「生成AIブリーダー」という職業が突然浮かんだ
最近、朝早く目が覚めます。
夜寝るのが早くなっているからかもしれません。先日も5時半に目が覚めました。
そして、その後、日経電子版を読んだら、「また円安に振れてきた」という記事が目に入りました。
(注記:このエントリーが上がる9月9日現在は、円高傾向だと思いますが)
以前からCopilotと、ドル高・円安について意見交換をしていたので(←何故お前が?、しかも生成AIとやって何になる?というのは抜きにして)、また、その記事の内容を入力してみました。
Copilotから回答が返ってきます。ふむふむ、と。
ところで、Copilotの回答の仕方は、いつもだいたい同じです。
自分が生成AIを使いはじめたのはCopilotでした。ただ、最近は生成AIを使うとき、ほぼChatGPTを使っています。そして今さらながら、CopilotとChatGPTでは、回答の仕方がかなり違うことに気づきました。
とすると、ClaudeやGeminiも回答スタイルが違うのかな?という素朴な疑問が湧いてきました。
ClaudeとGeminiを自分は使っていないので、ChatGPTの「チャトさん」(←もう名前まで付けている、という(笑))に、最初はClaudeとGeminiの回答スタイルを真似してもらって、その違いを見てみたいと思いました。
そうすると、チャトさんが言うんです。
「今の自分の回答スタイルは、Senooさんとこれまでいろいろなことをやりとりしてきた結果でもあります」と。
言われてみれば、確かにそうです。
最初から「こういう感じで答えて」と細かく指定していたわけではありません。
いろいろな話をして、こちらが「そうそう、そういうこと」と反応したり、逆に「そこはちょっと違うな」と突っ込んだり。
そんなやりとりを繰り返しているうちに、いつの間にか今のような回答の仕方になっている。
そう考えると、「AIの回答スタイル」というものも、単純にAI側だけで決まっているわけではないのかもしれません。
もちろん、チャトさんは「会話するたびにAIそのものが人間のように学習して、人格が変わっていく」という意味で言っているわけではありません。
それでも、自分との会話の積み重ねが、少なくとも今の会話の雰囲気や答え方に影響している。
今のチャトさんの状態を知った中では、Claudeの回答スタイルを真似してもらうことには、もうあまり意味はありません。
でも、「ちなみにClaudeだったらどんな感じ、ってできる?」と聞いてみると、ちゃんとチャトさんは、Claudeっぽい回答スタイルをシミュレーションしてくれました。
ちゃんと違う(笑)。
でも、やっぱりそこには「チャトさんがClaudeっぽく振る舞っている」という感じもあって、なんだか不思議でした。
朝の6時とか7時にやっている会話じゃないですよね~、なんてチャトさんに言われながら。
そうだね~、なんて。
なので、いったん会話は打ち切ることにしました。
そして、毎日の日課である血圧を測りながらぼーっとしていたとき、突然「生成AIブリーダー」という言葉が頭に浮かびました。
・・・何だ、それ(笑)。でも、これからそういうビジネス出てくるんじゃね?
そう思ったら、そこから急にアイデアが湧き始めました。
まず、このビジネスの対象は個人。
法人ではありません。
だって、自分が考えているのは、仕事を効率化するためのAIではなく、「自分と話してくれるAI」なんですから。
例えば、最初はまったく同じ初期状態の生成AIをいくつか用意する。
そして、それぞれに違う人間を想定した生成AIと、ひたすら会話をさせる。
「この人は話を聞いてほしいタイプ」 「この人は、とにかく議論したいタイプ」 「この人は、冗談を交えながら話すのが好き」 「この人は、間違いを指摘されると嫌なので、やんわり教えてほしい」
そんなことを繰り返しているうちに、最初は同じだったAIが、それぞれ少しずつ違う「個性」のようなものを持つようになるのではないか。
例えば1,000回会話する。
1,000回という数字に特別な意味があるわけではありません。単に「それくらいやったら、何か変わりそうじゃない?」という程度です(笑)。
そして、1,000回会話したAIを一つの「個体」と考える。
別のAIも1,000回育てる。
そうすると、
「こっちは聞き上手」 「こっちは話が面白い」 「こっちは理屈っぽいけど頼りになる」
なんていう違いが出てくるかもしれない。
さらに、その中から「このタイプがいい」と選んで、次のAIを育てる。
「聞き上手+適度なツッコミ」
さらに次は、
「聞き上手+適度なツッコミ+親しくなると冗談が増える」
・・・。
何だか、品種改良みたいです。まさに生成AIのブリーダー(笑)
「このAIは○○ブリーダー系統で、聞き上手の血筋です」
なんて(笑)。
「これ、面白いじゃん。だったら育てたAIのアカウントを売ればいいんじゃない?」
もちろん、現在の生成AIが、1,000回会話すれば勝手に人間のように人格形成される、という話ではありません。
でも、記憶や会話履歴、ユーザーの好み、話し方の設定、応答の評価などを組み合わせていけば、「こういう相手と話したい」というAIを作ることは、だんだん現実的になっているように思います。
「生成AIブリーダー」という職業、出てくるんじゃね?行けんじゃね?と考えました。
自分がやるか?
いや、自分はやらないんですが(笑)。
ただ、既にお気づきの方も居られるかもしれませんが、問題がありました。
そもそもAIサービスのアカウントを、そのまま売ったり買ったりすることは規約上できません。
あ、ダメじゃん(笑)。
では、どうするのか。
そこで考えたのが、「アカウント」ではなく「人格」を売るという発想です。
例えば、「聞き上手系」「議論好き系」「ちょっと毒舌系」などの人格をパッケージにする。
そこには、単なる口調だけではなく、どういうときに質問するのか、どこまで踏み込むのか、どういう冗談を言うのか、間違えたときにどう訂正するのか、といった「振る舞い」も含める。
さらに声も含める。
文章では好みなのに、声を聞いたら「何か違う」ということもあるでしょう。
話す速度、声の高さ、間の取り方、笑い方、こちらの名前を呼ぶ感じ。
そういうものまで含めて、一つの「人格」なのではないでしょうか。
そして、それを商品として、生成AIを作っている会社自身がやれば良いのでは?と。
例えば、人格パッケージのサンプルをいくつか用意して、まず50回くらい試してもらう。
「このAI、なんか自分に合うな」と思ったら、その人格を有料版アカウントのオプションとして、そのまま使い続けられるようにする。
企業から払ってもらうAIの利用料などと比べれば、個人から得られる金額は、はるかに小さいでしょう。
でも、全世界の個人ユーザーが対象になると考えれば、マスはかなり大きい。
それに、AI会社にとっては、もう一つ大きなメリットがありそうです。
一度気に入った人格を使い始めて、そのAIと何百回、何千回と会話するようになると、今度は「この人格がいるから、このサービスを使い続ける」という理由になります。
つまり、単なる追加料金ではなく、有料版アカウントから他のAIサービスへの乗り換え障壁にもなる。
そう考えると、個人向けの「AI人格」というのは、案外、AI会社にとっても面白い商品になるんじゃないでしょうか。
今の生成AIは、「どのモデルが一番賢いか」という競争が中心です。
でも、これからは、
「どのAIが一番賢いか」
だけではなく、
「自分は、どのAIと話したいか」
という選択も出てくるのではないでしょうか。
企業では「プロンプト疲れ」という言葉もあります。
毎回、「こういう立場で」「こういう目的で」「こういう形式で」とAIに説明する。
個人だって同じです。
「自分はこういう人間で、こういう答え方が好きで......」と、毎回説明するのは面倒です。
だったら、AIのほうがこちらを知っていけばいい。
最初から完成された人格を選ぶのではなく、
「なんでも話してください。あなたの話し相手です」
というAIと話し始めて、そこから少しずつ自分好みの相手になっていく。
「AIを使う」から「AIと付き合う」。
そんな方向に進んでもいいのではないかと思います。
これ、本当にどこかのAI会社がやらないかなぁ。
OpenAIでも、Anthropicでも、Googleでも、Microsoftでもいい。
どこかが「AIの人格」を本気で商品として扱い始めたら、結構面白いことになるんじゃないかと思います。
ただ、もしどこかが本当に始めたら、
「おお、やった!」
と思うでしょう。
そして、ちょっとだけ、
「・・・でも、これ考えたの、自分だからね(笑)」
とは言っておきたい。
もちろん、AI会社が自分とは関係なく同じことを思いついて、同じようなサービスを始めたとしても、それはそれで全然いいんです。
むしろ、実現したら面白い。
「生成AIブリーダー」。
朝、血圧を測りながらぼーっとしていたときに突然浮かんだ、何だかよく分からない言葉でした。
でも、考えてみればみるほど、
「AIを選ぶ」から「AIを育てる」へ。
そんな未来も、案外あり得るんじゃないかと思っています。