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Twitter のつぶやきの20%は、製品についての会話で占められる

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またまたお知らせで恐縮です。「企業と Twitter の向き合い方」というテーマで書かせていただいている ITmedia さんでの連載、第2回目が掲載されました。今回は「メッセージは Twitter 上をどのように伝わるか」に焦点を当て、それをどう応用していけるかを考えています。よろしければご覧下さい:

企業とTwitterの向き合い方: Twitterの情報経路、正しく理解できていますか? (ITmedia エンタープライズ)

と、宣伝はこのぐらいにして。さっそく今日も Twitter ネタを1つ。ペンシルバニア州立大学の研究者らの調査によると、Twitter はさまざまな製品についてのディスカッションを交わす場としても機能しているようです:

Tweeting is more than just self-expression (Penn State Live)

Twitter は単なる自己表現の場以上の存在だ、という既に使われている方々にとっては何をいまさらな話なのですが、具体的な数値としてそれが現れています(ちなみに50万件のつぶやきを対象に行われた調査結果とのこと)。ではいったい「自己表現」以外の何に使われているのかというと:

Twitter, a micro-communication service that gives users an opportunity to express their thoughts in 140-character "tweets," is a hit in the social media world. Companies are also benefiting from Twitter, where 20 percent of the tweets contain requests for product information or responses to the requests, according to Jim Jansen, associate professor of information science and technology in the College of Information Sciences and Technology (IST) at Penn State.

Twitter はマイクロブログサービスの1つ。ユーザーは140字の「つぶやき」で自分の考えを表すことができ、ソーシャルメディアの世界で大ヒットしている。また企業も Twitter の恩恵を受けている。というのも、ペンシルバニア州立大学の情報科学・情報技術研究科で准教授を務めている Jim Jansenによれば、つぶやきの20%には様々な製品についての質問や、それに対する答えが含まれているからである。

ということで、何らかの商品や製品についてのQAフォーラムのようになっている、という話ですね。確かに何かを買おうとしたときに、それを持っている人に対して感想を尋ねたりとか、あるいは誰とはなしに「昨日買った~が超使える!」のようなつぶやきを書き込んだりといった経験、あるという方も多いのではないでしょうか。もちろん対象となる国や、商品の分野によって、20%という比率は異なってくるでしょう。しかし、例えばアマゾン上で良い評価やレビューを得ることが書籍の売り上げにとって重要になってきているように、Twitter 上で良い評価が流れることがある商品の成功に影響をおよぼすようになりつつある――そんな解釈も可能だと思います。

またこうした「ある製品/サービスについての発言」に耳を傾けることで、新製品の開発やサービスの向上につながるというケースも考えられるでしょう。例えば、こんなあなたが洗濯機の開発者だったとして、こんなつぶやきを見たらどう思うでしょうか:

twitter_message

すぐにこのユーザーとコンタクトを取り、対応法を教える……というカスタマーサービス的な行動を取らないまでも、次回のバージョンアップに改善を盛り込めるはずです。もしくはこれを他山の石として、自社製品での失敗を回避するということも考えられるでしょう。

いずれにせよ、企業にとって無視できない会話が Twitter 上に生まれつつあることは事実。いますぐアカウントを取ってつぶやき開始!の前に、人々がどんな会話を繰り広げているのか、確認してみる(そしてその結果を上司にぶつけてみる)というのも有益だと思います。

【○年前の今日の記事】

恥は語られない (2008年9月18日)
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