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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

おばあちゃんソーシング

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山菜採りの名人に、ネット上から山菜をオーダーできるというサービスがあるのをご存知ですか?以前 Polar Bear Blog で取り上げたことがあるのですが(記事はこちら)、「あきた森の宅配便」というサービスがそれ。サイトには「山菜採り名人」が顔写真・採るのが得意な山菜などの情報と共に紹介されていて、そこから気に入った名人を選び、山菜採りを依頼できるという仕組み。実はこれと同じ仕組みのサービスが、スイスにも存在していました ―― ただし扱うのは山菜ではなく、ニットのくつしたです:

Socks with a story (Springwise)

紹介されているのは"NET GRANNY"(ネットのおばあちゃん)というサイト。くつしたをオンデマンドで作成してくれるというサービスなのですが、作ってくれるのは15名のおばあちゃんたち。サイトには彼女たちのプロフィールが紹介されていて、気に入ったおばあちゃんにオンラインで注文できるのだそう。ちなみに15名の顔ぶれはこちら:

Netgranny

うーん、微笑ましいながらも心強い感じがしますね。サイトはすべてドイツ語(?)なので、残念ながらプロフィールを読むことができないのですが、「お金のためではなく、ただ時間をつぶすために参加しています」「6歳のとき、4歳の妹に編み物を教えていました」などといった話が書かれているそうです。読んでみたい!

ちなみに注文では色の指定はできるものの、デザインはおばあちゃんにおまかせ。くつしたが届くまで、ドキドキしながら待つことになります。この点は制約ではなく、逆に「おばあちゃんが自分のために作ってくれた、世界に1つしかないくつした」という長所になりますよね。なんだか僕もおばあちゃんに、いろいろな縫い物をしてもらったことを思い出してしまいました……。

「あきた森の宅配便」もそうですが、オーダーしたモノ自体だけに価値があるのではなく、そのモノが発送されるまでの経緯(名人が山菜を取りに行く/おばあちゃんがくつしたを編む)がストーリーとなって価値を生むわけですね。同様のサービスを様々な分野で展開することが可能なのではないでしょうか。個人的には、ビジネスうんぬんは抜きにして、おじいちゃん・おばあちゃん達のスキルが楽しい形で活かせるサービスが、どんどん生まれていって欲しいと思います。

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