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オバマ効果?米国政府がRSS導入へ

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Boing Boing 経由で耳にしたニュース。オバマ大統領の署名により施行されたばかりの米景気対策法ですが、その実施にあたり、政府機関にRSSの使用が強制されるそうです:

RSS Hits the Big Time (Aaron Swartz's Raw Thought)

"American Recovery and Reinvestment Act"(「米国再生・再投資法」とでもいったところ)というのが成立した米国の景気対策法なのですが、この内容を実施するにあたり、大統領府が政府各機関に向けて発行したのがこちらの指示:

MEMORANDUM FOR THE HEADS OF DEPARTMENTS AND AGENCIES (※PDFファイル)

この54ページに、確かにこんな一節があります:

For each of the near term reporting requirements (major communications, formula block grant allocations, weekly reports) agencies are required to provide a feed (preferred: Atom 1.0, acceptable: RSS) of the information so that content can be delivered via subscription. Note that the required information can be supplied in the feed or the feed can point to a file at the agency using the convention noted below. If an agency is immediately unable to publish feeds, the agency should post each near term information flow (major communications, formula block grant allocations, weekly reports) to a URL directory convention suggested below:.

各期における各種報告上の必要事項として、各機関は情報がサブスクリプション経由で伝達されるよう、RSSフィード(Atom 1.0 形式が望ましいが、RSS形式も可)を提供すること。フィードは必要な情報が含まれているものか、もしくは各機関の中で情報伝達に使われるファイルを特定できるものとするように。フィードの供給を即時に開始することが困難な機関は、各種報告を次のURLに投稿すること:

ということで、連邦政府の各機関が大統領府に対して行う報告を、RSS経由で行わせるつもりのようですね(もちろん従来通りの紙媒体やメール等での報告も平行して行うのでしょうが)。しかしなぜわざわざRSSを導入するのか?その答えは、景気対策法の実施状況を米国民に伝えるため、オバマ大統領が設置した新しいサイト"Recovery.gov"にありそうです。上記の指示書は、冒頭でこんなことを述べています:

Of particular note, the guidance addresses Federal agency requirements to provide spending and performance data to the “Recovery.gov” website. To deliver a website that allows citizens to hold the government accountable for every dollar spent, the law and guidance require Federal agencies to implement mechanisms to accurately track, monitor, and report on taxpayer funds.

特に注意して欲しいのは、このガイダンスが連邦政府の各機関に対し、予算支出や成果に関するデータをウェブサイト"Recovery.gov"へ提供するように求めている点である。米国民に対し、政府が行ったすべての予算支出について説明を受けることを可能にするウェブサイトを提供するために、この法律とガイドラインは連邦政府各機関に対し、国民が支払った税金に関する情報を正確に追い、監視し、報告することを要請する。

つまり成立した景気対策法がちゃんと実行されているかウェブ上で確認できるようにするため、政府内の情報伝達もできるだけスピーディーに、そして効率的にしたいと。そのためにRSS導入も義務づけた、という背景がありそうです。ちなみに"Recovery.gov"については、以下の解説記事をどうぞ:

米景気対策7870億ドルの使いみちは? オバマ政府が「Recovery.gov」 (マイコミジャーナル)

いずれにせよ、米国ではITそしてネットに詳しい大統領が誕生したおかげで、確実に電子政府への歩みを進めているようですね。以前「RSS利用者数はピークに達してしまうかもしれない」というレポートが出ていることをご紹介しましたが、政府機関での使用がスタンダードとなれば、波及して利用者の拡大につながるかもしれません。将来的にはRSSフィードが一般公開されて、市民の手でより分かりやすい見せ方に加工・マッシュアップされるようになるかも、などと期待しています。

ところで我が国はといえば……とりあえず国会のゴタゴタを何とかして、景気対策に乗り出して欲しいところです。

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