あすなひろしセレクション1『砂漠の鬼将軍』
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みなもと太郎さんから、『あすなひろしセレクション1 砂漠の鬼将軍』をいただきました。
この作品は1972年の「週刊少年ジャンプ」に掲載された短編で、冒頭7ページがカラー。カラー原稿が失われていて、この復刻のカラーページは、何とリアルタイムの読者で切り抜きを持っていた藤原カムイさんがスキャンして修復したものだそうで、その「いきさつ」を藤原さんが寄稿してます。値段は1000円で、以下から買えるみたいです。
http://asunahiroshi.jp/shop/selection-series/686
もうひとつ、注目すべきは、この原稿、宮谷一彦氏が自分のアシスタントを連れて助っ人に入っており、歴然と宮谷調の絵が途中何箇所か入っていること。車が群れをなして走る場面や機動隊との乱闘場面などが目につきます。
みなもとさんが宮谷氏に連絡を取り、宮谷さんの回想文「流星遭遇 -三鷹在住記-」が寄稿されているのも貴重。これがまた4段組で9ページもあって、読み応え充分。依頼したみなもとさんが、次々届くFAXを見て驚いたというから、依頼された分量をはるかに越えていたのでしょう。宮谷氏の文中には、吉祥寺で女学生集団相手に肌襦袢姿で鬼ごっこする金子光晴、寿司屋に着流しで現れた埴谷雄高なども登場し、肝心のあすなひろしが登場するのは3ページ目の終わり頃。話はあちこちに飛び、昔の宮谷マンガの過剰さを今も堪能できる文章。でも、みなもとさんも書いておられるように、貴重な証言であることもまた間違いないですね。
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