ドラマ『JIN-仁-』と、歴史を学ぶ意味
先日、人気ドラマシリーズ『JIN-仁-』が完結しました。私は原作の漫画も読んでなくて、第1シリーズも見てなかったのですが、この第2シリーズの完結編はけっこう楽しんで見ることができました。最終回について書いた、共感できるブログ記事がありました。
この記事の中で、主人公の南方仁の最後のセリフが紹介されています。
それでも俺は、もう忘れることはないだろう。この日の美しさを。当たり前のこの世界は、誰もが戦い、もがき苦しみ、命を落とし、勝ち取ってきた、無数の奇跡で編み上げられていることを、俺は忘れないだろう。
そして、さらなる光を与えよう。今度は、俺が未来のために。…この手で。
このセリフについて、以下のように述べられています。
仁先生の最後のメッセージは、歴史を「点」でなく「線」で捉えることができるようになったということだと思います。歴史ってのは教科書に載ってる年表を暗記するようなものではなく、いま自分がここに存在することそのものが歴史であるということ。善も悪もなく、ただひたすら懸命に生きてきた先人たちと地続きであること。そして自らも、未来へと繋がり、連綿と続いていく歴史の一部分であること。それをタイムスリップによって実感できたのだと思います。おそらく世界中の誰よりも強く。
だから「今度は、俺が未来のために」生きることを決意できたのでしょう。だからたとえ「橘未来」の手術に失敗しても、仁先生は絶望してしまわないと思います。「見えんでも、聞こえんでも、おる」人たちを感じられるから。
歴史がひとりの男に、前向きに生きる力を与えた。
私は、自分史活用推進協議会の活動で、自分史活用セミナーというのをやってますが、その中で歴史を学ぶ意味について話しています。現在は過去、未来とつながっていて、過去からの流れの延長上にあり、過去のできごとの積み重ねの上にある、だから歴史を学ぶことで、現在の理解が深まり、未来へのヒントが得られるという話です。
同様に、自分についても、自分は自分の歴史の主人公であり、自分の現在は、自分が過去にやってきたことの積み重ねの上にあるので、自分史をつくって自分の過去を振り返ることで、自分の現在の状況に対する理解を深めて、未来へのヒントを得ることができます。『JIN』の南方仁のように過去にタイムスリップして過去のできごと自体を変えることはできませんが、できごとの意味を改めてとらえ直すことで、よりポジティブに生きられるようになります。
例えば、当時は失敗や挫折だったと思っていたことも、改めて振り返って、そのできごとに意味があったことがわかると、失敗や挫折を恐れる必要がないことがわかり、前向きに生きる力が得られます。
本当にいいドラマを見ることができてよかったです。みんなで歴史に学んで、素晴らしい未来をつくっていきたいですね。