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夏目房之介の「で?」

絵巻物と視線の運動そして物語

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昨日は現代マンガ学の講義があり、学生さんくるのかなと思ったが30人ほどきてくれた。今の学生さんは真面目だ。今年はラスマイの年なので、もう残り2年、趣味に走ろうと決めた。今日はマンガの定義の2回目で「絵巻物はマンガの元祖か?」というテーマ。絵巻物好きなので「伴大納言絵巻」「信貴山絵巻」の冒頭を、徹底的に視線の運動と物語の話で語り、最後はそれを「言葉(語りと文字)~絵」と視覚文化という形式の問題にたどり着かせて、夢中でしゃべりまくった。リアクションペーパーは、おおよそ「面白かった」「興味深かった」と。中に「面白かったけど、ずっと講義だと眠くなる」という正直な学生も。まあ、そうだわなあ。できるだけ学生にインタビューするようにしたいのだが、好き放題しゃべっていると、なかなか難しいんだよね。心がけます。

「信貴山縁起絵巻」冒頭
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