シロクマ日報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) シロクマ日報

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

今夜は Forrester Research のアナリスト、Jeremiah Owyang さんが来日して夕食会があったりします。その関係で、という訳ではないのですが、Forrester から RSS について新しいレポートが発表されたとのことで、Micro Persuasion で紹介されています:

RSS Adoption at 11% and it May Be Peaking, Forrester Says (Micro Persuasion)

米国のネットユーザーを対象に行われた調査ですが、こんな結果が出ているとのこと:

On a positive note, the research entitled What's Holding RSS Back?, says that nearly half of marketers have moved to add feeds to their web sites. Further, RSS adoption among consumers is at 11% up from just 2% of users three years ago. RSS feeds usage is more dominant among men.

Here's the kicker, though. That might be all she wrote for RSS' growth track.

According to the research, of the 89% of those who don't use feeds only 17% say they're interested in using them. In fact Forrester spends much of the report helping marketers better explain the benefits of RSS to their customers. "Unless marketers make a move to hook them — and try to convert their apathetic counterparts — RSS will never be more than a niche technology," the analysts (who include Jeremiah Owyang) wrote.

まず良い面から見ると、"What's Holding RSS Back?"と名付けられた調査では、マーケターの半数が自社のサイトにRSSを設置したことが明らかになった。さらに消費者のRSS利用率は、3年前の2%から11%へと上昇した。RSSフィードは男性の方がより利用している。

ところが問題は、良い面がこれだけという点だ。

調査によれば、RSSフィードを利用していない89%のうち、利用に興味があると回答したのは17%のみ。実際、レポートの大半は「どうすれば消費者にRSSの価値を理解してもらえるか」をマーケターに解説することに費やされている。「マーケターが消費者を惹きつけるように努力しないと、RSSはニッチな存在からは卒業できないだろう」と Forrester のアナリスト達(Jeremiah Owyangを含む)は述べている。

ということで、3年前に比べれば利用者は増えているものの(3%->11%)、非利用者の中でRSSに興味を持っている人は僅かであると。従って企業側が利用促進に向けて動かないと、このままニッチな技術で終わってしまう、ということですね。

偶然ですが、今日はサイドフィードからこんな発表もありました:

上場企業・自治体のRSS配信状況調査レポート(第4回)を公開しました (a++ My RSS 管理人ブログ)

こちらは日本国内の調査。「全体のRSS配信率は 13.5% と、引き続き伸びてはいます」とのことですから、提供者側(企業・官公庁)の導入は進んでいるという点は Forrester の調査結果と一緒ですね。

Forrester の調査は有料レポートで中身が確認できないため、「RSS を使っている人」というのが正確にはどんな人々か分かりません。アンケート調査ですので、利用者に含まれるのは明示的に RSS リーダーなどを使っている人のみ、すなわち「裏側で RSS が使われているサービスをそれと知らずに使っている」という人は除外されている可能性もあると思います。従って実際にはもう少し利用度が高いかもしれない、という予防線を張った上で議論すると、個人的にはネットユーザーの11%が RSS を「使って」いるというのは、それほど悲観的な状況ではないのかなと感じています。そもそも全ネットユーザーの約1割といえば相当な数ですし、彼らにリーチするために RSS 配信システムを導入する、というのは決して論外な話ではないでしょう。しかも現在 RSS を使っているのはテクノロジーに詳しい人々でしょうから、そういった層がターゲットになる企業にとっては「顧客の4~5割が RSS を利用している」という状況も生まれているのではないでしょうか。

Steve Rubel はこの状況を「ピーク」、すなわちこれ以上 RSS ユーザーが増加するのは望み薄と表現していますが、その確率は高いように感じます。しかしそれは必ずしもネガティブな状況とは限らないですし、少なくとも今後利用者が減少に転じるという可能性も低いと思います。無理に RSS 利用者を拡大するために労力を費やすよりは、現在の RSS 利用者が満足度を高めるような施策に投資する、という選択肢もあるのではないでしょうか。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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