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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

OSSが含まれない売上や出荷ベースで集計した市場シェア調査結果を全体の市場シェアとして公開する調査会社は悪徳だと思う。

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OSSの普及により、最近いろいろなメーカーや調査会社が発表する市場調査データが実態とかなり違ったケースが増えてきたように思えます。

一番ひどいと思うのは、CMSの件です。

※CMSはWordPressなどのWebサイトのコンテンツ管理システムを指します。

例えば「CMS 市場シェア」で調べると、市場シェアが1位となっている製品が三つでてきます。

シェアの調査方法が以下の3つ存在していて、それぞれに1位が存在しています。

1)稼働ベースでのシェア

2)累計出荷ベースでのシェア

3)ライセンス販売金額のシェア

ちなみに、OSSのWordPress、Drupal、Joomla!(稼働ベースでの全CMS国内外トップ3で国内ではこの3つを合わせると90%を超えます)はいずれもOSSなので、出荷という概念もなければ、ライセンスの売り上げも立ちません。よって2)と3)の集計では国内で80%以上のシェアを持つCMSであるWordPressはシェアがゼロになります。ちなみに2)の集計で1位になっているCMSは稼働ベースでは現在0.1%のシェアで、3)で1位とされているCMSに至ってはトップ86にも入っていない、シェアを確認できないCMSになります。国内のCMSシェアでもこの両者は確認できていません。

海外のCMSシェアランキング
https://w3techs.com/technologies/history_overview/content_management/all

国内のCMSシェアランキング
https://w3techs.com/technologies/segmentation/cl-ja-/content_management

今回このようなブログを書いているのは、調査会社があたかもCMSの市場シェアとして売り上げランキングや累計出荷ベースで報告を書いているところがとても残念でならないからです。

全うな調査会社であれば、「この調査データは売り上げ金額を集計したものであり、ライセンスが無料であるOSSのCMSを含んでいません」と分かるように注意書きするべきです。そう書いていない調査会社があれば、その会社は悪徳だと思います。そういう調査会社はずいぶん品質が低いです。

同じマーケッターとして恥ずかしいのでやめてほしいです。

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また私の近況は「吉政忠志」で検索されると大よそみえてきます。

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