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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

「あったかもしれない現在」を確認できる iPhone アプリ

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最近楽しみにしているTV番組が、NHKの「ブラタモリ」。ご存知タモリさんが、古地図を持ってあちこち(主に東京都内?)を散歩するという番組です。何それ?そんなの楽しいの?と思われてしまうかもしれませんが、同じくタモリさんの「タモリ倶楽部」が好きな人ならばきっとハマってしまうはず。ゆるい進行ながらも意外な発見が盛りだくさんで、同じように古い地図を持って散歩に出かけたくなってしまいます。

しかし古地図でなくても、町歩きを楽しくしてくれる iPhone/iPod Touch アプリが最近たくさん登場していますよね。GPSを利用して、自分がいまいる場所の観光情報を提供してくれるアプリ、というようなアイデアは様々な形で実現されています。例えばニューヨーク市には、ただの観光情報ではなく、ちょっと変わった話を知ることができるアプリが登場しているとのこと:

Phantom City (BLDGBLOG)

このアプリ、"Museum of the Phantom City: OtherFutures"と名付けられているのですが、別に博物館の中で使うアプリではありません。「Other Futures (別の未来)」という名前の通り、「こうなっていたかもしれない」ニューヨークの姿を知ることができるというもの。具体的に言うと、計画が持ち上がりながら建設には至らなかった様々な建造物、を知ることができるそうです。

残念ながらニューヨークに行く計画はないのですが、無料なのでインストールしてみました。立ち上げると、ぼんやりしたピンク色の霧がかかって、こんな画面が表示されます:

Phantom_City_1

このイントロ部分の雰囲気、怪しくてかなり良いです。まさしく「Phantom(ファントム、幽霊)」といったところ(そのまま幽霊ツアーのアプリにしてしまえるかも?)。ちなみにここで位置情報を渡す必要があるのですが、当然ながら僕は東京にいるので、位置情報取得を許可しても何も起きません。

Phantom_City_2

こちらがメイン画面。暗くて分からないかもしれませんが、背景にはマンハッタン島の衛星画像(Google Maps を使用)が表示されています。そしてまるで幽霊のような白い光があるのが、先ほどの「計画がありながら建設には至らなかった」建造物の場所。ちなみに背景を明るくして、地図を確認することもできます:

Phantom_City_3

で、普通ならこの光の部分をクリックすることで、詳細情報が確認できるのですが……このアプリでは、本当にその場所に近づかないと情報を表示してくれません。というわけで、東京でお仕事中の僕にはこれ以上の確認は無理。なのですが、嬉しいことに、Museum of Phantom City のホームページが公開されていて、そちらでもアプリの雰囲気を味わうことができます:

Museum_of_the_Phantom_City

このアプリ、AR技術と組み合わされても面白いかもしれませんね。カメラを通して見ると、そこに「この建物が建設されていたならば見えたはずの景色」が表示されるという……あるいは悲しい話になってしまいますが、貿易センタービルのように、何らかの理由で消え去らざるを得なかった建物を表示するという方向性にも進めるかもしれません。

ということで冒頭の「ブラタモリ」に戻りますが、ぜひともNHKさんには関連アプリを作ってもらいたいところ。番組で紹介したポイントや、使った古地図などが参照できて、タモリさんと同じ散歩ルートをたどれるアプリ……なんてあったら楽しそうだと思うのですが、どうでしょうか?

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