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夏目房之介の「で?」

2021.4.14 映画『柘榴坂の仇討ち』

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録画で観た『柘榴坂の仇討ち』。桜田門外で井伊を討たれた近習(中井貴一)が切腹を禁じられ仇討ちを命ぜられ、明治になり藩がなくなっても武士を捨てられず仇を探し、ついに人力車夫となった唯一人の生き残り(阿部寛)を探し当てる。井伊役に中村吉右衛門(昔近代歌舞伎で井伊をやった彼を歌舞伎座で観た)、水戸浪士を取り調べ司法省役人となった男に藤竜也、中井の妻に広末涼子。彼らの演技を見るだけでも十分楽しい。じっくり作られた面白い映画だった。いかにも浅田次郎な世界だけど、やっぱり最後泣かされた。中井貴一はホントにいい役者だなあ。吉右衛門は貫禄という他ない。先日みた市川崑監督『四十七人の刺客』(「不器用」な高倉健が無理に大石をやった『忠臣蔵』)はくだらない出来だったけど、若い中井貴一の演技だけが光っていた。
https://www.youtube.com/watch?v=kbrN0WGBRMM
映画『柘榴坂の仇討』予告編
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映画『柘榴坂の仇討』予告編
『鉄道員(ぽっぽや)』など数多くの著作が映画化されてきた人気作家・浅田次郎による短編集「五郎治殿御始末」所収の一編を映画化した時代劇。主君のあだ討ちを命じられた武士の不器用な生きざまを通し、幕末から明治....
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