プチブームのステーショナリーはITモノの後を追わないでほしい
知人のデザイナーが「秋のブックカバー展」と称して銀座で昨年に続き展示会を開く。ステーショナリーおたくの筆者も、押しかけで、怪しいステーショナリーを試作して頂き、その試作品である「Wrist Post-it」も今回の展示会の片隅に展示される。もちろん、本来の素晴らしい多くの作品が中心だ。ポストイットを腕に取り付ける「Wrist Post-it」の発想は、リンク先に詳しく書いてあるように、立ち位置でのディスカッションで、思いつくアイデアやヒント、改善点など、なんでもスピーディーに腕につけたポストイットに書き込み、どんどん壁に貼り付けてゆくというイメージを具体的モノにしたもので、真の必要性とか、市場性とかを考えたモノではありません。
以前の会社に居た時、腕につけるLinux腕時計というのをシチズン時計さんと一緒にやっていた時期がありましたが、今回の「Wrist Post-it」の構想を考えている間は、その時となんら変わらない面白さと興奮でした。多くのIT系商品が、低価格の実用一点張りで、余裕というか、遊びが無くなってきていると感じる昨今ですが、ステーショナリーの世界だけはIT業界を見習うことなく、少しお馬鹿で、ルーズで、おもしろい世界を残してほしいと思っています。
このWrist Post-itは、大好きなSF映画(古い表現ですね)の「BRAINSTORM」を見ていて、思いついたベタでアナログなCheap Ideaですが、まさか本当に作品にして頂けるとは思っていませんでした。BRAINSTORMの好きな方はいますか?。
残念ながら、大好きだった女優のナタリーウッドの遺作となってしまいましたが、今、見ても本当に素晴らしい映画だと思います。最近は、この時代の多くのDVDが廉価で発売されて、秋葉原に行くのが楽しみです。先日、秋葉原のDVDショップで、このBRAINSTORMの新品DVDをたったの650円で購入することが出来ました。
最近は仕事柄、直接自らがIT系ハードウエアの商品企画やマーケティングをやることが無くなりましたので、新規開発商品に、「コードネーム」というモノをつける機会が無くなりましたが、久しぶりに、Wrist Post-itには開発コードネームを付けてやろうと一人で盛り上がり、「BRAINSTORM」という大袈裟な名前を付けて、ジョークのスペックシートまで作ってしまいました。商品として販売するとかしないとかとは関係なく、自分だけが満足出来る、カスタム商品の世界は良いですね。IT世界で最も個人に近かったパソコンは、BTOには到達しましたが、遂に最後までパーソナライゼーションの完成には至らなかったですね。しかし、ステーショナリーはフルカスタマイズや究極のパーソナライゼーションの世界が期待できますね。