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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

猫も杓子も Twitter。日本ではついに戦国武将も Twitter を始めたようですが(笑)、そうなると避けられないのが「会社員がつぶやく」という事態です。数年前にブログがブームになった際、企業は自社社員がブログを書き始めることを想定して「ブログポリシー」を定めておくべきであるという議論が行われました。それと同様に、そろそろ「Twitter ポリシー」的なものが必要になってきているのかもしれません。

例えばAP通信では、こんな Twitter ポリシーを設定しているそうです:

AP Issues Strict Facebook, Twitter Guidelines to Staff (Threat Level | Wired.com)

全文はこちらのPDFファイルで見ることができますので、一通り目を通しておくと参考になるでしょう。実は Twitter だけに限定したものではなく、ソーシャル系サービス一般を対象にしたガイドラインなのですが(ツールは日々新しいものが登場するのですから当然ですね)、Twitter については特にこんな指示がなされています:

We’re still the AP. Don’t report things or break news that we haven’t published, no matter the format, and that includes retweeting unconfirmed information not fit for AP's wires. Feel free to link to AP material that has been published. It's difficult for most people to link to AP Mobile stories right now, so link to member and customer sites instead and try to vary the links to spread the traffic around. It's a good idea to reference the AP in the promo language, i.e. Just how much geek can be chic? Test your fashion IQ with this interactive game (AP): http://bit.ly/BvAqv <http://bit.ly/BvAqv> . Also, when tweeting, remember that’s there a big difference between providing an observation ("I nearly bumped into Chris Matthews outside Penn Station") and an opinion ("I nearly bumped into the loudmouthed and obnoxious Chris Matthews"). Why does the AP care or think it should have a say in what I put on my social networking feed/page?

私たちはどこにいてもAP通信の社員です。どんな形式であれ、社がまだ公開していないニュースをレポートしたり、未確認の情報を含む他人の発言を retweet するということがあってはなりません。公開されているAP通信の記事にリンクを貼ることは構いません。AP Mobile の記事にリンクを貼るのは現時点では難しいので、記事配信先のサイトにリンクして下さい。さらに様々なサイトにリンクを貼ることで、トラフィックを発生させるように心掛けて下さい。宣伝文と一緒にAP通信の記事を紹介するというのも良いアイデアです。例えば――インタラクティブ・ゲームで、あなたのファッションIQをテストしてみよう(AP通信):http://bit.ly/BvAqv。また Twitter で発言する際は、客観的な事実を述べること(ペンシルバニア駅の外で、Chris Matthews にぶつかりそうになった)と主観を述べること(おしゃべりで不快な Chris Matthews にぶつかりそうになった)の違いを覚えておくように。なぜAP通信は社員がソーシャルネットワークで発言する内容に関心を持っていると思いますか?

※注:retweet とは、他人の発言を引用して自分の発言とすること。「RT」という印を冒頭につけ、さらに元の発言者を「@(アカウントID」で示して retweet であることを明確にする、といったローカルルールが Twitter コミュニティー内で定着しつつあります。

このほか Facebook に関する指示も含めて「厳しすぎる」という声があがっていることを Wired の記事は伝えていますが、それについては賛否両論あるかもしれません。個人的には、「とにかく使うな」という態度を取る日本企業が多いことを思えば、「ルールを守った上で有効に使いましょう」という姿勢があるだけマシのようにも思えます。なにしろガイドラインの冒頭には、こんな一節があるのですから:

Is it OK for AP employees to have accounts on such social-networking sites as Facebook and Twitter?

Absolutely. They’ve become an integral part of everyday life for millions of people around the world, and the AP already has a robust corps of employees with accounts on all the social networks. These networks also have become an important tool for AP reporters to gather news – both for big, breaking stories and in cases in which we’re seeking out members of the public who might serve as sources for our stories. And they’re a prime source of citizen journalism material. One of our top images from the US Airways crash in the Hudson River, for instance, was a photo taken by a civilian that first surfaced on Twitter.

AP社員が Facebook や Twitter などのソーシャルネットワークサービスのアカウントを取っても良いですか?

もちろんです。そういったサイトは、世界中にいる何百万人もの人々にとって日常生活の重要な一部になっていますし、AP社員の中にも積極的に活用している人々がいます。またそういったネットワークは、AP社員にとってニュースを集める重要なツールとなっています。特ダネ級のニュースが集まるだけでなく、一般の人々が私たちの情報源となってくれる可能性があるのです。また、市民ジャーナリズムの主要な情報源でもあります。例えばハドソン川で起きたUSエアウェイズ機墜落事故において、私たちのニュース記事を飾った写真は、一般人によって撮影されたもので最初に登場したのは Twitter 上でした。

Twitter などのソーシャルメディアは重要な情報源になり得る――それを大前提とした上で、逆に会社にとってリスクのない使い方を模索するというのは正しいアプローチであるように思います。恐らく細かい使い方のレベル(retweet する際のルールなど)では、何が正しいかは日々変化するものでしょう。それについては今後会社と社員の間で話し合いを続ける、という方針であれば、今回のAP通信のガイドラインはそれほど的を外してはいないのではないでしょうか。

ポリシーは「~を使うな」と宣言するために定められるものではありません(何かを禁止をしたいのなら、ポリシーなどというまどろっこしいものを作る必要はないのですから)。あるものをどう使って会社の利益に結びつけていくのか?という話ですから、大げさに言えば戦略レベルに近い存在になるでしょう。ソーシャルメディアの流行を、会社の業務にどう取り入れていくのか。特にITやネット系の企業、マスメディア、そしてコンサルティング等々と「情報」が重要な要素になる企業にとっては、いままさに考えなければならない課題だと思います。

【○年前の今日の記事】

「なぜこの価格?」がアイデアを生む (2008年6月25日)
「小林啓倫と一緒に働きたい方はこちら」 (2007年6月25日)
問われて書くこと (2006年6月25日)

アキヒト
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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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