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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

最近僕は、すごくニッチなものの専門家になりました。それは「巨大ロボットをAR(拡張現実)で再現する」という企画。実は今年の5月から9月にかけて、立て続けに4体もの(AR技術で再現された)巨大ロボットと会っています。それは、

  1. 箱根のARエヴァンゲリオン初号機
  2. 秋葉原のARマジンガーZ
  3. 静岡のシャア専用ザク/ダブルオーライザー
  4. 東京駅丸の内口のガンダム

の4体。これらとの出会いを通じて、僕が看破した「巨大ロボットAR企画を成功させるための5つのポイント」を披露しよう……などとご大層な話をするつもりはなく、単に4回現場に足を運んでみて、感じたことをまとめてみました。

1. Twitterでつぶやかせよう

ネット全盛の時代。あらゆるものがPCを通じて体験できる(あるいは体験した気持ちになれる)というのに、わざわざ特定の場所に足を運んでもらう巨大ロボットAR企画は、ある意味で時代に反しています。だからこそ、体験した人は「オレはいまこんなことしてるぜ!」と誰かに教えたくなるもの。その期待に応えるために、ARを見るためのアプリにはTwitter連動機能をつけておきましょう。

……そんなの他のクライアントアプリに任せておけばいいだろうって?いやいや、体験者にその場でつぶやいてもらう行為を促すことには、ソーシャルメディアを通じて企画の認知度を上げるという狙いもあります。特につぶやきの中に公式ハッシュタグを仕込む仕様にしておけば、他の経験者の感想にも誘導して、いかにこの企画が素晴らしいものかを印象付けることができるでしょう(ただハッシュタグを隠れて挿入することには不快感を与える場合もあるので、ON/OFFあるいはテキスト編集を可能にしておくことが無難です)。実際に海外のARを活用した広告/プロモーション企画では、何らかの形でTwitterと連動するということが普通に行われています。

eva023  
(箱根のARエヴァンゲリオン初号機)

2. 記念撮影してもらおう

何でもネットを通じて体験できる時代、わざわざ現場に足を運ぶというのは……と繰り返すのは止めにして、せっかく巨大ロボットが目の前にいるのですから、写真に撮って残しておきたいと感じるのが人情というものでしょう。アプリに撮影機能を入れておく、あるいは記念撮影しやすい場所で企画を実施する、などといった配慮があると良いと思います。

また先ほどのTwitter機能と連動して、「撮った写真をその場でTwitterに流せる」などというアプリになっていれば最高ですね。なかなか単発の企画でそこまでの準備をするのは、期間や予算的に厳しいというのが実情のようですが。

IMG_0947
(秋葉原のARマジンガーZ)

3. 「貸し出しiPhone」を用意しよう

一番意外に感じているのがこの点。例えば美術館に行って、音声ガイドを借りようとしたら「ご自分のiPhoneにアプリをダウンロードして下さい」と言われたらどう感じるでしょうか?いや、そのようなアプリも登場していますが、その場で端末が借りられるというのが普通の感覚でしょう。それと同様に、手ぶらで巨大ロボットAR企画の会場に行って、その場で(専用アプリがインストール済みの)iPhoneを貸してもらえるという体験ができても良いはずです。

iPhoneが日本でも大ヒットしているとはいえ、当然ながら、まだまだ持っていない人の方が多いというのが現実です。僕が巨大ロボットAR企画の現場に行っても、他に体験している人の姿がほとんど見られない、というのが普通でした。かといって企画自体に人気がないわけではなく、たまたまその場にいた人にiPhoneを見せると、「何これ!?」とビックリして楽しんでもらえるという経験が何度かありました。これもいろいろ大人の事情で「貸し出しiPhone」のようなサービスを提供するのが難しいというのは分かるのですが、せっかくの企画なのに残念、と感じることが多かったのも事実です。

gundam_zak
(静岡のRG1/1ガンダム、の横にいるARシャア専用ザク)

4. どこに置くかは慎重に

これは企画された皆さんが当然のように意識されていたことですが、やはり「どこに置くのか」は重要な要素となります。その理由はさまざま。「そこにいる必然性が感じられ、コンテンツとしての魅力が高まる場所を」といったプラス面への配慮から、「立ち止まって写真撮影する人々がいても混乱が生じない場所を」といったマイナス面への配慮まで――それらをどうバランスさせ、最終的な立地を決めるのかが、成否の8割を握ると言っても過言ではないかもしれません。

変わったところでは、「太陽は巨大ロボットARの敵」という発見がありました。ご存知のように、この夏は歴史的な猛暑となり、巨大ロボットAR会場で直射日光と格闘するということがしばしば。当然ながらARの巨大ロボットは現実には存在しないわけで、日光を遮ってくれるわけではありません。場合によっては、太陽の方にまともにiPhoneを向けることに……難しい相談ですが、季節によっては時間帯による太陽の位置まで計算しておく必要がありそうです。

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(東京駅丸の内口のARガンダム)

5. 感動を持続させよう

誤解を恐れずに言えば、巨大ロボットAR企画は「見たら終わり」です。一通り楽しんで記念撮影したら、後は帰るしかありません。しかしせっかくの感動を、そのまま消えるに任せるというのはもったいないでしょう。何らかの形でその余韻を高めることができれば、トータルの体験はより素晴らしいものになります。

例えばエヴァンゲリオン初号機の場合、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.』DVD/Blu-rayの発売記念上映会に合わせて行われたものでした。マジンガーZの場合は、3DCGのデータに新発売の『スーパーロボット超合金 マジンガーZ』の開発に使用されたものを転用。ダブルオーライザーのデータは新しいアーケードゲーム用に開発されたもの。シャア専用ザクのデータは以前のゲーム用に開発されたものでしたが、ちょうどこの冬にプラモデル「RG1/144シャア専用ザク」が発売されることになります。つまりいずれも、後で作品そのものを楽しんだり、手に取ったりゲームで遊んだりすることができるようになっていました。

現金な話をすれば、これは「巨大ロボットAR企画」をどうお金に結びつけていくかという問題にもつながります。もちろんイベントそのものを楽しんでもらうという目的も達成しなければなりませんが、それを目に見える価値に繋げることが、こうした企画を継続して実施できる結果をもたらすでしょう。

*****

ということで、開発者でも企画者でもないのに偉そうなことを書いてしまいましたが。個人的にも好きな作品のロボットばかりでしたので、難しい話は抜きにして、どの企画も非常に楽しめたということだけは書いておきたいと思います。個人的には今後、ヤマトやマクロス(もちろん強攻型で)、イデオンあたりにトライするなどという無茶な企画も登場して欲しいところですが……あ、無難にアーマード・トルーパー程度でも嬉しいかも(笑)。

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小林 啓倫

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小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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