シロクマ日報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) シロクマ日報

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

最近新聞・雑誌を騒がせているスマートグリッド。その構成要素としては、スマートメーターや蓄電池、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)など様々なものが取りざたされていますが、その中に「天気予報」を入れることが常識になるかもしれません。環境技術系のニュースを集めているサイト"Earth2Tech"に、こんなニュースが掲載されています:

WeatherBug Eyes the Smart Grid Buzz (Earth2Tech)

独自の気象観測ネットワークを持ち、天気予報や天候情報を提供している企業"WeatherBug"について。こうしたサービス自体は目新しいものではありませんが、同社の場合、売上の10パーセント以上を電力会社から得ているそうです。

WeatherBug’s weather tracking stations collect 27 different climate variables around the country, including pressure, temperature, wind speed, wind direction and precipitation. The weather data is then used in various third-party applications and services, as well as the company’s own applications. All those applications have led to WeatherBug data being used by 21.5 million consumers, more than 100 state and local government agencies, 8,000 schools, and over 100 TV broadcast stations.

WeatherBug社の気象観測ステーションは、27種類の気象データ(気圧や気温、風速、風向き、降雨量など)を集めており、そのデータは様々なサードパーティーや、WeatherBug社自身のアプリケーションに利用されている。同社のデータによって実現されているアプリケーションのユーザーは2,150万人に達しており、100以上の州政府/地方自治体関連機関、8,000以上の学校、100以上のテレビ局に利用されている。

では電力会社が気象データをどのように使っているのか?という点ですが、カンの良い方ならもうお分かりの通り、電力の需要予測に活用しているとのこと。WeatherBug社から得られた気象情報と、電力会社自身が持つ需要情報を突き合わせて関連性を検討、需要予測の精度を上げることに役立てているわけですね。

WeatherBug社の気象情報はリアルタイムで提供されるとのことですから、今後スマートグリッドが整備され、電力需要に関する情報もリアルタイム化されていけば、ますます需要予測の精度向上に利用されてゆくでしょう。またスマートグリッド整備の目的の1つは、再生可能エネルギー(太陽光や風力など)を利用した発電設備が送配電網に連系するのを可能にすることですから、そうした発電設備での発電量予測にも気象情報は欠かせないはず。となると、これからWeatherBugのような企業の重要性が高まっていくに違いありません。

またWeatherBug社に対しては、家庭用のエネルギー管理サービスを提供している企業からも引き合いが来ているとのこと。気象データがあれば、ある家庭の中でどのような天候の時にどれだけ電力が必要となったか(エアコンや照明などといった形で)、また家庭用太陽光発電設備などを通じてどの程度発電ができたかが把握できるようになるわけですから、こうした動きが生じているのは当然でしょう。消費者が直接気象情報を購入して、家庭でのエネルギー管理に役立てるというのはちょっと想像できませんが、例えば前回ご紹介したGoogleの事例のように、スマートメーターのアプリケーションを提供している企業がWeatherBug社と提携、管理サービスの精度向上に役立てるという例は出てくるかもしれません。いずれにしても直接的・間接的な形で、エネルギー管理+天気予報という組み合わせの恩恵を受ける例が増えてくるのではないでしょうか。

あるいは逆に、電力供給の安定のために気象観測ステーションが整備され、副産物として天気予報の精度が上がるなんて未来も予想できるかも。このままスマートグリッドが発展すれば、「朝の天気予報じゃ一日晴れだっていったのに!傘持ってきてないよ~」なんてのが過去の話になったりして?

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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