ローリング・ストーンズ、新アルバムのプロモーションにARブラウザ"Layar"を活用
AR(拡張現実)の普及には技術面の課題も重要ですが、それにも増してキラーとなるコンテンツやアプリの存在が重要でしょう。その意味で注目の動きが生まれています:
■ Augmented Reality & Layar Give Rolling Stones' Fans A Lot Of Satisfaction (InventorSpot)
大御所ローリング・ストーンズが、ニューアルバム『メイン・ストリートのならず者』のプロモーションのために、モバイルARブラウザ"Layar"の活用を始めたとのこと。iPhone等をお持ちの方は、Layarをインストールして"Stones"で検索してみれば、以下のレイヤー(※Layar上のコンテンツのこと)が見つかるはずです:
プロモーションの名前は"Exile on Your Street"。自分が今いる場所に、ストーンズのポスターや『メイン・ストリートのならず者』内の楽曲(30秒間のみ)を投稿することができ、自分や他人が投稿した内容を現実空間と重ね合わせて見ることができるというもの。文字通り、『メイン・ストリートのならず者(Exile on Main Street)』を自分の町に表現できる、というわけですね。
レイヤーを起動して投稿する場所を選ぶと、次のようにポスターを選ぶ画面が表示されます:
その数、約20種類。それが終わったら、次は楽曲を選びます:
最後に自分の名前やメッセージを入力して「投稿」ボタンを押せば完了……のはずなのですが、いまのところ投稿しても、結果に反映されないようです。本来ならば、現実空間に浮かぶポスターの画面を掲載したいところだったのですが。実は以上の作業は、携帯端末だけでなくプロモーションの公式ウェブサイト上からも実施することができるようになっているので、興味のある方は確認してみて下さい。
音楽業界でのARプロモーション事例は、ローリング・ストーンズが始めというわけではありません。実は同じくLayarを使ったプロモーションが以前から行われていますし、最近でもアイドルグループ「スマイレージ」とAR三兄弟のコラボが話題になりましたよね。そこへさらに世界的なファンを持つローリング・ストーンズが活用することによって、普段は技術的なことに関心のない層にまで、ARという存在が知られてゆくことになるのではないでしょうか。またこのプロモーションが専用アプリではなく、汎用的なARブラウザ上で行われたということも、同様のプロモーションを加速させることにつながるのではないかと思います。
まぁ正直、ストーンズのポスターや歌が現実世界にフワフワ浮いている程度では、最初に「あっ」と驚かせる程度の効果(そしてそれをマスコミが取り上げるというアナウンス効果)しかないと思いますが……しかし個人的には、こうした具体例が経験値となって、いろいろと面白い活用法が生まれてくると期待しています。
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