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夏目房之介の「で?」

立て、立つんだ、毎日!

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「李老師曰く、缺練不缺站。練習しなくても立たないことはないようにしなさい。例えば一週間毎日しっかり練習しても、次の一週間全く何もしなければ積み重ねたものは消え去ってしまう。しかしどれだけ忙しくても、毎日2、3分その場に立って正しい構えをとり続けていれば、身体が蓄積を忘れない。」野村八戒さんのツィッターより

 なるほど~。いや、そうだと思ってましたが、一週間で「積み重ね」が消えるってのは、大げさないいかたにしても、ちょっとびっくり。もちろん初歩からの一週間と、3年以上きちんと練習してからの一週間では意味が違うが、スポーツなどは基本的に3日以内に反復すれば筋肉運動の記憶が小脳に定着するといわれていて、そういうとこは同じなのかな、と。
 もうひとつ。李先生はとにかく走圏を基礎においていて、そこからすべて始まる。が、ここでは、何もできなければ、ただ「正しく立つ」だけでも、やらないよりマシといういいかたをしている。僕の記憶のかぎりでは、はじめて聞いた気がする。
 ここで、正しい立ち方とは、その人のレベルごとにイメージされると思う。僕は、僕のレベルで、内側でまっすぐ、しっかり落ちて、胸や腕が存分に緩んで、足に負荷がかかり、丹田が意識される安定した状態を練習で感覚的に持っているので、それを再現できればいい、ということになる。じつは、毎日の自己練習でも、ほんのちょっとそうして立ってから88式を始めたりしている。じっさい、出張先のホテルなど、近所に練習する場所がないときには、狭い部屋で何とかしないといけないので、今度からやってみよう。

追申
そういえば、ただ立って正しい姿勢(構え)をとるってのは、初心者は龍形なりの外形の型だけど、経験者にとっては体の内側の整理統御だから、たしかにいえるなあ、思いました。

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