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ソーシャルメディアが死んだ日

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既に皆さんご存じだと思いますが、昨日深夜から今朝未明にかけて、数時間にわたって Twitter がダウンしました。原因はDoS攻撃。そのターゲットには Twitter だけではなく、Facebook や LiveJournal など、他のソーシャルメディアも含まれていたようです:

 

TwitterとFacebookがDoS攻撃で一時ダウン、マルウェア攻撃も復活 (ITmedia エンタープライズ)

 

さらに英 Guadian の報道によれば、Google までターゲットになっていたとのこと:

 

Google the latest victim of malicious online attacks (Guardian)

 
   

But after reports that Facebook was suffering from unexpected problems, it has emerged that several major companies were also victims of a simultaneous attack, including some Google sites and the blogging service LiveJournal.

   

A Google spokesman said that the company's systems helped protect it from damage, and that neither Google.com nor Gmail suffered any impact: "We are in contact with some affected companies to help investigate this attack."

   

Facebook が予期せぬ問題に直面しているという報道が流れた後、いくつかのメジャーなサイトも同時攻撃の犠牲者となっていることが明らかになった。その中には、Google の関連サイトや、ブログサービスの LiveJournal も含まれていた。

   

Google のスポークスマンによれば、同社のシステムはダメージを防ぐことに成功し、Google.com も Gmail も何ら影響を受けなかったとのことである。「私たちは被害にあった企業と連絡を取り、この攻撃について調査を行っています。」

 

ダメージは受けなかったということで流石は Google といったところですが、メジャーなソーシャルメディアサイトに加えて Google のサービスまでダウンする可能性があったかと思うと恐ろしくなります。また昨夜は「Twitter 避難民」「Facebook 避難民」がネットにあふれ出した関係で、類似のソーシャルメディア(FriendFeed など)が一時的に重くなるという影響もありました。僕も FriendFeed に避難していたのですが、断続的にアクセスができない状況が発生し、被害の大きさを実感しました。

 

これまでDoS攻撃というと、攻撃者の気にくわない特定の個人・組織が存在し、彼らがメッセージを発信するサイトに対して仕掛けられるものでした。しかし今回、攻撃の矛先がソーシャルメディア全体に向けられた(しかも同時多発攻撃が行われた)ということは、悪い意味で歴史に残る日なのではないかと思います。ご存知のように、Twitter をはじめとするソーシャルメディアは、最近の市民による政治的活動の中で大きな役割を果たすようになってきています。大手メディアが運営するサイトよりも、個人のつながりであるソーシャルメディアの方が、攻撃者にとって都合の悪い情報が流れやすいようになった――もちろん想像の域を超えませんが、そんなソーシャルメディアの影響力が認識されたことが今回の攻撃につながったのではないでしょうか。

 

かつて Twitter が(サイト側の技術的な問題で)ひんぱんにダウンしていた頃、サービスが利用できなくても「またか、仕方ないなぁ。しばらく待つか」で話は終わっていました。しかしその頃と比べ、ユーザー数は飛躍的に増加し、非常に重要なメッセージを伝達するためにも Twitter が使われるようになってきています(米国務省がメンテ時間に口出しする程までに)。大げさかもしれませんが、今回のような攻撃で Twitter がダウンし、さらに関連するソーシャルメディアまでも(攻撃もしくは避難民の殺到によって)アクセスできないという状況が発生することを想定し、何らかのカウンタープランを用意しておくべき時期に来ているのかもしれません。

 

【関連記事】

 

Twitterが落ちたときの避難経路は決めておかないとね (CloseBox and OpenPod)

 
   

代替案として一番多かったのは、FriendFeedでした。Twitterを代替・包含するリアルタイムコミュニケーション手段としてかねてから提唱していたのは、シロクマ日報の小林さん。

 

確かに FriendFeed を避難先にするように提案してきたのですが、昨夜はその FriendFeed までが重くなっていてあせりました。けど FriendFeed に参加する Twitter ユーザーも増えてきましたし、避難先の第一候補としてはやはり有効なのではないかと思います。この機会にアカウント取得をぜひ!ちなみに僕のアカウントはいつものように akihito です。

 

ツイッターに攻撃、イラン大統領選と関連の見方も (asahi.com)

 
   

ツイッターやフェースブックは、イランで6月12日の大統領選の結果をめぐり、街頭で抗議活動をした人々が当局の規制を逃れて連絡を取り合う手段として使っていた。今回の攻撃が5日にあったアフマディネジャド大統領の2期目の就任宣誓式の翌日だったことから、関連を指摘する声もある。

 

もう1つ驚いたのはこちら。朝日新聞が昨夜の件を記事にしています。こうやって一般紙が取り上げるようになったことからも、Twitter の成長を認識したりして。

 

今夜の Twitter ダウン、原因はメンテではなくDoS攻撃 (Polar Bear Blog)

 

【○年前の今日の記事】

 

演技とプレゼンテーション (2008年8月7日)   
そこでラジオ体操2.0、ですよ (2007年8月7日)

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