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ウサマ・ビン・ラディン死亡のニュース、リークはTwitterから

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既に大きく報じられているのでご存知かと思いますが、国際テロ組織アルカイダの指導者で、「9.11」の首謀者と目されているウサマ・ビン・ラディンが、米軍の襲撃を受けて死亡しました:

ビンラディン容疑者を殺害=米同時テロを首謀-オバマ大統領が発表 (時事通信)

オバマ米大統領は1日、2001年9月11日の米同時テロ事件の首謀者で国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者を軍事作戦で殺害したとホワイトハウスで発表した。大統領は、同容疑者殺害によって「正義は成し遂げられた」と宣言した。

オバマ大統領は、パキスタン国内でビンラディン容疑者が潜伏していた建物を1日に急襲し、銃撃戦の上、同容疑者を殺害したことを明らかにした。CNNテレビによると、同容疑者はイスラマバード郊外で殺害された。

奇しくも今年は、「9.11」から10年目の年にあたります。正直な話、彼一人の死亡によって何かが大きく変わると期待することは難しいですが、一応の区切りとして今回の一件は記憶されることになるでしょう。

ところでこのニュース、ホワイトハウスから公式な声明が発表される前に、Twitter上でリークが行われていたとのこと。New York Times紙の記事、並びにThe Atlantic誌の記事を総合すると、以下のような流れだったようです:

ちなみにオバマ大統領の演説については、既にホワイトハウスから公式の映像がYouTubeにアップされています:

きっかけとなったのはキース・アーバーン氏が投じた1件のツイートでしたが、そこから無数の人々に伝わると同時に補足情報が追加され、TechCrunchの言葉を借りれば「このニュースはまだ発表されていないのに、すでに古くなってしまった」という状況が生まれたわけですね。

Twitterの速報性についてはこれまでに何度も指摘されてきましたが、特に米国ではその価値がメディア関係者にも認められ、Twitter上の速報や話題がすぐにMSM(メインストリーム・メディア)へと還元される体制が整っているように感じます。また若干うがった見方かもしれませんが、自社サイトで誤報を流すわけにはいかない(従って速報を流すことに慎重にならざるを得ない)という姿勢の裏返しとして、記者やプロデューサーが個人として発信するソーシャルメディア上では、裏取りされていない情報もある程度スピード重視で言及して行くという姿勢も見て取れるのではないでしょうか。

いずれにせよ、まるで緊急地震速報のように、これからメディアを席巻する話題を先んじて教えてくれる存在として、Twitterを始めとするリアルタイムウェブ+ソーシャルメディアが確立されたことを改めて感じさせる一件でした。

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