オルタナティブ・ブログ > シロクマ日報 >

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

求む、お孫さん連れでPCが買える店

»

週末、両親+自分&娘というメンバーで某家電量販店に行ってきました。これまで父が使っていたPCが古くなり、誤作動してしまうので、新しいPCを選ぶのをサポート(というより僕が選択)してきた次第です。「これまで使っていた」と言っても、実は諸事情で父はしばらくPCを使っておらず、ほとんど初心者といってよい状態。しかも以前のPCは Windows 2000 だったので、店頭にズラリと並ぶ Vista PCたちを目にしてかなり戸惑っていたようでした。

それでも何の相談もなしに買うのも悪いと思い、候補を挙げて「コッチは○○という機能が付いてるから高くて、それがなくていいならアッチの機種が安くていい」というような説明をしていたのですが、「お前が選んでくれればいい」の一言。一緒に買い物についてきていた母(孫の相手担当)は、「こんなに種類があると、何を聞いていいのかすら分からないし、説明されても分からないわね」と話していました。

買い物自体は問題なく終わり、新しいPCとプリンタを買って家路に着いたのですが、まさしく「デジタル・デバイド」という言葉が頭に浮かびました。僕らの世代にとっては、PCを選ぶということには何の苦労もありません。逆に「あの機種はこうで、この機種はこうで」と比較検討することに、楽しさを感じる人も多いと思います(実際、僕は両親そっちのけで楽しんでしまいました)。しかし父親の世代のPC初心者にとっては、それはまさしく難解で、苦痛なものでしょう。

もっと高齢者に優しく、買い物や相談がしやすいPCショップってないのでしょうか。もちろん様々な努力をされているお店が存在していると思いますが、いまの家電量販店のような場所では雑然とし過ぎていて、ゆっくり立ち止まって店員さんから説明を受ける余裕もありません。無数の機種がゴテゴテとしたスペック表示と共に並べられている店内は、まさに「情報洪水」といったところでしょう。そうではなく、お孫さんを連れてふらりと立ち寄り、ゆったりとしたスペースの店内で、居心地のいいイスにでも座りながら自分にあったPC(および周辺機器や参考書まで含めたセット)を提案してもらう――そんなイメージです。

「それじゃ効率が悪い」「高齢者向けのPC販売なんて必要あるのか」という声もあると思います。しかし子供が同伴しないとPCの1台も選べないような状況は、ちょっと異常ではないでしょうか。PCを家電並みの存在にすることの難しさは重々承知していますが、せめて販売の場面だけでも、もっとストレスの少ない環境を用意できないものかなと感じてしまった次第です。

Comment(8)