでも、そしてブラジル市場を視野に入れている日本企業にも、
    非常に大きな影響を与えるかもしれません。

    なぜか?

    それは、ブラジルに潜んでいる巨大なポテンシャルが開花する可能性があるからです。




    ■ブラジルのApple製品は世界一高額

    まずはこちらをご覧ください。
    新iPadの発表のあった当日3/7(水)付け(※現地時間)の、ブラジル最大手週刊誌の表紙です。

    ▼店頭に並ぶブラジル最大手週刊誌Vejaの3/7(水)号
    Veja


    記載されている特集タイトルは「なぜブラジルのiPhoneは世界一高額なのか」とあり、
    この表紙のイラストの中に、
    ・ブラジル:US$ 1,650
    ・アメリカ:US$ 815
    という具体的金額も示されていますが、なんとブラジルのiPhoneは、アメリカの2倍強の値段です。

    アメリカ以外の国はどうなっているのかというと、
    このVeja誌の記事の中で示されていたのは、下記7カ国のランキングでしたが、
    ブラジルがダントツで一番でした。

    ▼iPhone4S(32GB SIMフリー)の価格①
    Iphoneranking1


    またソースは異なりますが、iPhone4Sが発売になった昨年末には、
    下記のようなランキングも発表されていました。

    ▼iPhone4S(16GB SIMフリー)の価格②
    Iphoneranking2


    いずれもブラジルが頭ひとつ飛び抜けて、最も高額な国となっています。

    この状況は「iPhone4S」に限った話ではなく、
    歴代のiPhoneシリーズもiPadも、さらに他のApple製品も同様のようです。
    (出典:terra「ブラジルのAppleストアは世界一高額」※ポルトガル語)




    ■なぜブラジルはそんなに高いのか

    ブラジルが世界一高額であると聞いて、違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

    一方で、ブラジルは物価の高い国であるとご存知の方には、
    確かにブラジルは高いよね、と思われるかもしれませんし、
    さらに「どうせ税金でしょ?」と考えられているかもしれません。

    このあたり、実際のところ、どうなのでしょうか。

    ここで、冒頭の「なぜブラジルのiPhoneは世界一高額なのか」という問いを
    投げかけていたVeja誌には何が書かれていたかというと、
    下記の7つの要因が挙げられていました。

    1. 為替レートの影響
    2. ニーズに対する供給量の少なさ
    3. 高額な税金
    4. 高いインフレ率
    5. 弱い競争環境
    6. 少ないスケールメリット
    7. 低い労働生産性

    ご覧の通り「ズバリこれだ!」と断言するわけではなく、
    「色んな要素が絡んでいるよね」といった形でどこか濁されていました。

    そして面白いことに、それに対して違和感があったのか、Gizmodoのブラジル版がこの記事を取り上げて
    「なぜ誰もこの質問に答える事が出来ないのか?」といった、記事も取り上げていました。
    (参考:Gizmodoブラジル「なぜ誰もこの質問に答える事が出来ないのか?」※ポルトガル語)

    これらの記事と同様、僕も一概に「これ」というものを挙げるのは難しい気もしますが、
    とはいえ、個人的に思うのは、やはり「高額な税金」の影響が極めて大きいように思います。




    ■ブラジルの税金は高い

    ご存知ない方のためにも、ブラジルの税制について簡単に触れておきますと、
    ブラジルには、GDP比で37.37%を占めるとも言われている高額な税制が存在します。
    その種類は56種類に及び、かつ日々変化しているため、複雑極まりないものになっています。

    一例としてご紹介させて頂くと下記のようなものになります。

    連邦税 所得税 IR 実質所得への課税、税率15%、27.5%
    法人税 IRPJ 課税対象利益が月額2万レアル以下は15%、以上は25%
    工業製品税 IPI 輸入工業品の通関、製造施設からの製品拠出に課税
    輸入税 II メルコスールの対外共通関税(TEC)
    輸出税 IE ある商品の国内供給不足が起きた時に課税
    農地所有税 ITR 市街地外の不動産に課税
    金融取引税 IOF 金融機関・保健会社による信用取引、為替取引にも課税
    州税 商品流通サービス税 ICMS 付加価値税の一種、サンパウロ州では18~25%
    自動車保有税 IPVA  
    市税 都市不動産所有税 IPTU  
    生存者間不動産譲与税 ITBI  
    サービス税 ISS 薬務提供を行なう邦人・個人の受け取り価値に課税
    社会負担金 社会保険融資負担 COFINS 前サービス・商品の相売上げ対象に3%か7.6%課税
    社会統合計画 PIS 1.65%
    公務員厚生年金 PASEP  
    暫定金融取引税 CPMF 現金・小切手振出に一定割合で課税
    社会寄付金 CSLL 国内に住所のアル法人に負担義務、税率9%
    その他 社会福祉負担金 INSS  
    金属年数補償基金 FGTS  
    ※出典:ブラジル日本商工会議所


    確かにこれだけ多くの税金があれば、積み上がって高額になってしまうのもうなずける気がします。

    また、前述のGizmodoブラジルでは、
    「iPhoneの販売価格に対して税金が占める割合」を算出していましたが、
    なんと合計46.76%にまで至るそうです。

    つまりiPhoneの「約半分は税金」という事になりますね。


    ▼iPhoneの販売価格に対して税金が占める割合
    Iphonezeikin




    ■しかし、ブラジル人の消費意欲は強い

    そんなに高額なのであれば、新興国であるブラジル人には手が出ないのではないか?
    と思われる方も多いかと思います。

    確かにそういった層も多く「欲しいけど買えない」人達が多いのも事実ではあります。

    しかし、昨今よく聞かれる話は「国外に“買い物旅行”に出かける」というものです。
    ある種「ブーム」とも呼べそうな雰囲気すらあります。

    例えば下記はブラジル人が国外で消費した金額の推移です。
    2003年以降急激な勢いで伸びていることが分かります。


    ▼ブラジル人が国外で消費した金額推移
    Kokugaishouhi


    なお、目的地はアメリカが多く、マイアミ、ニューヨーク、シカゴ…などが人気のようです。
    よく「ブラジル経済は内需が支えている」とも言われますが、
    どうやら国内外を問わずにブラジル人の消費意欲はとどまるところを知らないようですね。

    そういえば日本では、秋葉原などで買い物旅行に来た中国人を見かける事も多々ありましたが、
    似たような状況かもしれません。
    ただ少し違う点があるとしたら、「日本⇔中国」の距離と「ブラジル⇔アメリカ」の距離は倍以上あり、
    かかる費用も、そして労力も、おそらく倍以上かとは思いますが、
    多くのブラジル人がアメリカに渡って買い物をしている、という点でしょうか。


    また、この経済効果が大きかった影響からか、アメリカ側も観光振興策として、
    ビザの発給をスムーズ化するなどの手が打たれているようです。
    (※参考記事:「米大統領が観光振興策=中国、ブラジル狙いに」)




    ■大幅な減税によって迎えるマーケットの転換点

    実はそんな中、さすがのブラジル政府もこの状況をよろしくないと思ったのでしょう。
    今年の1月にiPadを含むブラジル国内で生産されたタブレット端末への大幅な減税を発表しました。
    (参考記事:techmundo「政府が国産のiPadに対する減税を発表」※ポルトガル語)

    上記の参考記事によると、この政策によって「30%程度販売価格が下がる見込み」とのことです。

    こうなってくると、話は大きく変わってきます。

    今日発表になった新iPad、アメリカではUS$499とのことでしたが、
    ブラジルでの販売価格は一体いくらになるのでしょうか?

    これはひょっとしたらひょっとするかもしれません。


    というのも、このような状況であったために、
    今までは欲しくてもなかなか手の出なかった中間層が大勢います。
    今回端末価格が大幅に下がる事があるならば、それによって新たに生まれる市場には、
    大きなポテンシャルを秘めていそうな気がします。
    これまでが高額だった分、Appleの「ブランディング」は十二分に出来ていますし。


    なお、3月16日発売の国リストにブラジルは入っていなかったようで、
    このあたりの状況が判明するのはしばらく先になりそうですが、
    新iPadの発売タイミングが、大きな転換点になるかもしれませんね。


    多くのブラジル企業たちも、その辺りを見越して虎視眈々と準備しているようですが、
    ブラジル市場を視野に入れている日本企業の方々にとっても、非常に面白いタイミングかもしれません。

    個人的にはこの新iPadと次回のiPhone5によって、
    ブラジルのネット市場が大きく動くような気がしています。
    楽しみですね。


    では。
    Até mais!









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    apertodemao

    先日、ブラジルでfacebookがNo.1のSNSになった事をお伝えさせて頂きました。
     ※参考:塗り替えられたSNS勢力地図、ブラジルでもfacebookがNo.1に
     http://blogs.itmedia.co.jp/brazil/2012/02/post-3bb8.html

    一昔前まであれだけ圧倒的だったorkutが、ついにNo.1 SNSの座を明け渡した形になるわけですが、
    facebookはブラジルにおいて、一体どれくらい利用されているのか?本当に使われているのか?

    そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますので、
    今回は「ブラジルにおけるfacebookのいま」を、その驚異的な拡散力を中心に、
    いくつかの具体的事例を通しながらご紹介させて頂きたいと思います。



    ■コリンチャンスの投稿に対するアクティビティ

    なにはともあれ、まずはこちらをご覧下さい。
    人気サッカークラブ「コリンチャンス」のfacebookページの投稿です。



    Corinthians


    こう言ってはナンですが、
    高々この1枚の画像(プラス「おはよう」程度のコメント)に対して、
    ・いいね!:31,757件
    ・コメント:2,933件
    ・シェア:19,248件
    です。

    いかがでしょうか?
    どう感じられますでしょうか?


    少なくとも僕はそれまでに「いいね!3万件」、「シェア2万件」というような、
    日本の投稿を見た事はなかったもので、この手の数値を初めて見たときは、
    正直驚きました。「えっ?」と声をあげてしまったくらいです。


    そうです。

    ブラジルにおけるfacebookは、
    投稿に対する「アクティビティの数」の単位が「万」なのです。

    圧巻です…




    ■企業ページの投稿に対するアクティビティ

    「いやいや、スゴいって言っても、どうせサッカー関係だからでしょ?」
    という声も聞こえてきそうですが、決してそういうわけではなさそうです。

    例えば、大手飲料メーカーのこちらの投稿を見てみましょう。



    Guarana


    ・いいね!:20,367件
    ・コメント:8,886件
    ・シェア:12,018件

    やはり同じく単位は「万」で、
    「いいね!2万件」、「コメント1万件」、「シェア1万件」という規模感です。


    これまた、圧巻です…


    改めて補足ですが、FBページの「いいね!の数(=ファンの数)」ではなくて、
    あくまでも、各投稿への「いいね!」の数や「シェア」の数の単位が万なのです。

    日本国内にもいくつか「facebookをうまく活用している事例」はあるかと思いますが、
    おそらくそれの規模感は、各投稿に対して、
    ・いいね!:数百件(たまに数千件規模)
    ・シェア:数十件(たまに数百件規模)
    といったものが、ほとんどではないでしょうか…




    ■ネタ系facebookページのアクティビティ推移

    更におまけで、別の領域の事例を1つ。
    少し前から結構流行っている「ネタ系」のfacebookページです。



    Piadasfail


    ※ここは日々、画像を中心とした「おもしろネタ」を投稿しており、
     これはこれで日本ではあまり見かけないような面白いページなので、
     またいずれのタイミングで内容をご紹介出来たらとは思います。
     (このFBページ以外にも似たようなFBページがブラジルにはたくさんあります)


    こちらもやはり数千〜万単位でのアクティビティがコンスタントに確認できます。
    試しに、各投稿への反響の状況を、推移を見るべくグラフにしてみました。



    Piadasfail_2

      ※既に各アクティビティが収束しているであろう2週間程前の
       2日間の投稿に対して行われたアクティビティをカウントしました。(2/29時点)


    このページは「いいね!」よりも「シェア」が多いようですが、
    この調査対象とした2日間で「シェア1万件越え」が10回もあり、かつ、
    グラフを見て頂くと分かるように、コンスタントに5000件を超えているような状況です。


    いやはや、またしても圧巻です…




    ■驚異的な拡散力

    ここまで見て頂いてお分かりの通り、ブラジル人の拡散力は驚異的です。
    「いいね!」もさることながら、「シェア」の単位がなんと「万」!

    計算するまでもないとは思いますが、
    仮に、各ユーザーに数百人ずつの友達がいたとすると、
    単純計算で数百万人に情報が到達している事になるかと思います。

    そして、そのシェアされた投稿に対しても、
    いいね!やコメントがついて、さらに伝播しているので、
    結果的には、ほぼ全てのブラジル人ユーザーに到達しているのでは?
    とも思えてくるほどです。
    (ブラジルのfacebookユーザー数は約3,600万人 ※2011/12 comScore)

    もちろん、全てが全て、この規模で拡散されているわけではありませんが、
    ツボを押さえて発信する事ができれば、これだけの威力になるという事ですね。



    ■なぜここまで拡散するのか

    そして一番気になる「なんでそんなにすごいの?」というところですが、
    本来であれば、ここはシャープに「要因はこれです!」と語れるのが理想的ではあるのですが、
    実はここの構造はまだ分析不足で、未だに僕自身も明確な解を持ち合わせておりません。

    強いて一言で言うならば「文化」かもしれません。

    「SNS好き」以前の話として「コミュニケーション好き」の文化があり、
    対面でも、電話でも、そしてそれはもちろんネット上でも、
    人とコミュニケーションを取るのを好む風土があるように感じます。

    面白い話や、お得な話、自分が主張したい話など、
    何かあればすぐに自分の意見も含めつつ友達にシェアをする。
    それは、リアルの世界でも、ネットの世界でも同じこと。


    が、しかし、「文化」と言い切って終了としたのでは、
    いやはや面白くもなんともないですし、次に繋げようがありませんので、
    日本企業のみなさまにも真似が出来る何らかの要因を、
    引き続きウォッチしていくことで、見つけにいきたいなと思っています。



    ■おわりに

    いかがでしたでしょうか?
    「ブラジルにおけるfacebookのいま」を、多少は感じて頂けましたでしょうか。

    「ブラジルはネット後進国だ」と、思っている方も多いかもしれませんが、
    少なくとも「facebookの世界」においては、僕はブラジルは「先進国」だと思っています。


    ですので、今後ブラジルでビジネスをする企業の方は(進出予定・進出済ともに)、
    このあたりの構造・文化をよく把握する必要があると思いますし、
    逆に、きちんとした把握できれば、SNSは極めて強力なツールになり得るとも思います。


    そしてさらに、ブラジルには直接ご縁のない方も、
    このブラジルの驚異的拡散力から学べる事は、きっと多いのではないかと思います。


    僕自身も日々勉強中ですが、もしよかったみなさんも、
    ブラジルのfacebookに、目を少し向けてみてはいかがでしょうか?


    では。
    Até mais!





      





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    apertodemao

    世界でも数少ない「facebook未制覇国」であった日本とブラジル。

    その一端であったブラジルもついに先日、
    長年No.1の座を維持してきたgoogleの「orkut」を追い抜き、
    facebookがNo.1のSNSとなりました。


    見方によっては、世界のSNS市場において、
    1つの大きな象徴的出来事であったのかもしれません。

    とはいえ、どうやら日本では思っていたより取り上げられる事も少なかったようで、
    改めてその事実・数値の共有と、ブラジルにおけるSNSにまつわる話をいくつか、
    今回から複数回に分けてお伝えしていけたらと思います。




    ■実感値としては、既に半年前頃からfacebook移行していた印象

    正直なところ、実感値としては「今さら?」という感覚にも近いのが実情です。

    というのも、おおよそ半年〜1年程前からでしょうか。
    日頃僕が接点のあったブラジル人達は既に、
    orkutからfacebookに乗り換えていたような印象がありました。

    そしてそれは、僕の直接的な知人・友人に限らず、
    例えば、街中にあるネットカフェ利用者の画面を覗き見(!?)してもそうでしたし、
    各種広告・告知への記載も、その多くは「facebook & twitterの2本立て」であり、
    そこには既にorkutの姿がなかったケースも多かった状況です。

    ▼地下鉄内のモニター             ▼ショッピングセンター内の看板
    Facebook_twitter_metro Facebook_twitter_shopping




    ■検索回数は、既に昨年6月時点で逆転していた

    こちらはGoogle Insights for Searchによる検索回数の推移ですが、
    facebookがorkutの検索回数を昨年7月時点で逆転していました。

    「検索回数」を「UU数の先行指標」と読んでしまうのは、
    やや乱暴な仮説かもしれませんが、ある程度の相関性はあるものと考えると、
    やはり昨年の中盤〜後半には、形勢逆転していたものと推測する事はできそうな気がします。



    ■まずはIbope Nielsen Onlineから正式発表

    そんな状況下で、にわかに、
    「既にfacebookがorkutを抜いてるんじゃないか?」
    という話も耳にするようになってきていた昨年2011年9月。

    ブラジルの調査会社であるIbope Nielsen Onlineから正式に、
    「facebookがorkutを追い抜いた」との発表がありました。
    2011/9/9の事でありましたが、僕が初めて聞いた正式な形での発表です。


    ▼Ibope Nielsen Onlineからの発表本文
    Ibpoe_nielsen_online
    ※出典:IBOPE


    余談にはなりますが、実はこの発表、
    「facebookがorkutを抜いた!」というテーマでの発表ではなく、
    「国内ネットユーザーが7,780万人に到達しました」という発表をするに際して、
    オマケのような形でされていた発表だったりします。
    (そのため、グラフも表もなく、記事本文内にちょこっと書かれているだけでした)

    とはいえ、ブラジル人にとっても重要ニュースである事には間違いなく、
    ブラジル国内のマスコミ各社は、それらを記事にしていましたし、
    また、アメリカのeMarketer社も報道したことで、
    日本を含む世界にも、多少情報は届いていたようですね。



    ■その後comScoreが、一度否定しつつも改めて発表

    しかしこの発表のすぐ少し後に、comScoreは自身のデータをソースに、
    「未だにブラジルではorkutがNo.1であり、facebookはNo.2である!」
    といった発表を行い、Ibope Nielsen Onlineを牽制するような流れになりました。

    なので、いっときの騒ぎも一旦は沈静化。
    データソースの違いなので、しょうがないとは思うものの、
    「で、一体どっちなんだ?」というモヤモヤした期間が続くことに。

    そしてようやく、年が明けて2012/1/17になってcomScoreも、
    「12月度にFacebookがorkutを抜きNo.1になった」と発表しました。
    この情報は英語での発信だったためか、日本でもちらほら見うけられました。


    ▼comScoreによるUU数の推移
    Comscore1
    ※出典:comScore


    ▼comScoreによるUU数実数値と伸び率
    Comscore2
    ※出典:comScore


    このcomScoreのデータによるとfacebookの伸び率、1年間で192%だそうです。
    グラフから見ても明らかですが、すさまじい勢いですね。




    ■更にその直後にSerasa Experianが発表

    comScoreの発表の翌々日にあたる2012/1/19に、
    Serasa Experianが週間推移のグラフとともに同様の発表を行いました。
    これによると1/15の週に逆転したとのこと。


    ▼Serasa Experianによるユーザー数推移
    Serasaexperian1
    ※出典:Serasa Experian


    またこの発表で興味深かったのは、滞在時間の比較データです。
    ユーザー数で抜いただけでなく、実は滞在時間でも抜いていたんですね。
    しかもそれは昨年の4月頃という早い段階で。


    ▼Serasa Experianによる滞在時間推移
    Serasaexperian2
    ※出典:Serasa Experian



    ■DoubleClick Ad Plannerでも確認してみる

    以上の各種発表以外にも、手元で確認できるデータの1つとして、
    DoubleClick Ad Plannerで2サイトの推移を見てみました。


    ▼DoubleClick Ad Plannerによる推移比較

    Adplanner

    同一グラフ上で2サイトの比較が出来なかったので、
    縦軸の縮尺をいじって強引に並べてみると、このような感じです。
    おおよそ昨年11月頃にfacebookがorkutを追い抜いているようですね。




    ■おわりに

    データソースの違いもあって、「いつ?」だったのかははっきりしないものの、
    これだけ各社が似たような数値を、似たようなタイミングで出しているので、
    「昨年後半から年明け前後に、facebookがorkutを抜いてブラジル国内No.1のSNSになった」
    というのは事実ととらえて間違いなさそうです。

    世界のSNS勢力地図がまた一枚、facebookブルーへと塗り替えられたわけですね。


    これまで過去に、
    「ブラジル市場はorkutなんでしょ?orkutよく分かんないからなぁ…」
    というコメントを耳にした事もありますが、
    今回いよいよプラットフォームがfacebookになったことで、
    日本のネット系サービス各社さんも、身を乗り出しやすくなったのではないでしょうか?


    今回の記事ではひとまず、orkut逆転劇に対する報道情報の共有でしたが、
    次回以降(時期未定)で、
    ・ところでorkutとは何者なのか?(←案外ご存知ない方も多いようですし)
    ・ブラジルにおけるfacebookの強さ
    ・それ以外のSNSメディアの状況
    などに関しても触れながら、
    ブラジルのSNSの状況をお伝えしていけたらと思います。
    (もしご要望があれば、お伝え頂ければ可能な限り調べて対応しますよ)


    では。
    Até mais!




    ▼塗り替えられたSNS勢力地図、ブラジルでもfacebookがNo.1に
    Worldmap
    出典:World Map of Social Networks




      



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    apertodemao

    国内のあらゆる企業のクレームが集約されているデータベースがあったとしたら、
    みなさん興味ありませんか?

    今回は、僕がすっかり惚れ込んでしまった「ブラジルらしさ」のある、
    魅力的なネット企業を1社、紹介させて頂きます。

    一言で言うならば「クレームを介した企業と消費者のCRMプラットフォーム」とでも言うべき、
    ブラジル市場に限らず、特に新興国系のビジネスに興味ある方にもぜひ知って頂きたい企業です。



    ■クレームは宝の山!

    昔からよく言われている台詞、「クレームは宝の山」。
    この台詞には賛否両論あるかと思いますが、少なくとも僕は「宝が眠っている山」であると思います。
    マーケティングにおいて重要でかつ貴重な情報の1つかな、と。

    というのも、リクルートの大先輩であるくらたまなぶさん(wiki参照)の教えからくるものですが、
    僕が商品企画や事業開発でマーケティングをする時は、常に「不の付く言葉」を意識してきました。
    ターゲットが抱えている不満、不便、不都合、不自由、不信、不快、不足、不合理…
    まさにクレームの山の中にたくさん潜んでいる言葉ですね。

    しかし、この「不を集める」という作業は案外難しいもので、
    何度「世の中の不が集まるデータベース」があったらいいなと思ったことか…

    でもなんと、ここブラジルには、僕の求めていたこの「クレームデータベース」があったのです。



    ■ブラジル中のクレームが集まるサイトがあった!

    初めてこのサイトの存在を知った時は、純粋に驚きましたね。すごい!と。
    一目惚れに近い感覚かもしれません。

    日本には苦情の受付窓口として「国民生活センター」や「消費者生活センター」といった、
    公的機関があるかと思いますが、それらと同じような機能を担う、
    民間の一企業が手掛けるwebサイトです。
    (もちろん日本同様の公的機関はブラジルにも別途ありますが)

    少なくとも僕は日本で、この企業と同様のサービスを見た事はなく、もしかしたら、
    これを読んでいる皆さんにも、理解しづらい部分があるかもしれません(社会背景も含めて)。

    ですので、少々長くなってしまいますが、順を追って説明・紹介させて頂きますね。

    まずは前提となる背景から。



    ▽前提:一次品質が保たれていないこともある、クレームの多いブラジル社会

    おそらく、ブラジルに限らず新興国と呼ばれるような国々では似たような状況かと思いますが、
    最低限保たれているべき「一次品質」が欠如していると感じる事が多々あります。
    それに加えて、詐欺や事件・事故などのトラブルも多い国です。

    そのため、購買活動の意思決定において「信頼性」が、極めて重要なキーワードになっている社会です。
    商品の信頼性、サービスの信頼性、企業の信頼性…
    消費者は常に「不安」と背中合わせの状態にあるわけです。

    僕も日々生活をしていると、まぁ色々なトラブルが発生するんですよね。
    「おい、ふざけんなよ!」と怒りたくなる事や、
    「それはさすがにないでしょ…」と呆れてしまう事など、様々です。
    (もちろん全てがそうというわけではありませんし、改善の方向に向かっているとは思いますが)


    そんな環境下において、何か不満を感じる事が起こったときに、
    「日本人は文句を言わずに二度と戻ってこない国民性」という話も聞いた事がありますが、
    肝心のブラジル人はそのような事はなく、むしろ「不満があれば直接文句を言う」という国民性です。

    ですので、必然的にクレームの数は増えるわけですが、
    その一方で、企業側の「クレーム対応」は、ややずさんなところがあったようです。
    つまり、クレームの放置、対応の遅延などが蔓延し、
    修理・交換を頼んだものの、対応してもらうまでに長期間(数ヶ月間)待たなければいけない、
    もしくは諦めて泣き寝入りするしかない、そんな「被害者」も少なからずいたようです。



    ▽サービスモデル:クレーム内容とその対応をオープンに

    そんな一次品質の担保もままならなかったブラジルに、
    新たなサイトが誕生したのが今から12年前の2000年。(実は結構前なんですよね)
    「クレームを介した企業と消費者のCRMプラットフォーム」とでも言うべきサイトが生まれました。

    このサイトこそが僕が今回ご紹介したい「ReclameAqui」というサイトです。


     Ra_toppage

        http://www.reclameaqui.com.br/
        ※カタカナ読みでは「ヘクラミアキー」と読みます


    誤解を恐れずシンプルに言うならば「クレーム専用掲示板」のような場所でして、
    「クレーム内容」と「それに対する企業の対応」を、包み隠さずオープンにするという場です。

    このサイトの登場によって、これまでに起こってきた事は、下記のような流れのようです。


    ・消費者がクレームをこのサイト上に書き込む
        ↓
    ・電話と違いクレームが世間の目に触れてしまうので、企業側は評判を落とさないためにもすぐ対応する
        ↓
    ・結果的にそれは電話よりも早く、かつ良い対応となる(電話の場合うやむやにされてしまう事も)
        ↓
    ・電話するよりも良いと思った消費者が、ますますこのサイトに書き込むようになり、ユーザーが増える
        ↓
    ・ユーザーが増えれば増える程、より多くの消費者の目に触れる事になり、企業はよりきちんと対応する
        ↓
    ・よりきちんと対応してくれればしてくれる程、消費者はこのサイトを利用し、ユーザーが増える
        ↓
      ・・・・・

    このようなサイクルが、グルグルと勢いよく回り出したようで、
    今となっては、ブラジル人で知らない人はいないんじゃないかと思えるくらい、
    圧倒的No.1のポジションを確立するところまで成長しました。

    そして実際に、
    「消費者センターに連絡しても4ヶ月間待たされるものが、このサイトなら3日で解決してくれる」
    という話が、地元の最大手の新聞でも語られるようなところにまで到達しました。



    ▽提供価値:消費者保護に加えて、信頼性の格付け機関の役割を果たす

    とはいえご察しの通り、企業側にしてみたら「厄介者」の存在なわけで、
    創業メンバーは最初の頃、かなり苦労したようです。
    企業側の人間から「何て事をしてくれるんだ!」と、半ば脅しに近い電話が頻繁に鳴り、
    本気で殺されるんじゃないかと思った事が何度もある、と社長が言っていました。

    実は創業の経緯は、社長自身がとある航空会社の対応に対して不満を抱き、クレームをつけたものの、
    それでは腹の虫が収まらず、何か良い方法はないかと思いついたアイデアだそうです。
    そんな経緯もあって、「企業に屈してはならない」、「消費者のために社会をより良くするんだ」という
    強い信念を持ってこれまで耐え忍んできたそうです。
    さすが、「不」の実体験に基づく意思は強いですね。さぞかし相当嫌な思いをしたのでしょう…笑

    そんなプロセスも経つつ、この未成熟なブラジル市場において「消費者保護」を牽引している企業です。


    実際に、その社会的なポジションは、もはや消費者生活センター等の公的機関を上回るほどで、
    「このサイト上でクレーム数が多く、かつ対応の悪かった企業に対して、行政から営業停止命令が出る」
    といったことも現実に起きています。


    更に、このサイト上での「クレーム数」や「対応状況」をもとに、
    各企業の信頼性を評価する「格付け」をしています。
    「この会社は信頼できる」という称号から「この会社はオススメできない」という称号まで、
    イラストで分かりやすく評価がされ、各企業毎のページに貼り付けられています。


    Ra_avaliacao
        ※企業の信頼性を評価するシンボル




    ▽個別企業のページ(一例)

    実際に、サイトの中身はどのようになっているのか、
    一例として、個別企業のページを見てみると、このようなページになっています。
    (試しにブラジルで急成長中の韓国企業の代表としてsamsungを取り上げてみました)


    Ra_samsung


    ポルトガル語なので細かい所は分からないかもしれませんが、いくつか抜粋しますと、
    ・消費者評価は4.01点で、Ruim(=悪い)という赤顔の評価を受けている
    ・クレーム投稿数は直近2〜3ヶ月で増えている(12月は約1,000件)
    ・対応はマメにきちんとしていて対応率100%
    ・対応までに要している平均時間は2日と9時間4分2秒
    といった事などが書かれています。

    もちろんこのページから1件1件のクレーム、
    および、それに対する企業の返答コメントを見ることも出来ます。



    ▽サイトパワー:Alexaで100位以内に入る大手サイトの1つ

    では、そのサイトパワーはどれくらい?というところですが、
    Alexaのランキングでは、ブラジル国内で常時2桁台に入っています。(1/19時点では85位)

    また、現状公開されている具体的な数字は下記のような値です。

    ———————————————————
    ・登録会員数:500万人
    ・登録企業数:3万社
    ・新規会員登録数:4,000人/日

    ・PV数:1,850万PV/月
    ・サイト訪問者数:600万訪問/月
    ・UU数:380万UU/月

    ・平均クレーム投稿数:7,000投稿/日
    ・平均コメント投稿数:1万3,000投稿/日
    ・平均クレーム検索数:50万回/日
    ———————————————————

    これらを多いと見るか、少ないと見るか、人によって分かれるのかもしれませんが、
    少なくとも僕は「クレームが集約されているサイト」に500万人が登録している、というのは、
    とてつもなく「多い」のではないかと思います。
    (扱うものがクレームなので、それ相応の個人情報の登録も必須なのにも関わらず、です)
    そしてアクティブユーザーも約400万人いますしね。

    また、興味深いのは、
    「クレーム投稿数」もさることながら「クレーム検索数」も多いのが分かるかと思います。
    (なんと毎日50万回検索されています)

    要は、ブラジル人が何か購買行動をする際に「この企業は信頼できるか?」を調べているわけですね。
    過去のクレーム状況を見て、その企業・商品が信頼出来そうかどうか判断をする、と。
    この辺りの「購買に至るまでの行動プロセス」は、日本とブラジルでは異なります。


    なお、推移を見るには下記Alexaのグラフを見て頂くのが分かりやすいかと思いますが、
    今でも相変わらず右肩上がりに伸びている状況です。
    2年間で約4倍、すごいですね…

    Ra_alexa
    ※出典:Alexa



    ▽ビジネスモデル:現状は企業側からの収益のみ

    肝心なマネタイズについてですが、現状の収益源は、
    サイト経由で集められたクレームをデータベース化し、
    ・コンサル
    ・セミナー
    ・研修
    といった形で、企業側からお金をもらっています。ユーザー課金はしていません。
    (そういえば社長が「日本でもセミナーやりたいなー」と、この前ボソッと言ってました)

    蛇足にはなりますが、このマネタイズの手法論は、まだまだ課題があると僕も感じており、
    この会社の役員の方達とは個人的に仲良くさせてもらっていることもあって、
    つい先日も、社長とご飯を食べながら、新しいマネタイズの手法論についてブレストをしました。
    いくつか良さげな案も出ましたが、まだまだポテンシャルがある気はしてしまいます。
    ※もし「一緒にこんな事やろうよ!」というアイデアをお持ちの方がいらっしゃいましたら、
     ぜひ砂塚までご連絡ください。接続します。



    ▽今後の展開:いよいよ第2フェーズへ

    現時点までで、第1フェーズとしての「クレームが集まるための仕組みづくり」が完成しつつあり、
    既に巨大なクレームデータベース(およびクレーム対応データベース)を所有しています。

    ですのでここからが第2フェーズ。

    この「クレームDB(およびクレーム対応DB)」や「企業の信頼性評価」を活かして、
    ビジネスを拡張させていこうとしているところのようです。

    社会全体としても「信頼性」や「品質」や「サービス」などへの意識が高まってきていますし、
    今後の展開はとても興味深いものになるような気がしています。
    (すいません、あまり詳細については、残念ながら僕からここでは言えませんが…)



    ■終わりに

    いかがでしたでしょうか?

    もしかすると、他の新興国にも似たサービスはあるのかもしれませんが、
    僕個人としては、ブラジルらしく、かつ社会的意義も高く、そしてポテンシャルも大きそうで、
    とても興味深く感じているサービスなのですが、日本の皆様からはどう見えますでしょうか?

    僕も「惚れ込んでしまった」とまで言っている手前、
    日本の皆様にも「いいね!」と思ってもらえると嬉しいです。
    (そしてその流れで「いいね!」や「シェア」も頂けるとなお嬉しいです…笑)


    ちなみにこの会社、現在事業拡大中で新規事業もいくつか仕掛け始めているため、
    資金ニーズもあったりなかったり…というような事も、最後にちょこっとほのめかしておきます。

    その他、質問・疑問・相談や、この会社とコンタクトを取りたい方などいらっしゃれば、
    砂塚までご連絡頂けたらと思います。可能な範囲で対応させて頂きます。

    では、また。
    Até mais!

    社長のMauricioとピザ屋にて
    ※ReclameAqui社長のMauricioとサンパウロのピザ屋にて





       

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    apertodemao

    日本にいる頃から、僕は周囲に「ブラジル人はSNS好きだよ」と言い回っていたわけですが、当時それはあくまでも、「頻繁にSNSで話しかけてくる」・「頻繁にSNSに投稿している」・「頻繁に写真や動画をSNSにUPしている」…といった状況を称しての発言でした。

    しかし、こうしてブラジルに住み始め、ブラジル人の友人が増えてくるに連れて、
    「この人達、SNSを頻繁に使っているだけあって、日本人より賢い使い方をしてるんじゃないか?」
    と思うようなシーンに遭遇します。

    今日はそんな一例をご紹介出来たらと思います。



    ■まず、それらの事例に入る前に・・・

    具体的な事例をご紹介する前に、
    「そもそも今ブラジル人が一番利用しているSNSは一体何?」
    というのが気になる方も、多々いらっしゃるかもしれません。

    ただ、ここの話に踏み込んでしまうと、それだけで1記事のスペースを費やしてしまいそうなので、
    詳細はまた後日にでも改めてさせて頂くとして、今日はサラっといきますが、
    主なSNSメディアはfacebook、twitter、orkut、google+、MSN、Skype…あたりでしょうか。

    その中でも、やはりfacebookですね。
    (ちなみに案外見逃せないのがMSNとSkypeです。これもまた後日にでも…)


    なお、一昔前はダントツでorkutでした。(googleが手掛けるgoogle+ではないSNSです)
    しかし昨今、猛烈な勢いでfacebookが追い上げていて、肌感覚では完全にorkutを抜いていますね。

    ちょうど今日一緒に食事をしたとあるネット系の会社の社長さんも、
    「facebookが伸びていて、orkutとtwitterが下降している」とも言っていました。
    (ただ、各調査会社等の発表によると、まだ現時点ではorkutが勝っているとのことですが…)

    日本ではちょっと前にmixiが激減したと話題になっていましたが、
    もしかすると似たようなフェーズかもしれませんね、ブラジルと日本は。(mixi→orkut)


    そんなブラジルのSNS市場において、
    現地での生活から垣間見られた「ブラジル人のSNSの活用方法」を、
    事例という形で2つ、ご紹介させて頂きます。
    twitterとfacebookの活用事例です。



    ■事例1:ブラジル人のtwitter活用事例 「ネズミ捕り対策」

    まずは、ブラジルにおけるtwitterの利用状況ですが、
    こちらのcomScoreの資料を見て頂くとよく分かるかと思いますが、
    ブラジルはtwitterで「世界一のリーチ率」を誇る国です。


    Twitterreach_2
    ※出典:http://www.comscoredatamine.com/2010/09/twitter-com-top-20-global-markets/


    twitterの140文字の制約は、日本語にfitするので日本ではtwitterが浸透しやすかった、
    というような説もあるようですが、そんな日本を凌ぎ世界一のリーチ率を誇っています。
    (4pt差、比率で見ると約5/4倍くらいでしょうか)


    そんな「世界一twitterが浸透している国」であるブラジルにおいて、
    ホームステイ生活を3ヶ月間のBelo Horizonteという街でしているときに、
    ブラジル人の興味深いtwitter活用方法に出会いました。

    それがこちらのアカウントです。


    Blitzbh


    @BlitzBHというアカウントです。

    「BH」は「Belo Horizonte」という都市名を意味し、
    「Blitz」とは、辞書によると「電撃」や「猛爆」や「急襲」を意味するそうで、
    要するにこれは何かと言うと、警察による「ねずみ捕り情報」を共有し合うというbotです。

    このアカウント宛にツイートすると、そのツイートが自動転送され、
    全フォロワーに届けられるという仕組みです。
    (構造はラーメン二郎の混雑状況をツイートし合う「@jirolian」と同じ仕組みですね)


    実はブラジルというのは、まだまだ飲酒運転の多い国でして(飲酒運転はブラジルでも犯罪ですが)、
    飲んだ後の帰り道で「飲酒取り締まり」に引っかからないために、
    ネズミ捕りの情報をみんなでシェアし合い、予防しているという状況です。

    なお、具体的に投稿されている内容を見ていると、
    「△△通りにいたぞ!」という危険情報の共有というよりは、
    「□□通りは今は問題なくスムーズです」などといった安全情報の共有が多いようです。


    実際、僕もブラジル人の友達と飲みに行った際、彼らは車で来ている事も多く、
    帰り際にこのアカウントを入念にチェックしてから笑顔で帰って行く、
    というシーンを幾度となく目にしてきました。


    改めてこのアカウントのプロフィールを見てみると、
     ・フォロワー数:約4.4万人
     ・ツイート数:約1万ツイート
    で、この街に存在している「飲酒運転をする可能性のあるドライバーの数」を考えると、
    結構なボリュームではないかと思います。


    ジオマーケティングとでも言いますか、地域限定・エリア特化でかつリアルタイム性が重要な、
    ネットワーク外部性の高いサービス(仕組み)ですよね。
    非常に興味深いtwitterの使い方だなと個人的には思いました。
    (少なくとも僕は、日本で同様の仕組みを見た事がなかったもので)


    なおこのアカウントは、twitterに限らずfacebookページも存在します。


    Blitzbhfb


    「いいね!」の数は約5000人と、twitterのフォロワー数よりは少ないですが、
    とはいえ、多くの人が日々見ているようで、「いいね!」やコメントも多々見受けられます。


    また上記はいずれもBelo Horizonteの情報ですが、大都会São Pauloのアカウントもあるようです。
    いくら大都会と言えども、まだまだ車社会の側面も強いですからね。

    そのアカウントがこちらです。


    Blitzsp


    こちらは、
     ・フォロワー数:約4万人
     ・ツイート数:約4万ツイート
    と、Belo Horizonteに比べてツイート数が非常に多いですね。
    多くの人達に頻繁に利用されているようです。


    ※補足
    当然、ブラジルでも飲酒運転は犯罪行為です。ただ最近まで飲酒取り締まりが緩かったという背景もあってか、飲酒運転をしてしまっている人が多いのが実態です。今回こうしてご紹介しているのは、当然「飲酒運転を推奨している」とか「同じ仕組みを日本に作った方が良いと思っている」とか、そういった意図は1mmもありませんので、その点はご了承ください。また「これらのアカウントが行っている行為は違法に当たる」というような話も、最近の記事として出ていたりして、裁判所等が動いている模様です。今後はなくなっていくかもしれませんね。



    ■事例2:ブラジル人のfacebook活用事例 「児童虐待防止キャンペーン」

    少々、違法な要素を含むSNS活用事例を1つ目に紹介してしまいましたが、
    2つ目はもっとクリーンで、とても気持ちの良い事例です。

    昨年後半にあった「児童虐待防止キャンペーン」でのfacebook活用事例です。


    これはブラジルの子供の日(10/12)にちなんで行われたキャンペーンなのですが、
    「児童虐待防止に賛同する人は、facebookのプロフィール写真をマンガのキャラクターに変えよう!」
    という内容のものです。

    言い出しっぺはとある代理店で、当初の目標は1万人だったようですが、
    なんと終わってみると約10万人がこのキャンペーンに参加したそうです。(※出典:veja)


    最初このキャンペーンを知らなかった僕は、日々マンガのキャラに変わっていくブラジル人が増えて行き、
    頭の中に「???」が駆け巡っていましたが、その後、このキャンペーンの存在を知って、
    これは面白い、と僕もそのキャンペーン内容の告知とともにfacebook上の画像を変更しました。
    (ちなみに蛇足ですが、僕はキャプテン翼の「翼くん」に変えました!)

    その後もどんどん拡散していき、最終的には、
    僕が繋がっていたブラジル人は、ほぼ全て(実感値では約8〜9割)が、
    プロフィール画像をマンガのキャラに変えていたのではないかと思います。

    一覧で見るとこんな状態でした。


    Facefb


    日本のマンガのキャラクターも、ブラジルのアニメのキャラクターも、
    その他世界のアニメのキャラクターも見られます。
    不思議とあまり「他人とかぶる」という事がなかったような印象です。
    みんな他の人のキャラクターを見ながら、敬遠しつつ選んでいたんでしょうかね。


    その後、子供の日が終わってからは、みんな通常通りの自分の顔写真に戻ったのですが、
    このキャンペーン期間中の僕のfacebookは、とても奇妙な事になっていましたね。
    ニュースフィードを見ても、パッと見ただけでは、誰が誰だか全然分からず…
    正直「とても不便」ではありましたが(笑)、とはいえ、
    キャンペーンとしての効果は絶大だったのではないかと思われます。
    実際、当初目標の約10倍にまで到達したとのことですし。


    ニュースフィード以外の場所(今回は「プロフィール写真」)をプロモーションに使い成功した、
    日本ではこれまであまり見かけなかったfacebookの使い方の事例ではないでしょうか。



    ■ブラジル人は「SNS親和性」が高い

    高々2つの事例ではありますが、ブラジル人の「SNS好き」さを感じて頂けますでしょうか。

    いや、厳密には「SNS好き」というのは結果論としてそう見えるだけであって、
    「コミュニケーション好き」や「お祭り好き」といった要素が絡み合って
    「SNSを賢く利用している」というのが正しいのかもしれません。


    こんな「SNS親和性の高い市場」でSNSを使ったキャンペーンを、
    何か仕掛けてみたいという方もいらっしゃるかもしれませんね。
    もしかしたら、日本ではハマらなかったようなキャンペーンも、
    ここブラジルでは大爆発するかもしれませんし。

    蛇足にはなりますが、
    例えば日本では「スパム」とまで言われていたbadooという出会い系サイト、
    ブラジルではNo.1の出会い系サイトだったりもします。
    (スパムという認識ではなく、受け入れられているということですね)


    今回ご紹介したのはSNSの使い方のほんの一例でしたが、
    ブラジルにはこれら以外にも、日本ではあまり見かけないようなSNSの使い方もあったりします。

    また、こういった「既存SNSの使い方」に限らず、
    そもそも日本にはない「ネットサービス」も多々あったりするのがブラジル市場です。

    次回あたりに、この「日本にはないネットサービス」の中から、
    僕がどっぷり惚れ込んでいる会社について、取り上げてみたいと思います。
    乞うご期待。(変に期待値は煽らない方がいいですかね。。。笑)


    では。
    Até mais!


      





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    砂塚 裕之

    砂塚 裕之

    初めてブラジルの地を踏んでから10年、ついにブラジル在住に。リクルートで培った泥臭いマーケティングで土着化を目指し奮闘中

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