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夏目房之介の「で?」

元祖『進撃の巨人』? 赤本『巨人の決闘』

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身体表象のボクのところに研究にきている米国のマンガ研究者(60年代のマンガが中心)ライアンさんが、おそらく50年あたりの赤本を色々見せてくれたんですが、これが面白い。それについてライアンさんが、ネットに記事を書いています。

http://www.tcj.com/the-bottom-of-a-bottomless-barrel-introducing-akahon-manga/

内容はボクの英語力では無理ですが、赤本の中に『巨人の決闘』という作品の画像があります。ヘタウマというより、落書きに近い絵ですが、妙なところで遠近感や、映画的なカットを描いてたりして、じつに味がある。学生たちと「元祖『進撃の巨人』だ」とかいって楽しみました。大きさは月刊誌の付録ほど。ちなみに、突然登場した巨人は、お話の半ばで死んでしまい、後はよくわからない雷鬼との科学戦が続き、やはり突然終わってしまうという、子供の落書き並みの展開。腰の抜けるほどユルい絵と、全然合ってない二色のカラーが、まるで現代芸術みたいに見えてくるから不思議。これ、大きく引き伸ばして、うまくトリミングして展示したら、絶対みんな勘違いすると思うな。

http://www.tcj.com/the-bottom-of-a-bottomless-barrel-introducing-akahon-manga/2/

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