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夏目房之介の「で?」

同人批評誌『マンガルカ』vol.2

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Vol.1でインタビューを掲載した『マンガルカ』2号が、夏コミに出ました。通販もあります。
今回、西村ツチカ、ふみふみこインタビューのほか、伊藤剛インタビュー「「新しい」の変容を探る描線 「ニューウェーブ・オブ・ニューウェーブ」とは何か」と、泉信行「MANGA表現論 縦奔横走 グローバルコミックスの工学(エンジニアリング)」が注目です。

伊藤のインタビューは、70年代の「ニューウェーブ」成立過程を踏まえた上で、それと影響関係のあるなしに関わらず、似たポジションを取るマンガたちを語り、その対偶に「萌えマンガ」を配し、それらを描線を介して語ろうとするもので、マンガ論言説史からも興味深いものです。
また、泉論文は、欧米コミックスの「読み」の視線力学を、従来の「ヨコ読み」ではなく、「n字」型の視線運動で解説したもので、たしかにいわれてみるとそう読んでいるかも、と思わせます。欧米コミックスが「読みにくい」と感じる人は、一度この読み方を試してみると案外スムーズに読めるかもしれません。興味深い仮説です。

コラムには、少し前に単行本を紹介した岩下朋世氏、うちのゼミ生と卒業生の三輪健太朗、島村マサリがレビューを書いてます。

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