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夏目房之介の「で?」

学部講義の履修選抜試験はこんなんでした

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現代マンガ学講義(夏目房之介) 20084月 選抜試験

問1 次の作者と、その作品を結べ

1)       大友克洋          A)『ポーの一族』

2)       羽海野チカ         B)『ブラックジャックによろしく』

3)       佐藤秀峰          C)『ブッダ』

4)       水野英子          D)NARUTO

5)       松本大洋          E)AKIRA

6)       手塚治虫          F)『マンガ家入門』

7)       岸本斉史          G)『ピンポン』

8)       萩尾望都          H)『ハチミツとクローバー』

9)       石森章太郎(石ノ森章太郎)  I )『ファイヤー!』

問2 次の文章を読んで思うところを200字前後で書きなさい。

 マンガを読んで面白いと感じるとき、たんに話やテーマが優れているからそう感じるわけではない。(夏目房之介『マンガはなぜ面白いのか』より)

問1の9問が各10点。問2が10点の配分ですが、実際は問1しか採点していません。

まず、問1で機械的に点数を出して、大体百人弱になるところで足切り。60点以上で、ほぼ90人強になりました。それ以下の人の問2に目を通し、内容的に考えるところのある人を入れて、ほぼ百人弱に絞りました(もちろん問2の答えも全部目を通してます)。
問1はたんに知識、問2は文にあらわれる知力や意欲などを見るもので、問1の点数と問2の力には何の相関性も結果的になかった。つまり、問1が良いからといって、問2のレベルが高いなんてことは全然なかったということです。なので、まぁ運みたいなものですね、試験の結果は。
でも、クジで決めるよりは納得するかな、と。

水野英子、石森章太郎、萩尾望都あたりを混同する傾向が強かったですかね。
60~70点が最も多い結果になったのも、そのへんでしょう。僕はいろんな大学で講演したり、京都で集中講義もってたりするので、まぁこんなもんだろうと思っていて、驚きはありませんが。

ちなみに通過者の所属学科もばらばらで、以外に哲学科が多いかなという程度。法科や経済もけっこういた。そのほうが面白いですがね。

さて、次の水曜の学部生もとれるゼミでも足きり試験をしないといけない。本当は月末にやろうかと思ったんですが、履修提出の時期からして23日じゃないと間に合わないらしい。
当然、院のゼミなので上の試験よりは難度を上げます。また院生諸君は試験を免除します。
講義は百人以下だけど、ゼミですから学部生からとれるのは、せいぜい10人かと思います。
これから試験問題を考えないといけない。悩ましいなー。

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