「日本でいちばん社員満足度が高い会社"ECstudio"」は「マネジメント」おたくだった
先日、「日本でいちばん社員満足度が高い会社」で有名なECstudioさんに体験留学してきました。
▼社員満足度全国No.1!次世代ワークスタイルを推進するIT経営実践企業|EC studio
http://www.ecstudio.jp/
できたての東京オフィスです。
中はきれいですが、まだ人数も大阪本社ほど多くないこともあって、シンプルな状態でした。
11時から18時まで、実際の業務風景を見たり会社の皆さんと食事に行ったり、社内で使っているツールの体験講習を受けたりと、濃密な時間を過ごしてきました。
結論から言うと、IT技術はこのようにエンドユーザに提供すべきなんだな、と強く感じました。
CSとESをうまくリンクさせている会社
「日本でいちばん社員満足度が高い会社」が出たときに、賛否両論だったのを覚えています。
例えばAmazonのレビューでも、
- 「サークル活動的なノリ」の会社であって実際には…
- 企業経営者は顧客のことを常に考えていなければならない。 間違っても社員満足度を上げるには何をしたらよいか等を考えてはいけない。…
といったような意見も寄せられています。
でもこれは私は、ちょっと筋違いだと考えています。
このECstudioさんは、顧客満足度と従業員満足度、CSとESをうまくリンクさせることに成功した、そしてそれを日々追求している会社、と捕らえることが適当です。
決して若い考えでやっているわけでも、顧客を軽視しているわけでもなく、従業員の満足度がきちんと顧客の満足度につながるように考え抜いている会社、だと感じました。
人間的な関わりをブーストするためのIT
社員の方から伺ったのですが、有名経営コンサルタント神田昌典氏のITコンサルタントをやっていらっしゃるそうで、その時に神田氏に言われたのが
「ECstudioさんってIT会社じゃ無くて、要は“マネジメントおたく”な会社だよね」
だったそうです。IT会社じゃないんです。
これ、この会社をきれいに表しているなと、体験留学が終わった後改めて感じています。
あくまで、一般的な企業活動をフォローするために何か無いか探したところITだった、そういう流れだと思うんですね。
実際、例えばECstudioさんの社内コミュニケーションは、非IT系の企業も含めてかなり違うと感じました。
コミュニケーションの質と量が凄い
ECstudioさんが導入しているツール、大きな物では
- MindManager(マインドマップ作成)
- TeamViewer(遠隔デスクトップ共有)
- CamtasiaStudio(デスクトップ動画撮影編集)
- ChatWork(自社開発)
- 大阪⇔東京間の大型TV会議システム(PS3による)
など。
これを実際に使っているところを見て感じたのは
どれもこれも、「人と人とがより深く効率的にコミニュケーションするため」に使っている、ということ。
いかにして、各社員の意見や脳力を引き出し、それを集合知として会社がまとめ上げて世に出していくか。お客さんの利益につなげるようにできるか。
その目標に向けてさまざまなツールを導入している。そういう印象でした。ITオタクでは全然無い。
ドラッカーの「マネジメント」との共通性
また同時に感じたのは、これは、ドラッカーの言う「マネジメント」の定義にぴったりなのではないか、ということです。
ドラッカーの定義では、マネジメントとは、ただの「管理」ではなく
- 第一は、組織に特有の使命,目的を果たすこと。
- 第二は、仕事を通じて働く人たちを生かすこと。
- 第三は、社会の問題について貢献する,
- まとめると、「組織の人たちを生き生きとさせ,高度な成果を上げる」こと
です。
あんなに“デジタル化”されているのに、社員の方々はとても生き生きしていました。
ランチの時は、やりたいことを蕩々と楽しそうに話してもらえました。大企業が享受しているITの恩恵を、中小企業にも、と。
そういう意味で、最初にお話しした「マネジメントおたく」という表現が、とても腹に落ちました。
社員をこういう状態に置くことができる、これはマネジメントが成功していると言えるのではないかと。
IT技術ってこうあるべき
そしてこれが、IT技術の本来あるべき姿ではないか、と感じました。
人間的な活動を支援・強化するためにツールを使う、これが私はITのあるべき姿だと思っています。
人間の理解の範疇を超えては駄目。
あくまで、人間的活動の拡張手段としてのIT技術という位置づけにしないと、万人に便利でコントロール可能なものにならない。
うちの会社もそういった信念で事業を継続していますが、また別の切り口で同じようなことを行っている会社の中を見ることができて、とても参考になりました。
これからも、WATCHして交流を深めていきたいと思わせる、とてもいい体験でした。
引き続きぜひおつきあいをさせて頂きたいです。
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