50の理由
久々の3連休です。持ち帰りの仕事があるので、完全なお休みというわけではありませんが(こういう時にはモバイル機器の存在を怨みたくなります)、久しぶりに仕事以外の本も読もうと『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』という本を買ってきました。様々なブログで紹介されていますので、ご存知の方も多いでしょう。
この本、以前から書店で気になっていたのですが、「宇宙が広く、地球以外にも知的生命体の住む星が無数にあるというのなら、なぜ彼らの存在を確認できないのか?」という疑問 -- 【フェルミのパラドックス】について50の理由を考えたものです。「解25 向こうは呼びかけているが、こちらが信号を察知していない」のように、まず仮説として解が提示され、続く文章でその妥当性について検証が行われるというスタイルを取っています。
さすがに50も仮説を考えているだけあって、中には「解14 家から出ない」「解29 いつも曇り空」のような冗談めかした理由もあるのですが、そんなものでも真剣に検証しているのが素晴らしいところ。読んでいるうちに、むしろそんな「搦め手」の仮説を検証する時の方が「へぇ~」と感心させられるのが面白いですね。
実際、この本は宇宙に対する関心を深めるのと同時に、仮説立案と仮説検証の参考書としても役立つように感じました。通常であれば、ある問題の原因・解法について50もの仮説を検証するということなどまずないでしょう。しかしそれを真剣にやるとどんな洞察が生まれるか、どんな思考のフレームワークが適用できるかを、この本は示してくれているように思います。
と、ちょっと気になったので Amazon で検索してみたら、同書以外にも2つの「50の理由」本がありました。このパターン、別のテーマにもどんどん応用が可能かもしれませんね。とりあえず僕は「仕事を片付けているはずなのに増えている」というパラドックスについて、50の理由を考えてみないと(解1. 実は仕事をしていない/解2. 実は片付けているのは仕事ではない/解3. 片付け方が間違っている ・・・)。