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夏目房之介の「で?」

畑中純さんまで

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http://mainichi.jp/select/news/20120613k0000e060165000c.html

畑中純さんが突然亡くなってしまった。
腹部大動脈瘤破裂。
本当にショックだ。

畑中さんは同い年で、彼の勤め先である東京工芸大学に招かれて対談をしたことを思い出す。
違う場所で、でも似たマンガ体験を辿ってきた畑中さんと、本当に楽しいお話ができた。
『まんだら屋の良太』はもちろん愛読していたし、対談のとき「月子さん」にもお会いできた。
自伝的マンガ『1970年代記 「まんだら屋の良太」誕生まで』(朝日新聞出版)は、同世代だけに「ああ、そうそう、うん、そうだよなあ」と頷きながら読み、また環境が異なるので同じ時代でも「そうだったんだなあ」と感心し、すごく面白く共感しながら読んだ。
畑中さんにお会いしたとき「ぜひ、続きが読みたい」とおねだりしておいたのを思い出す。もう読めないのだろうか。
http://www.tsutaya.co.jp/works/40610652.html

内記さんに続き、畑中さん。
何といっていいのか・・・。

ご冥福をお祈りします。

追記

宮本大人氏の追悼文
http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20120613

追記

畑中純さんのお通夜にうかがってきた。先日の内記さんのときと似た、マンガ研究メンバーと再会。ひさしぶりのヒトとは、こういうところで会うことになるんだな、と話し合う。
会食の場に、つげ義春さんがいらしていた。迷ったが、ご挨拶する。じつは、以前畑中さんの調布での展示会に伺ったとき(だと思う)、畑中さんにつげさんを紹介され、畑中さんと二人でもうほとんど十代の頃に戻ってしまい、興奮したことがある。同い年で似たマンガ体験をしてきたというのは、そういうことだ。それを思い出して、つげさんとお話をした。つげさんは「みんな、がんばっちゃうからだめなになるんだよねえ」と独り言のようにいわれ、僕は「みんな、そうです」と会場を見渡した。もちろん僕もそうだ。
隣におられた山下祐二さんとは、彼のところからウチの院にきた学生の話をする。山下さんとは、四方田犬彦さんと藤本由香里さんと、珍しいマンガをもちよって自慢しあう会をやったことがあった。
畑中さんがひきあわせてくれた、というころになるな。
ありがとう。

追記2
宮本大人氏の葬儀報告(上から3つめのエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20120617

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